ある祝日に出掛けた三重県四日市市で昼食に訪れたのは、三栄町にある手打うどんの「幸楽」。この日は生憎の曇り空で、しかもポツポツと小雨が降り出していた。ここに来るまでに3軒の店に振られている(←休業日かが分かりづらい祝日あるある)。自転車を漕いで店に辿り着いたら、その風情ある建物に目が釘付けになってしまった。店舗を示すのは暖簾だけで後は看板も何も無い(店先の車、どいてくれないかな・笑)。自転車を停めて暖簾をくぐる。店内は土間にテーブル席が4つと、小上がり席が2つのみ。入口近くの席に腰を下ろす。店内も何も無く素っ気ないが、和の佇まいは渋くて素晴らしい。先客は3組4人。ちょうど調理場が見える場所だったが、意外にも若い男性が1人だけでやっていた。さて、店内は品書きらしきものが何も無い。テーブルの上にも箸と一味唐辛子があるだけで品書きも無い。一応、若主人はこちらを見たので自分が座ったことは確認しているだろうが、注文を取りに来るでもない(※)。先客の品が運ばれ、やっとお茶を持って来てくれた。ただ「何にします?」と訊かれただけで品書きは持って来ていない。うどんを食べるつもりでいたし、熱いのよりは温いのが食べたかったので「ころうどん出来ますか?」と頼んでみた。特に問題なく注文が通る。
※家に帰ってから調べてみたら、元々この店には品書きが無く、注文は調理場に直接行って伝えるか、置いてあるノートに客が書き込むのだそうだ。だからか、テーブル席に座った自分を常連客のオッサンが何度もこちらをジロジロ見るので嫌だなと思っていた。「自分から注文しないと出てこないぞ」っていう視線だったのかも。でもそんな事、初めての客には分からないよね。
しっかりと20分以上の時間がかかって「ころうどん」が運ばれた。小振りな鉢に盛られていて、具材はほうれん草と揉み海苔だけとシンプル。つゆは澄んでいて、色付きは淡い。啜ってみると甘さはあまりなく口当りはすっきり。”ころ”はつゆを温い状態で出す店と、冷たく冷やした状態で出す店があるが、こちらの温度は温い。自分は”ころ”の場合、キンキンに冷えたものより温いぐらいが好きなのでちょうどいい。手打ちだという白い肌のうどんは細身で平打ち。まるできしめんのようだ。手繰ってみると茹で加減は軟らかめ。食べた感じもきしめんと変わらない。刻みネギは別の容器で出されたが、他の客が箸を突っ込んだ可能性もある共用の容器だったので時節柄使わずにおいた。あっさりとしたつゆと麺をスルスルといただき、調理場に行って勘定してもらう。面白い店だ。次は何が出来るのか主人に直接訊いてみようっと。(勘定は¥450)
↓ 店のすぐ近くにあった一般住宅(建築詳細不明)◇。玄関横に屋根の傾斜の強い洋館が造られている。玄関に向かって左側にあるって珍しい気がする。
↓ その隣にある「日本キリスト教団 幸町教会」(建築詳細不明)◇。古い建物かどうかは分からないが、マンサード屋根だから中はホールみたく天井が高くなっているかも。
手打うどん 幸楽
三重県四日市市三栄町5-22
( 四日市 よっかいち こうらく うどん幸楽 饂飩 丼物 きしめん ころうどん うどんころ 手打うどん 手打ちうどん 近代建築 洋館 )