岐阜県東濃地方の旧中山道の宿場町を訪れ、人知れず残っている近代建築がないかなとJR釜戸駅のある下街道を散策。めぼしい建物は見つけられなかったが、ちょうど昼時になったので駅の近くの「角屋」で食事をすることに。実は周辺をウロウロしていた時に、店外に貼ってあった案内に”とろーりかつ丼”とあったのでピンときたのだった。そう、こちら瑞浪にはJR瑞浪駅の近くにある「加登屋食堂」をはじめ、”あんかけかつ丼”という独特なカツ丼がある土地。こちら釜戸は瑞浪駅から10kmほど離れてはいるが、何となく想像がついた。近辺にほとんど飲食店の見当たらない土地。店はまだ新しく、町の寿司屋風情。ただ暖簾から麺類丼物も扱っていることが分かる。
店に入るとまだ準備中といった感じだったが、女将さんが電気と暖房を点けてくれた(こちらの営業は正午からのようだ)。店内には漬け場があってやっぱり寿司屋という感じ。テーブル席に腰掛け、品書きから決め打ちの「かつ丼」をお願いする。品書きには特に”とろーり”とかは載っていない。どんな品でもそうだが、自分は品名や但し書き、写真等で先に説明されてしまうより、普通に「かつ丼」と書いてあって思ったのと違うのが出てくる方が”上がる”(笑)。だから本当は店外の案内の”とろーり”という記述も無い方が…(←勝手な事言ってる)。
しばらくして丼にたっぷりのご飯の上に、玉子が綺麗に溶かれた餡がかつを覆い尽くしている「かつ丼」が運ばれた。まごうかたなき”あんかけかつ丼”だ。玉子の黄色は「加登屋」ほど濃くなく、醤油味の餡ではなくどちらかというと塩味の餡。かつは横方向にも包丁が入れられている。こういった餡の味付けは甘い事が多いが、こちらのはあまり甘味がなく、塩味が強めなのが珍しい。最初はその塩分が気になったが、食べ進んでご飯と一緒になってくるといい塩梅に。しっかりと揚がったかつにとろりとした餡を纏わせてご飯と一緒に掻き込んでいく。綺麗に平らげて勘定してもらった。こちらのかつ丼がどうしてこういう仕様になったのかという肝心な事を訊き忘れてしまったが、”かどや”という屋号は偶然だろうか。こういった”あんかけかつ丼”を出す店はまだ他にあるのかな。(勘定は¥750)
↓ 店のすぐ近くにある「JR釜戸駅」(明治35年・1902・建造)◇。柱の様式が古いのでもしやと思ったが、後で調べてみると開業当時の駅舎だそう。
↓ 足を延ばして江戸から47番目の宿場「大湫宿(おおくてじゅく)」へ。ここは尾張藩領だったそうで高札場(幕府や領主からのお達しが板札に書かれたもの)が残されている(※後から調べたら復元だそう)◇。
↓ 国の登録有形文化財にも指定されている「丸森邸(旧・森川訓行家住宅)」(江戸末期建造・修復)◇。ちょうど雛祭りの時期で、雛人形などが飾ってあった。
↓ すぐ隣の「三浦家住宅主屋」(江戸末期建造)◇。こちらも同じく登録有形文化財に指定されているが公開はしていないようだ。
↓ 同じ瑞浪市内の48番目の宿場「細久手宿(ほそくてじゅく)」にある現役の宿「大黒屋旅館」(安政5年・1859・建造)◇。主屋が登録有形文化財に指定されている。何年か前に一度宿泊予約を試みたが、予定と合わず断念したことがある。次こそは…。周りには商店も何も無いので、泊まるとなったら相当酒とつまみを持ち込まないと夜が寂しいだろうナ(笑)。
角屋
岐阜県瑞浪市釜戸町3208-1
( 瑞浪 みずなみ 角屋 かどや カツ丼 あんかけかつ丼 とろーりかつ丼 亜種 国登録有形文化財 おおくて宿 ほそくて宿 中仙道 中山道 旅館大黒屋 大黒屋 )