キング・クリムゾン(King Crimson)にハマると、もれなく付いてくることになる「ProjeKct」。これは90年代後半にロバート・フリップ(Robert Fripp)率いるメンバーのうち、何人かの組み合わせで行われたバンドの別プロジェクト。大抵がサウンドスケープを中心としたインストゥルメンタルだが、いわゆる実験段階のバンド。これがバンドの活動再開のきっかけになったり、新しいクリムゾンの音楽指標になったりした。80年代の復活時もそうだったが、フリップはまずこうした別バンドの活動で手応えを確かめてから、それを正式に”キング・クリムゾン”だと宣言するようなところがある(←メンドクサイ・笑)。自分が今までに購入(全てネット・ショップにて)したのは以下の7枚(<>内は参加メンバー)。
- Live at the Jazz Café / ProjeKct One (1998)<Fripp, Gunn, Levin, Bruford> (¥553)
- Space Groove / ProjeKct Two (1998) <Fripp, Gunn, Belew> (¥530)
- Live Groove / ProjeKct Two (1999) <Fripp, Gunn, Belew> (¥582)
- West Coast Live / ProjeKct Four (1999) <Fripp, Gunn, Levin, Mastelotto> (¥630)
- The Deception of the Thrush: A Beginners' Guide to ProjeKcts (1999) (¥272)
- Heaven and Earth / ProjeKct X (2000) <Fripp, Gunn, Belew, Mastelotto> (¥659)
- A Scarcity of Miracles / Jakszyk, Fripp and Collins with Levin and Harrison (2011) (¥757)
まだその他に「The Collectors' King Crimson」シリーズに音源が収録されていたものもある。現在のリリース状況はどうか分からないが、発表当時はなぜか日本限定だった作品もいくつかあるようで、あくまでも発表段階ではクリムゾンとは一線を引いていたようだ。最後のは発表年が離れているが、しっかりと”A King Crimson ProjeKct”と名付けられていて、やっていることは変わらず、ここに参加したメンバーが中心となって2013年以降のクリムゾンの再結成に繋がっている。
腕っこきのそれぞれが自分達のテクやアイデアを披露しつつ、タッチ・ギターやVドラム(シンセドラム)も使ったりと楽器を含めて実験を繰り返している感じ。ポップな部分はあまり無いので聴いていて楽しいかと尋ねられると…「うーん」と唸ってしまうし、1枚を聴き通すのにかなりの気合が必要なのが辛いところだが(苦笑)、トニー・レヴィンらがやっている「Stick Men」なんかはまさにこういった活動から生まれたものだろうし、何より本人達にとって刺激的なんだろう。こうして聴いているとクリムゾンが解散している間も次から次へとずっとこれらの活動(実はまだ別にフリップ抜きの活動もある)を続けているのだから真正のワーカホリックといって間違いない。とんでもないオジサン達だ(笑)。