HORO / 小坂忠 (1975)
2年前に亡くなった小坂忠(ちゅう)の4枚目のアルバム、1975年発売の「HORO/ほうろう」。細野晴臣との共同プロデュースで、ティン・パン・アレーのメンバー、林立夫、鈴木茂、松任谷正隆に加えて松本隆、山下達郎、大貫妙子、吉田美奈子、矢野誠など、錚々たるメンバーが参加した1枚。もちろん現在では日本のロック(R&B)の名盤としての評価も定まっている。そういう情報は知識としては知っていたので、以前からずっと聴いてみたかったが、やっとの購入。
歌詞にも”リズム・アンド・ブルース”という言葉が出てくるが、奏でられている音楽も当時のアメリカのシンガー・ソングライター的な雰囲気があって曲もヴァラエティに富んでいる。東京出身者特有のちょっと気障な言い回しや言葉使いもここでは不思議としっくりくる。いつも思うが、どうしてこのまだ日本のロック黎明期に、演奏能力も含めてここまで成熟した音が完成したのかが不思議でならない。すでに国際基準を突破しているし、今に至るまでずっと論じ続けられている日本語とロックの親和性も易々とクリアしている。ただ細野のソロもそうだけれど、自分が若い頃にはこの音楽は刺さらなかっただろうなと思う。聴く側にもある程度の成熟が求められるのかな(と言うには今の自分は歳を取り過ぎているが)。
ネットショップにて購入(¥931)
- レーベル : エピックレコードジャパン
- ASIN : B00005R6FT
- ディスク枚数 : 1
>聴く側にもある程度の成熟が求められるのかな
こんなこと言うとコアなファンに叱られますが、メインストリームのアーティストをほぼ聴き終えたと思い、何か掘り出し物が無いかと(隠れた名盤・名曲を探るうちに)見つけたような人たちかな…小坂忠、細野晴臣、外道なんかの人々を指します、御免!!
ファンの人たち 真に受けないでね・・・見逃してくれよ!!!・・・万年ミーハーロックファンの独り言でした。
>メインストリームのアーティストをほぼ聴き終えた
普通の人はそこまでにも至りませんから、私達はすでに異端の徒である訳です(笑)。
今ではアーティスト情報は(玉石混交にせよ)腐る程あって、試聴も簡単。それでもじゃあ今の方が
幸せかというと…。不思議なもんです。自分なんかは評価の定まった”安全パイ”ばかり聴いている訳
ですから充分幸せと言えるはずですが、熱意はやはり飢餓状態にあった若い頃にはかないません。この
キャリアを”成熟”と呼んでいいのかどうか…。