American III: Solitary Man / Johnny Cash (2002)
ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)のアメリカン・レコーディングス(American Recordings)第3弾。前作と同じリック・ルービン(Rick Rubin)がプロデューサーだが、今回から息子のジョン・カーター・キャッシュ(John Carter Cash)も加わっている。毎回本人より若い世代の曲の素晴しいカヴァー・ソングを採用しているこのシリーズだが、今回もトム・ぺティ(Tom Petty)、U2、ニック・ケイヴ(Nick Cave)などの曲がラインナップ。自分の子供と言っていいくらいの世代の曲を演るのだが、お祭り感覚、あるいは企画っぽいものではなく、完全に自分のモノにしてしまっているところはさすが。
冒頭のシンプルな1で、すぐにグイグイと引き込まれ、年老いて震えるキャッシュの声と音数の少ない演奏が凄味を加えている。これをカントリーと呼ぶか、ロックと呼ぶか、オルタナティヴと呼ぶかは分からないが、第3弾でも全くアルバムの質が落ちないのは驚異的。その中でも珠玉の作品はU2のカヴァー4だろうか。そしてこの次に出る、彼の生前最後の作品となるⅣで、ナイン・インチ・ネイルズのあの名カヴァーとなる訳だ。そしてそのヴィデオ・クリップ撮影の数ヵ月後にヴィデオにも出演していた妻ジューン(June Carter)が無くなり、様々な紆余曲折がありながらも生涯愛した彼女を追うように4ヶ月後、自身の死を迎える。不謹慎だが、なんという完璧なシナリオ。合掌。
オークションにて購入(¥646)
- CD (2002/3/5)
- Disc: 1
- Format: Import
- Label: Lost Highway
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