引き続き恵那市の岩村城下町を散策。お土産にと寄ったのは「松浦軒」。岩村には江戸時代から古(いにしえ)の技法で作られる”カステーラ”が残っていて、後に洗練されたカステラとは違う、より元の形を残しているカステラ(カステーラ)だとして雑誌などにも特集されている。以前に伺ったのは創業が寛政8年(1796)※という「松浦軒本店」。今回伺ったのは創業明治15年(1882)の「松浦軒本舗」。店頭には特に”本舗”の表記は無く「和蘭風カステーラ・松浦軒」とあるだけ。同じ屋号の本店と目と鼻の先にあるので何か関係があったのだとは思うが、どちらの情報を探しても、その辺りの事情はあまり出てこない。渋い木製看板が掛かる店にお邪魔した。店内はガラスショーケースがあるのみ。シンプルな「カステーラ」の他に「ブランデーカステーラ」(写真下右側)というのがあったのでそれも購入した。これならバイクのサイドバッグに縦に入れても大丈夫。
※「松浦軒本店」は製法を伝えた下記の「神谷雲沢」が長崎に留学した年を創業年にしているそうなので、実際の創業年とは違う可能性がある
家に持ち帰ってまず母におすそ分け。残りを妻と分けっこする。伝えられる製法の説明は本店と同様で、岩村藩の医学生・神谷雲沢が長崎留学中に習得し帰郷して伝えたのだとか。こちらの「カステーラ」の原材料は、鶏卵、砂糖、小麦粉、和三盆糖、水あめ等とのこと。詳しく調べてみると、卵が一番多いのと、水あめを使っているのが本店(本店は水あめ不使用・蜂蜜使用)と違うようだ。もう本店の方のカステーラの味は忘れてしまったので比べることは出来ないが、生地の肌理は細かいもののしっとりとした感じはあまりない。色付きも一般的なカステラのように濃い黄色ではない。味は何といっても玉子の風味が強いのが特徴。旨い。「ブランデーカステーラ」はややしっとりめ。ブランデーはほんのり香る程度で強くはないが、これも旨かった。(勘定は¥1,280)
↓ 通りの辻にある四面塔と道標◇。「左なこや道」「是より左八なこや道」と書いてあるのだそう。裏側にも文字が刻まれているが写真を撮るのを忘れた。
↓ 古い建物ではなさそうだが、その意匠が何となく気になった「クリーニング・三宅」(建築詳細不明)◇。
↓ 店舗近くの元・美容室の建物(建築詳細不明)◇。もちろんこれも大して古くはないだろうが、こういった縦に続いた明かり取りの窓や、蹴り板の付いた入口ドアがいかにも昭和な感じ。
↓ 通りから路地に入ったところにある岩村藩の鉄砲鍛冶「加納家」(建築詳細不明)◇。 天保2年(1831)頃から藩主の命令で鉄砲鍛冶を始めたのだとか。建物の中には火縄銃や古文書が展示されている。
↓ こちらも通りから路地に入った所にある「やなぎ屋」(大正時代建造)◇。元は染織工場だったのだそう(そのわりにタバコ売場が残っているのはなぜ?)。現在はゲストハウス(民宿)として使われている。
岐阜県恵那市岩村町西町809-6
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