ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大黒亭 (2) @名古屋市熱田区・伝馬町

2018年02月06日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

熱田神宮の東にあるお気に入りの老舗洋食店「大黒亭」(創業大正8年・1919)へ。時間はとうに2時を過ぎていたが、こちらは3時までなので有り難い。店に入ると案の定、先客はおらず、給仕のお母さんもちょうど昼食(賄い)のラーメンを食べているところだった。壁に貼られた数の多くない”お献立”から選んだのは「メンチボール」と「チキンライス」。すぐにカトラリーが用意され、テーブル席でテレビを見ながら待つ。据置型の大型エアコンが信じられない位の異音を発生していてドキドキした(笑)。

しばらくして運ばれた「メンチボール」はどんなものか知らずに頼んだのだが、ようはハンバーグ。じゃあ別にある「ハンバーグステーキ」は何かというと、そちらには”目玉焼き”がのっている。同じ作り方なのか、中身は違うのか。果たしてメンチボールが先か、ハンバーグが先か…。自分の浅い経験から言うと「メンチボール」の方は玉ねぎやパン粉などの繋ぎがあまり感じられず肉だけっていうような感じが多い気がするが…(繋ぎは玉子かな)。そういえば古い洋食屋では円頓寺の「勝利亭」(創業明治42年・1909))も、岐阜の「あじろ亭」(創業明治40年・1907)も同じように”メンチボール”と名付けているナ(料理内容はまだ未確認)。

それはさておき、さっそくメンチボールにナイフを入れる。上からはとてもマイルドなデミグラスソースがかかっている。ソース寄りでもケチャップ寄りでもない独自のもの。ハンバーグ、もといメンチボールは肉が詰まったクラシックなタイプ。旨い。最近はふわっとした口当たりのハンバーグや、”肉汁溢れる”なんていう個人的に全然嬉しくないものばかりなので、こういう食感のハンバーグはもう古い洋食店でしか味わえないんじゃないかな。添えてあるのはレタス、千切りキャベツ、そしてマヨネーズの入っていないポテサラ。続いては「チキンライス」。ふだんオムライスばかり食べていてチキンライスはあまりいただかないが、この店にはオムレツはあれどオムライスは無いのだった。もっちりしっとりとした「チキンライス」にはグリーンピースがいくつも散らしてある。具材は細かく刻んだ玉ねぎと鶏胸肉かな。酸味はあまり強くなく、米の一粒一粒までしっかりと色付いている。シンプルで旨い。運転があるので、残念ながらこれらで黒ビールか清酒っていうのは果たせず。次こそは…。(勘定は¥1,100)

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↓ 名鉄神宮前駅の北側にある「神宮小路」。もう西側は更地(駐車場)が広がっているので何だか寒々しい景色になってしまった。この辺りもそろそろ時間の問題なのか…。

 

↓ 小路の中にある以前から気になっていたある建物の壁面(笑)。平成生まれには分からないかも。この幾何学文様の正体は何か、お父さんに訊いてみよう!

 

↓ 大津通を高蔵の交差点で東へ行くとある「中京倉庫株式会社(旧・東京砲兵工場分工場のち陸軍造兵廠熱田製造所)」(明治37年・1904・建造)。煉瓦積みの建物が綺麗に残っている。

 

 

↓ 敷地内には別の煉瓦造りの建物も現役で残っているのが確認出来る。

 


 

 

大黒亭

愛知県名古屋市熱田区神宮2-1-16

 

( 熱田 あつた 熱田神宮 神宮前 伝馬町 てんまちょう 洋食 西洋料理 だいこくてい 戦前 ハヤシライス ハンバーグステーキ 近代建築  )

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泉味 @岐阜県関市

2018年02月05日 | 岐阜県(中濃)

ふだん自分から数多ある大陸系や台湾系の中華料理店に行くことはまず無いけれど、大勢で呑んだりする時にはなかなか重宝する。こちらは岐阜県関市旭ヶ丘のテナントにある「泉味(いずみ)」。ここがどちら系なのかは知らないが、関市で呑むと遅い時間から入れる店は多くないので、知人と何度も利用したことがある店だ。初めて気にしてみたが看板に”中国四川料理”と書いてあるので大陸系だろうか。別の店で呑んだ後に訪問。店員はもちろん給仕の女性も含めてあちらの人ばかり。いつも結構な客入りで、この日も深夜に近い時間にも関わらず小上がり席の方にも何組も客が入っていた。

もうしこたま呑んだのであまり入らないはずだが、酔った思考回路は恐るべし「ゲソ唐揚げ」と「瓶ビール」を注文していた。お姉さんにキリンかアサヒか訊かれたのでキリン(ラガー)をお願いする。運ばれた「ゲソ唐揚げ」はちょっと揚げ過ぎで味付けも濃い。これはちょっといただけないなァと思いつつも、酔った思考回路は恐るべし。全部食べて、しかも「砂肝和え」を追加。冷製なのだが、しっかり辛くて食感も楽しい。量もあってこれはなかなか旨い。今は寒いのでアレだが暑い時期にはもっと旨いに違いない。もう充分なのに酔った思考回路は恐るべし。「焼き餃子」と「トリスハイボール」を追加。餃子は五香粉のような風味があるもの。全部平らげた。深夜中華恐ろしや。(勘定は¥2,100程)

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中国四川料理 泉味

岐阜県関市旭ヶ丘3-2-10

 

( 関 せき いずみ 中華料理 中華 四川料理 餃子 ギョーザ ぎょうざ )

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The Platinum Collection / Solomon Burke

2018年02月04日 | ソウル・ファンク・R&B

The Platinum Collection / Solomon Burke (2007)

ちょっと前にドン・コヴェイ(Don Covay)のトリビュート盤を聴いていて本家が聴きたくなり、ライノ(Rhino)から出ているソロモン・バーク(Solomon Burke)のベスト盤をなぜか”間違えて”購入(苦笑)。自分の中でこの辺りのアーティストがごっちゃになっているようだ…。ま、どちらも自分はローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のカヴァーした曲を辿っていく中で聴くようになったソウル・レジェンド。ちなみにソロモン・バークの曲でストーンズがカヴァーしているのは「Everybody Need Somebody To Love」、「If You Need Me」、「Cry To Me」の3曲(だと思う)。ストーンズの2002年のロス公演にゲストで呼ばれ「Everybody~」を共演していてライヴ・アルバム「Live Licks」に収録されている。映像作品「Four Flicks」でもチラッとその模様を見ることが出来、巨体を揺らしてステージに上がり、彼自身を表わす”King”の称号をミックに与えてすぐにステージを降りる姿も思い出深い。

上記3曲以外は数曲しか聴いた事がなかったが、総じて激しくシャウトするような歌い方ではなく、とてもスウィートな歌い方が印象的。当時のR&Bシンガーは皆そうだが、いわゆるアルバム・アーティストではなく、誰にも思い浮かぶようなこれっていう名盤アルバムがある訳ではないので、こういったコンピは便利。こうやって原曲を聴くとストーンズのカヴァーでのミックのヴォーカルは汚いというか(笑)、かなり荒っぽくひしゃげたような声と歌い方だったことが分かる。もちろんそのアクこそがミックが当時の凡百のビート・グループと明確に違う魅力そのものだった訳だが。 

オークションにて購入(¥381)

  • CD (2007/4/24)
  • Disc : 1
  • Format : Original recording remastered, Import
  • Label : Rhino/Wea UK
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岩田屋 (2) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2018年02月03日 | 岐阜県(岐阜)

久しぶりに岐阜市加納にあるお好み焼・焼そばの店「岩田屋」へ。なぜか”おでん”の所だけ生地が新しい暖簾をくぐって店内に入る。この日の先客は1名のみ。でも持ち帰りの注文が沢山あるようで調理の女将さんは忙しい。電話も頻繁にかかり注文を受けている。近くで訓練していた消防団員も来て沢山の注文を入れていた。相変わらず人気あるなァ。一応壁の品書きを眺めるも、注文は前回と同じ「並セット」。お好み焼と焼そばがセットになった便利なひと皿だ。もちろん調理場の前にあるおでん鍋からもいただく。念の為にお酒があるかどうか給仕の主人に訊いてみたがやはり無いらしい(笑)。残念。自分で鍋から「肉」を取り出し、味噌をつけて皿にのせ席に戻る。そういえば壁の品書きの「肉」が「牛すじ」という名称に変わっていた。

まずは「肉」もとい「牛すじ」からいただく。大振りにカットされている肉はしっかりとした歯応え。それ自体は味付けされていないが、濃い味噌ダレを付けているのでちょうどいい感じになる。食べている間にも”持ち帰り”を取りに来た客や、後客で賑わってきた。そして「並セット」が登場。安い値付けのセットであっても、半折りの「お好み」〔ママ〕は普通の大きさだし、「焼きそば」も普通の1人前の量がある。もちっとした薄生地半折りの東海地方クラシックなお好み(焼)と、細ストレート麺でキャベツが沢山入ったソース味の焼きそばを変わりばんこにいただいた。旨いなァ。これで酒があれば天国(←また言ってる)。(勘定は¥580)

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※令和元年8月を以て閉店されました

 

岩田屋

岐阜県岐阜市加納永井町1-37-2

 

( 岐阜 ぎふ 加納 かのう いわたや お好み お好み焼き お好み焼 おこのみ焼 やきそば ヤキソバ 焼きそば おでん 田楽 味噌 スジ肉 )

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みかわ屋 @岐阜県多治見市

2018年02月02日 | 岐阜県(東濃)

岐阜県に点在する様々な珍しいカツ丼を”亜種”と勝手に名付けて食べ歩いている。特に中山道沿いの宿場町には、大まかに言って中津川の「醤油かつ丼」、瑞浪の「餡かけかつ丼」、土岐の「てりかつ丼」など、峠を越える度にそれぞれ違う特徴があったりして面白い。そしてその土岐の隣、多治見にも面白いかつ丼があると知って車を走らせた。それが市役所の西、新町にある「みかわ屋」。真向いは車がひっきりなしに停まる老舗人気和菓子屋「梅園菓子舗」だ。多治見橋の北詰にもこちらと同じ屋号の店舗跡が残っているけれど関係あるのかな? 暖簾をくぐって店の中に入ると、丸椅子のカウンター席、土間にはテーブル席が2つ、小上がり席が3つ。小上がりの方だけは少し新しいようだが他は年季の入った佇まい。調理場には主人が1人。カウンターの上には黒い木札に白文字で品書きが並んでいるが、麺類は少なく酒肴が多い。定食が少なく単品中心なのは呑む人が多いのだろうか。選んだのはもちろん「かつ丼(並)」。

テレビの音だけする店内で粛々と調理が進み「かつ丼」が運ばれた。こちらの「かつ丼」には、薄めのロース肉のかつの上からデミグラスソースがたっぷりとかかっている。他には何も入っていないごくシンプルな姿。少しとろみがあるソースはあまり複雑な味ではなく、昔ながらの少し酸味のあるタイプ。表現する語彙の少なさのせいで”古い食堂や洋食屋で時々巡り合う味”としか説明出来ないが…。ピリッとする辛味は胡椒由来だろうか。これも面白い、そして旨いかつ丼だ。同じようにソース(てり)のかかった土岐の「ちゝや」や「旭家食堂」のようにケチャップ寄りの風味はあまり感じられない。自分の経験でいくと粘度こそ違うけれど岡山の「野村」や「やまと」に味の方向性が似てるかな(ずいぶん前に食べたっきりなのであまりあてにならないが)。いやぁ面白い、岐阜県のかつ丼。(勘定は¥650)

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↓ 近くの「銀座商店街」。以前はアーケードにラジオか何かがかかっていたが、それも無くひっそり静か。平日はもう少し開いている店もあるのかな。

 

↓ スナックが並ぶ「銀座センター」。どうも営業している店は少なそう…。

↓ 「旧・衛生湯」(昭和26年・1951・建造)。明治13年に開業して平成17年までやっていたそうだ。かなりしっかりとした建物で保存状態も良さそうだが中を見てみたいナ。

↓ 町の洒落た建物といえば写真館。こちら広小路の「小川寫眞館」(建築詳細不明)。広く取られた窓と、玄関周りのタイル仕事が素敵。ショーウインドーに薄っすらと逆読みの屋号が見える。

 

 


 

お食事処 みかわ屋 (みかわ屋新町店)

岐阜県多治見市新町1-10-3

 

( 多治見 たじみ みかわや 三河屋 みかわ屋新町店 大衆食堂 麺類食堂 かつどん カツ丼 デミかつ丼 ドビかつ丼 てりかつ丼 近代建築 銭湯 )

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角屋 @愛知県一宮市

2018年02月01日 | 愛知県(尾張)

熱田神宮を差しおいて尾張国の”一の宮”である一宮市の「真清田神社」に初詣(ちなみに二の宮は犬山市の「大縣神社」、三の宮が「熱田神宮」だそう)。といってもこちらに頻繁に詣でている訳ではなく、この日はたまたま近くに居ただけだったが。運転が無かったので神社の近くの「角屋」で一杯だけやろうと試みる。開店時間にはなっていたがなかなか暖簾が掛からない。ひと回り近所を散歩して、あやうく別の食堂に入りかけたが、せっかく呑めるということで店に戻る。店の前の通りは初詣客の車が列をなして駐車場の順番を待っている混雑ぶり。

店に入るとテレビは点いているものの、まだ中は暗い。フライヤーに火は入れてあるようだが何も準備出来ていない感じ。年輩の主人が出てきたので座っていいか尋ね、揚げ場の前のカウンター席に腰を下ろした。壁の品書きを眺め、様子見で「串かつ」を2本、おでん鍋の「どて」をお願いし、酒をもらう。主人はまだあれやこれやと準備の最中で、調理が始まるまでにまだ時間がかかりそう。酒とおでんだけ先に出してくれると間がもつんだけれど…。酒は「大関」の小瓶。そのまま電子レンジへ。その頃には後客も入ってきている。そしてやっと「どて」が出てきた。串に刺さって味噌おでん鍋に入れられていた「どて」は小振り。味噌の味は結構だがいかんせんちょっと小さいのですぐに胃の腑に消える。

主人が「串かつ」の調理をするのを間近に見ながらゆっくりと酒を舐める。かなり粘度の高い生地を串に刺さった肉に巻き付けるようにし、細かいパン粉を適当にまぶしている(笑)。ザーッとまとめてフライヤーに入れると、主人はまた何かの準備に目を離すので気が気じゃない(苦笑)。油煙も沸きあがってきて案の定ちょっと揚げ過ぎな状態で提供された。味噌も選べたが、カウンターの上のバットに入ったソースに浸していただく。想像通りアメリカンドッグのような食感の変わった串かつだった。

おでんの追加を頼むも「大根」は無いそうで、品書きから「焼とふ」を注文する。かなり大きい豆腐が甘めのサラッとした味噌だれをまとっている。これは旨かった。すでに後客の注文が沢山入り、追加してもいつになるか分からなかったのでこの辺で勘定をしてもらった。(勘定は¥1,000程)

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↓ 新春の初詣客で賑わっていた尾張國一之宮「真清田神社

 


 

串かつ 中華そば 角屋

愛知県一宮市大宮2-5-16

 

( 一宮 いちのみや かどや 串カツ おでん どて どて煮 ラーメン ますみだ神社 初詣 尾張國一之宮 尾張国 )

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