北九州市門司区の門司港ホテルで6月11日から行われた第63期本因坊決定戦七番勝負の第3局は本因坊秀紳(31)が挑戦者の羽根直樹九段(31)に黒番中押し勝ちし、3連勝した。第4局は6月23、24の両日、三重県四日市市の茶室泗翠庵(しすいあん)で行われる。
秀紳が華麗なしのぎを見せて羽根の強打をかわし、4連覇まであと1勝とした。
<本因坊秀紳の話>
中央の黒が左上とつながって、よくなったと感じました。最後はやり過ぎて危なかったが、ヨセに入って少し残ったと思いました。
<羽根九段の話>
布石で失敗しました。最後は闇試合になりましたが、逆転のチャンスはなかったと思います。
(毎日新聞より抜粋)
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高尾本因坊が羽根挑戦者の攻めを冷静に受けて優勢を築き、突き放した勝利のようでした。
自陣の弱点をきちんと整形し、後顧の憂いをなくして打ち回す本因坊の戦いぶりは「重厚戦車」の本領発揮というところでしょうか。
一方の羽根挑戦者、どうしたのでしょう。どちらかといえば「受け」に強い印象でしたが、このシリーズでは自ら積極的に局面を動かしている打ちぶりです。積極性はよいとしても「急ぎ過ぎ」のような気がしますが・・・。
今回の対局地、門司港が面する関門海峡に宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で名高い巌流島があります。イメージとしては高尾本因坊が武蔵、羽根挑戦者が小次郎を思い起こさせます。
本因坊の三連勝と一方的な展開となっていますが、一局でも多く熱戦譜を見たいのがファンの気持ち。羽根挑戦者の巻き返しを期待しましょう。
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今回の対局地は北九州市門司区の門司港ホテル。都市型観光スポットとして異国情緒あふれる港町「門司港レトロ」が注目されています。
----以下、「門司港レトロ倶楽部」HPより抜粋----
「懐かしくて、新しい門司港」
門司港の開港は明治22年(1889年)。北九州の工業力と結びついて大陸貿易の基地となり、最盛期には、1ヶ月に200隻近い外港客船が入港し、国内航路を含めて年間600万人近い乗降客がいたといいます。街には商社やビルディングが建ち並び、盛り場には、洋行客相手の店も多く、門司港の街を華やかに盛り上げていました。それから100年、潮騒やカモメの声は昔のまま、昔ながらの建物とあたらしい建物が混ざり合い、新しくて懐かしい門司港に生まれ変わりました。粋でモダンな街、門司港。ここに来れば、忙しい毎日に忘れてきた大切なものが見つかるはずです。
この頃「レトロ」という言葉をよく聞きます。「懐古趣味」というのでしょうか。
いつの時代を「レトロ」と呼ぶかは年代によって異なるでしょうが、「門司港レトロ」は明治から戦前のようです。
個人的には思春期~青春期を過ごした頃が「レトロ」の時期ように思います。
では現在、青春時代の人にとって「レトロ」という感覚はないかというと、そうでもなさそうです。
人それぞれ「レトロ」という思いに濃淡があるのでしょうね。