張栩十段に井山裕太名人が挑む第49期十段戦五番勝負の第5局が4月29日、東京都千代田区の「日本棋院」で行われ、井山挑戦者が黒番中押し勝ちを収めた。
井山は対戦成績を3勝2敗とし、初めて十段位に就き、2冠となった。21歳11ヶ月での戴冠は十段戦での最年少記録。張は2冠に転落した。
<井山名人の話> 長く関西が弱い状態だったので、こういうのもいいのでは。大きな勝ちとなりました。
<張十段の話> きょうはうまく打たれ、全体的に苦しい場面が多かった。
(産経囲碁ニュースより抜粋)
「井山、張栩を撃破 待望の2冠」、「張 悪夢の受け損ない、秒に追われ失着」
(週刊碁見出しより)
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井山・新十段、苦しい碁をよく勝利につなげました。これで2冠を獲得、囲碁界の中心的な顔になってきました。
十段位失冠の張棋聖、若き挑戦者の執念に苦杯をなめました。
5/1のNHK「囲碁・将棋フォーカス」という番組で、解説の高尾九段が本シリーズについて語っていました。
「棋聖戦では内容的に井山さんの方が優勢でしたが結果は敗れ、十段戦では逆に内容的に優勢だった張さんが負けた」。
勝負の機微はザル碁党には理解できない、深淵な世界があるのでしょうか。
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今回の新十段誕生で7大タイトルの4冠が関西棋士の手に移りました。
組織としては日本棋院・東京本院が絶大な中央集権ですが、この結果をどう見るのでしょう。
囲碁の手法・戦略など技術的な情報は、インターネットの普及でどこでもリアルアイムに入手できるようになりました。
小回りのきく小さな所帯の方が、集中できる環境なのかも知れませんね。
東日本大地震の復興政策も、中央集権の歪みが複雑にしているような気がします・・・。