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どこの社会にも、苦手な人の一人や二人はいるものだ。
私の場合、社会人になってから、というのは病理学教室に入ってからのこと。そこでも、苦手な人というのが、一人や二人どころか、軽く片手は越えるほどいた。
そういう人の中の多くは、私に対して意地の悪いことを言ってくる先生だったが、意地の悪いこととかいって、よくよく考えてみると、耳の痛いこと、であり、今になってみるとどれもありがたいことだった。
とくに、「いいたかないけどさ、」で始まる、某先生の苦言は辛らつだった。今では、某大学の教授になったので、学会でしかお聞きできないが、いまだに切れ味鋭く私の心に刺さってくる。
だが、心の中では感謝し、手を合わせる。
結局のところ、自分が嫌われることよりも、私の将来を思い、言いたくも無いことを言ってくれるほどかわいがってくれていたわけか。さらには、そんなことを確信を持って言えるほど自信があったということか。
ある意味、言ってもらえたということは、大事に思ってもらえていた、ということ。
それなりに、私自身に自信を持ってもいいかもしれない。変な自信だが・・・
あとは、私はそんな先輩になれるかどうか。
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