岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「カーネーション」 渡辺あやさん 老いと死について。

2012-04-06 09:51:59 | 日本の仲間
「カーネーション」の脚本を書いた渡辺あやさんについて、3回目です。

ドラマをみられた方は、この老死が主要なテーマになっていたことを感じられたと思います。

昭和の前半は戦争で多くの方がなくなりました。

糸子も多くの知り合いを失いました。

また自分が成長するに従い、頼りにしている人々が老いていき、自分が支える側になっているという自覚が画面に溢れていました。

渡辺さんは、どうして小篠綾子さんが「晩年もっとも輝いていた」のか、描いていきます。

それは、小篠さんの座右の銘「与えるは受くるより幸いなり」という聖書の言葉からのヒントです。

ドラマの中でもこの言葉を糸子が言います。

そして、ちょっと恥ずかしいのか、「こんな言葉、欲のあるものが言うんや」と。

渡辺さんは、「お年寄りにしか与えられないものがある」と言います。

「カーネーション」の終盤は、そのことが大きなテーマでした。


おわり。


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