資料 朝日新聞2008年12月14日付 要約
神戸地検は、業務上過失致死傷容疑で、すでに書類送検されているJR西日本の
山崎正夫社長他、歴代幹部9名の刑事処分について一部を起訴する方向で大阪高検と
詰めの協議に入った。
この容疑は96年12月に現場となった尼崎駅近くのカーブの付け替え時に、
予想すべきであった脱線事故に備えてATSを設置すべきだったにも関わらず、
これを怠たり事故を発生させたことである。
山崎正夫社長は、96年当時、鉄道の安全対策を統括する常務取締役鉄道本部長だった。
※この記事からは現社長の責任が非常に重いようにとれる。
もちろん、責任者には違いなかった。
しかし、当時の鉄道の安全対策を統括する責任者という立場は、社内的に
どの程度権限があったのだろうかと考えてみることが必要だ。
事実は当時も事故発生時(2005年)も社内での「安全」を担当する部署の扱いは
常識的には考えられないほど低かった。
当時、JR西日本の経営姿勢は、「営業」一辺倒になっていた。
これが民営化による弊害だった。
巨額の利益を上げていても、安全に投資する経営判断はなかった。
私の感覚では、名ばかりの「常務取締役鉄道本部長」だったと思っている。
この事故の背景は、会社の経営体質そのもの(=企業価値の方向性)であるから、
刑事事件として個人を特定していくことができるかどうか、判断が難しいところだろう。
もちろん、検察としては個人を起訴対象にするしかないのだが。
この事故は当ブログでも追跡してきた経緯がある。
ATS設置に関連する記事をリンクしておきます。
神戸地検は、業務上過失致死傷容疑で、すでに書類送検されているJR西日本の
山崎正夫社長他、歴代幹部9名の刑事処分について一部を起訴する方向で大阪高検と
詰めの協議に入った。
この容疑は96年12月に現場となった尼崎駅近くのカーブの付け替え時に、
予想すべきであった脱線事故に備えてATSを設置すべきだったにも関わらず、
これを怠たり事故を発生させたことである。
山崎正夫社長は、96年当時、鉄道の安全対策を統括する常務取締役鉄道本部長だった。
※この記事からは現社長の責任が非常に重いようにとれる。
もちろん、責任者には違いなかった。
しかし、当時の鉄道の安全対策を統括する責任者という立場は、社内的に
どの程度権限があったのだろうかと考えてみることが必要だ。
事実は当時も事故発生時(2005年)も社内での「安全」を担当する部署の扱いは
常識的には考えられないほど低かった。
当時、JR西日本の経営姿勢は、「営業」一辺倒になっていた。
これが民営化による弊害だった。
巨額の利益を上げていても、安全に投資する経営判断はなかった。
私の感覚では、名ばかりの「常務取締役鉄道本部長」だったと思っている。
この事故の背景は、会社の経営体質そのもの(=企業価値の方向性)であるから、
刑事事件として個人を特定していくことができるかどうか、判断が難しいところだろう。
もちろん、検察としては個人を起訴対象にするしかないのだが。
この事故は当ブログでも追跡してきた経緯がある。
ATS設置に関連する記事をリンクしておきます。
昨日,初代新幹線の0系が引退しましたが,このタイミングというのは,JR西日本に「鉄道経営の基本」を教えているのではないか,という気がします。
ご承知のとおり,新幹線は高速運転に対応するため,自動列車制御装置(ATC)と,列車集中制御装置(CTC)を最初から備えていました。
その結果,営業運転での人身死亡事故はその後開通した,東北・上越・長野新幹線も含め起きていません。
今では,より複雑なダイヤや運行に対応するために,列車運行管理システム(PTC)も導入されています。
高速鉄道にとって,「安全」は一番の信頼です。
ヨーロッパにおいても,高速鉄道が大きく花を開いているのも,快適な移動空間であることへの評価もありますが,やはり安全に早く移動ができるという利便性が高く評価されているのだろうと思います。
翻って,「高速でない」いわゆる在来線は安全に投資しなくていいのか,といえば当然否です。
特に事故現場となった付近のダイヤは,鉄道好きの私から見ても相当の過密ダイヤで,しかも福知山線の運行系統が,東海道線・東西線(その先の学研都市線も含め)にも影響を与えるという,運転手にとっては非常に神経を使う区間であると想像できます。そんな中で,運行システムとしての自動列車停止装置(ATS)が,旧式のシステム(前方の赤信号の時にのみ強制停止させる)だったことは,これだけの過密ダイヤの中では大きな怠慢であったということは,少し鉄道に詳しい人間ならば容易に理解できることです。さらには,運転手への懲罰的「教育」と相まって,事故列車の運転手は精神的に追い詰められたいたのでしょう。
亡くなった運転手には,プロとしての責任は追及されるのでしょう。しかしこれだけで終わり,では「臭いものに蓋をする」だけになってしまいます。「死人に口なし」で,運亭主に泥をかけて終わらせたら,この犠牲は何なのか,ということになります。
残念ながらJR西日本は,まだまだ経営最優先で,安全への投資という意味では遅れていると感じています。車両の更新や運行システム等,やることだらけであると思います。
0系は,「安全が一番の信頼」であることを身をもって証明しています。44年間無事故であったこと,すなわち安全が一番の誇りであり信頼であり,顧客サービスであるのだ,とJR西日本には申し上げたいところです。
私が65編の記事で追ってきたことを
まとめれみれば、Maa-chanさんの文章になるの
かもしれません。
私は。新幹線の安全についての知識はないに
等しいのですが、
「人間の関与する部分がすくなくなった⇒
それが無事故につながった」と
考えていいのでしょうか。
この事故の原因のひとつは、
鉄道会社(JR西以外も)がヒューマンエラーに
ついて、まったくといいほど研究をしてこなかたこと。
いや、する必要もないと思っていたことでは
ないかと考えています。
先ほど営業運転中の事故はないと申し上げましたが,実は回送運転中に一度だけ脱線事故を起こしています。岡山運転所でしたが,ポイント切り替えを確認し忘れるという人為的ミスが原因だったと記憶しています。
営業中の脱線事故は,新潟県中越地震でのことですが,自然災害で新幹線直下で起きた地震はさすがに想定出来なかったのでしょう。逆に脱線した区間は,200㎞/h以上で走行する区間ですから,死者0人は誇るべきことだと思います。
新幹線も,最終的なところは人間が操作しますから,人為的ミスが100%存在しないということはありません。新幹線の研究に際し,これまで在来線で発生していたミスを徹底的に分析し,あらゆる可能性を想定して安全装置が作られているために,ミスによる事故は岡山での脱線だけなのでしょう。
そう考えると,
「人間だけでは信用できない」
「機械も100%信用はできない」
だからお互いの弱いところを補完しあう関係の中で,安全運転に最大のベストを尽くす,これが新幹線の発想だと思います。
ご指摘のとおり,鉄道会社はヒューマンエラーについての研究はきちんと行っているとは言えません。JR西日本では,福知山線の事故以降,「オーバーラン」等運転上のトラブルについて,ホームページで公開していますが,その多さにびっくりするとともに,こうした「ヒヤリ・ハット」事例を鉄道会社の垣根を越えて収集・分析し,ベスト(は無理なのでモアベター)な対策を考えていく必要があるでしょう。
「ヒヤリ・ハット」研究は,私たちの業界でも必要ですね。
新幹線の防災力について、12月17日の
朝日新聞の記事が掲載されていました。
高架橋の耐震工事が昨年終了したとのこと。
着々と安全対策が進んでいるようです。
一方、専門家からの指摘も書かれています。
拘束かや過密化による危険も増している。
安全神話はいつまでも続かない。
乗客のシートベルトなどを検討すべきとあります。
いくら安全といっても、100%ということは
ありませんから、シートベルトは必要だと思いますね。