岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

「カーネーション」 脚本の渡辺あやさんに聞いて 納得しました。

2012-04-04 14:47:45 | 日本の仲間
「カーネーション」に出演した役者さんが口を揃えて言いました。
「脚本がよかったから演じられた」

脚本家と出演者のよき連携が 映像となって 見るものの心に届く。

朝日新聞4月4日付のインタビュー欄に渡辺あやさんが登場している。
その記事を読みながら書いてみたい。

「カーネーション」は 小篠綾子さんをモデルにしている。
けれども、渡辺あやさんは、小篠綾子さんを描いているわけではない。
小原糸子という架空の人物を作りあげている。

渡辺さんは 彼女自身の思いを「カーネーション」の中で描いている。

観客である私たちは その小原糸子と人々の生きざまに感動する。

渡辺さんがこのドラマでやろうとしたことは、「溶かす」ということ。

「溶かす」とはどういうことだろう。彼女の説明を聞こう。

「大人になるにつれ、心の中に幾重にも薄い殻が重なって、本当に自分の心が分からなくなる。物語ならば、普段だったら手の届かない殻の奥にある、柔らかいところを温めて溶かしてあげられる。それがじゅわ―とからの外の出てくると、心が解放されたり、涙が出たり、ということが起こる。それは、人にとってすごくいいことじゃーないですか。感覚的にそう思っています」

なるほど、彼女の言語化は見事だ。

「温めて溶かす」。

できないことだけれど 少しでもできたらいいな。


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