午後10時過ぎだったろうか
カタコトと音がして 部屋の中の空気が動いた
外でなにか騒いでいる
家が揺れたような 地震のような そんな瞬間が
すこしの時だが確かにあった
それから 静寂がやってきた
朝早く 玄関を開けた
若葉が付いた小枝が落ちていた
燐家の木の枝だった。
公園に行くと春の嵐の爪痕がいたるところにあった
若い樹も 引きちぎられていた
なのに我が家の枯れた樹は 倒れてほしいが 倒れもせず 立っていた
躑躅の花吹雪が…
午後10時過ぎだったろうか
カタコトと音がして 部屋の中の空気が動いた
外でなにか騒いでいる
家が揺れたような 地震のような そんな瞬間が
すこしの時だが確かにあった
それから 静寂がやってきた
朝早く 玄関を開けた
若葉が付いた小枝が落ちていた
燐家の木の枝だった。
公園に行くと春の嵐の爪痕がいたるところにあった
若い樹も 引きちぎられていた
なのに我が家の枯れた樹は 倒れてほしいが 倒れもせず 立っていた
躑躅の花吹雪が…