冒頭の画像は昨秋の台風21号による関空の高潮被害の状況です。
(この記事は2020年に書いたものを再掲しています)
船舶による連絡橋の破損と滑走路浸水、電気系統の脆弱さには驚きました。
このブログでも当時の被害について書きました。
その後、近未来に来る南海トラフ大地震への対策が具体的に示されると期待していたのですが、その様子は見られません。
これではまずいと思い少し調べました。
以下は、閣議決定している「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策です。
http://www.mlit.go.jp/common/001265222.pdf
以下の部分が空港対策です。
内容を読めば、先の台風21号レベルの被害を想定した対策と思われます。
では、南海トラフ大地震に伴う大津波への対応はどうなっているのでしょうか。
まず、大阪府の現在のハザードマップを見てみましょう。
関空は、左下の島ですね。
滑走路の南側部分が数十センチレベルの浸水ということですね。
唖然としました。
大津波でこの程度の浸水ですか。
高潮被害でさえ、冒頭の画像です。
ご存知のように関空は地盤沈下が激しいので、2005年以降2.2mもかさ上げしているのです。
それでも護岸を越えてしまいました。
そうなら、もっとかさ上げすればいいと考えるでしょうが、護岸を高くすることは航空機の離着陸の安全性に影響がでるため難しいのです。
東日本大震災の後の対策で、堤防を高くするか、地面を高くするか議論されました。
結局、多くの街は、絶対的に安全が確保される地面のかさ上げを選びました(可能な街に限りますが)。
関空も防災面では滑走路のかさ上げが必要と思われます。
現状ではそのような話は聞きません。
膨大な費用がかかるということもあるでしょう。
以下は、関西エアポート株式会社が南海トラフ地震津波への当面の対策が完了したという報告書の冒頭です。
2017年に完了したと書かれていますが、2018年9月の高潮にも対応できていません。
その後、どのような検討と対策がなされているのでしょうか。
被害状況は以下の通りです。
大阪湾には人工島が多くあります。
それらの島を有効利用するためにいろいろと計画がありますが、津波対策が十分に考えられているのか本当に心配です。
お読みいただきありがとうございました。
この記事は2020年に書いたものを再掲しました。