岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

被災地間相互交流公開フォーラムが開催されました。医療NGO AMDA主催です。

2014-03-04 07:23:13 | ボランティアとアムダ
以下は、AMDAの開催告知チラシよりの引用を含めて書いていきます。※太字が引用文です。


岩手、宮城、福島の仮設商店街や地域団体のリーダーによる復興を考える会」です。

東日本大震災から3年が経過しようとしているこの時期に、各被災地の仮設商店をはじめとする地域の団体のリーダーが一堂に会し、復興期においての協力体制を強化するとともに被災地間交流の意義や今後の展開について考える「被災地間相互交流公開フォーラム」でした。

【開催概要】
日 時:3月2日(日) 13:30~16:00
会 場:岡山国際交流センター 5階 会議室1

【開催主旨】
AMDAは東日本大震災発生翌日から緊急医療支援活動を実施し、現在は第1次復興支援3カ年事業として、医療支援、教育支援、生活支援を柱とした様々な復興支援活動を継続している。その支援活動の一つとして、被災地間交流をコンセプトに「復興グルメF-1大会」を2013年1月からスタートさせた。

各被災地の仮設商店をはじめとする地域の団体が、本大会を通じて、各被災地間の情報や知恵を共有し、新たな復興への協力体制を形成することで、三陸沿岸部一帯が一丸となり、復興に向けて全国的に発信することを目的としている。

震災から3年が経過しようとしているこの時期は、AMDA東日本大震災復興支援第2次3カ年事業の開始時でもある。これまでの参加者である各被災地の仮設商店をはじめとする地域の団体のリーダーが一堂に会し、復興期においての協力体制を強化するとともに被災地間交流の意義や今後の展開について考える。

【プログラム】
13:15 受付開始
13:30 開会 AMDAボランティアセンター センター長 小池 彰和
13:35 AMDA東日本大震災復興支援事業と復興グルメF-1大会について
AMDA東北事業担当 大政朋子
13:50 復興グルメ大会の意義 気仙沼復興商店街 副理事長 坂本正人
14:00 商店街および団体による取組と課題の発表
気仙沼復興商店街南町紫市場(宮城県気仙沼市)
高田大隅つどいの丘商店街(岩手県陸前高田市)
南三陸さんさん商店街(宮城県南三陸町志津川)
おがつ店こ屋街(宮城県石巻市雄勝町)
おしかのれん街(宮城県石巻市鮎川浜)
TEAM南相馬(福島県南相馬市)
石巻まちなか復興マルシェ(宮城県石巻市)
七の市商店街(宮城県宮城郡七ケ浜町)
チーム大槌(岩手県上閉伊郡大槌町)
福幸きらり商店街(岩手県上閉伊郡大槌町)
15:10 ディスカッション これからの東日本復興支援を考える
ファシリテーター AMDAグループ代表 菅波茂
16:00 閉会 AMDA理事長 成澤 貴子


各商店街の皆様は週末のお忙しい中、遠路はるばる岡山までお越しいただきました。
復興グルメ大会は、今まで5回開催されています。
第5回大会は初めて福島県で開催されました。
大盛況でした。

もちろん、このフォーラム開催の経緯については私は知りません。
「岡山まで来ていただくのは大変た。申し訳ないなー」というのが率直な思いでした。

でもこの思いは違っていました。フォーラムに参加してみてよく分かりました。

私なりにこのフォーラム&会議の意義をまとめてみたいと思います。

まず、今まで各商店街の皆さんが集って長時間の打ち合わせをする機会がほとんどなかったと聞きました。
もちろん、大会当日は出店販売に追われ話し合いをする時間はありません。
遠く離れた岡山に来ることでまとまった時間を共有することができ、親交も深めることができたのでしゃないでしょうか。

またこの公開フォーラム以外にも、各商店街とアムダによる会議が開催され、今後のF-1大会の開催方法について話し合われました。
この会議の内容は、「被災地商店街のネットワークの強化、事務局の設置」にあったように聞いています。
これは、F-1大会がアムダ主催から、被災地商店街のネットワーク事務局主催へと移行していくことかもしれません。

それから、岡山でのフォーラム&会議開催は、岡山や西日本を知っていただく意義があるということです。
私たちも東北を訪問して、東北をより深く理解しました。
「百聞は一見にしかず」のことわざ通りです。

相互交流は、今後予想される南海トラフ大地震への救援活動とも繋がっていきます。
東日本大震災は、想定されていない大地震から起こりました。
そのため被災の規模を大きく多くの人々が犠牲になりました。
救援復興活動もスムーズにいかなかったことも多いと感じています。

南海トラフ大地震の想定は東日本大震災以降、大幅に変更されました。
被害規模も大幅に拡大されました。
直視することができないほどの犠牲が想定されています。
国を初め各自治体を中心に対策が進行してはいます。

ではボランティア団体にどのような準備ができるのだろうか。
この問いへの回答の一つがこのフォーラム&会議で話されています。
それは、現在、進行中の「被災地商店街のネットワーク」が今後発生する大災害への強力な支援組織に変りうるということです。

東日本に向かった被災地支援活動は、今度は間違いなく西日本に向かわざるを得なくなります。
南海トラフの大地震は近未来に発生します。100%の確率です。
その時、現在被災された人々が学び実行してことが、それこそ100%、西日本に必要になるのです。

私たち西日本の人間は東北に学びに行かなくてはならないことです。
そして、今度は支援していただく東北の人々には、西日本が被災した時には、ぜひ助けに来ていただきたいのです。
お互いに助け合うということが、お互いのプライドを尊重することにも繋がると思います。

助け合うという心を具体化することが必要です。
現実に、西日本で災害が起これば、私たち自身が持つ救援活動機能はマヒすると思わざるを得ません。
その時には、東日本や海外からの救援活動に頼らざるを得ないのです。
救援活動をする組織やグループは、継続的に活動を続けていく必要があります。
災害が発生してから組織を立ち上げるのでは到底間に合いません。
組織の継承、機能(ノウハウ)の継承が不可欠です。

ではどのようにして、継承していくか、その回答が、今回のF-1大会ネットワーク事務局設立でもあるのだと思います。

被災地間交流のきずなは、新たに発生する被災地とのきずなへとつながります。
開かれた被災地間交流への第一歩でもあるのです。

支援を受ける側から支援をする側へ。
そのためにも、岡山や西日本をあらかじめ訪問していただいた意義があると思います。

困っている人を助けようという気持ちは、人間の貴重な財産です。
しかし、人は人を助けることで精神的に優位に立ってしまうこともあると思います。
逆に、助けられる人は、助けられることが続くと、申し訳ないという思いが強くなってしまいます。
プライドを傷つけられることも起こりえます。

アムダは「支援される側にもプライドがある」ことを忘れないように心掛けているつもりです。

お互いがプライドを持つことが必要です。
そのためには、相互支援、相互扶助の精神が重要です。

今回の被災地間相互交流のもっとも大きな意義は、
F-1大会を継続発展させることで、東北の地で培った災害支援のノウハウを蓄積継承し、
やがて来る南海トラフや関東大地震のときの救援活動につないでいく。

日常的な活動と、いざという時の活動を、ネットワークに組み込んでおく。
そのための基礎はすでにできているように思います。

今、目の前にあること一所懸命する。そして未来のために準備をする。

今回のフォーラムからの学びでした。

ありがとうございました。























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