岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

【尼崎脱線転覆事故】運転士と車掌にアンケートをしてみると。

2005-07-27 19:14:40 | JR西福知山線脱線転覆事故&安全
朝日新聞が、JR西アーバンネットワーク内の運転士と車掌に
アンケートを実施しており7月25日に紙面に掲載された。
「安全向上計画」に関するアンケートである。

この「安全向上計画」を指揮している新副社長の山崎正夫氏は、
かって「SA計画」を指揮していた。
※「SA計画」は5月27日号に掲載しています。

この「SA計画」に関する現時点での山崎氏の評価はどうか。
紙面にインタビューが載っている。

「安全対策をソフトとハード両面で体系的にやろうとした。
対症療法的に考えるのではなく『事故の芽』を大事故の
前に摘み取るのが趣旨だったが、私がいなくなって下火に
なった。そのあたりは責任を感じている」

もう10年前の話である。このように話されると「SA計画」
自体を知らなければ納得するしかないが、「SA計画」を
読んできた人間としては「ホント?」と思う。

「SA計画」は、信楽事故を受けた安全対策である。
この計画が作成された時点では、JRは、信楽事故の原因を
運転士の信号無視としか認めていない。
その前提にたった計画なのだ。
そのため、この「SA計画」は、今回にような事故防止に
つながるとは思えない。
4年で終了したことを山崎氏は残念がっているが、当初は
2年間の計画である。それができずに4年に伸びたのだ。

さて、前置きが長くなった。アンケートの話である。

1.職場の雰囲気/よくなった44% かわらない55%
2.「緊急ミーティング効果」/ あった29% なかった71%
3.マイナス評価をしないことで報告例が増えるか
  /増える28% かわらない71%
4.ダイヤ改定について
  日頃、ダイヤに余裕があるか/ある12% ない85%
5.来春のダイヤ改定でもっとも強く望むもの。
  ・余裕時分の増大49%
  ・停車時間の増大 18%
  ・新快速の到達時間の延長・最高速度群のダイヤ見直し
   10%
  ・最高速度の抑制 3%

4と5のアンケートとみると、問題点はゆとりのなさが第一で
あり、次に最高速の見直しを求めている。
乗客側からみれば余裕時分は見えないから、高速で走ることが
一番気になる。
運転士には時間が第一のプレッシャーになっているのが
よくわかった。
しかし、乗客のみなさんはどうなのだろう。
私はあの130KMというスピードが怖くてしかたないのだが。
車内をみていると、みなさん平気そうだ。
もちろん心の中はだれにもわからないが。

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