岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

団塊世代のこころざしが日本の未来を決める。

2006-03-03 11:41:39 | 日本の仲間
これは、これから定年を迎える団塊世代が、年金生活に埋没しなかったらの
話である。年金生活で毎日ぶらぶらしているようでは、日本の未来は
非常に暗くなる。
確かに蓄えもありなんとか暮していける基盤はあるかもしれないが、
その生活に甘んじていることは許されない。
それは贖罪の旅からの逃避である。

さて、「地域」のために働くということが団塊世代の贖罪のひとつと
すれば、いくつかの壁を越えていかなくてはならない。
まず、日頃、若者のニートやフリーター批判をしているおやじ世代である
団塊人がその「ニート」や「フリーター」となる覚悟をすること。
朝、家を出ると一日事務所で働くということでなく短時間の仕事を繰り返す
ことになる。時給の積重ねとなる。
「地域」で働くということはこういうことだ。

そして、貨幣価値が大幅に変わる。
会合があるといって飲み食いする金が5,000円や1万円という世界から、
500円から1000円という世界になる。
収入が今までの20~30%ということが当たり前の世界だ。

会社の新入社員以下の収入から再出発をする覚悟が必要である。
そんな「はした金」で働くことができるかと思われるのは当然だ。

しかし「地域」とはそのようなものなのだ。
例えば、上記の要件を満たしている障がい者のヘルパーをして地域活動
をはじめるとしよう。
時給である。1回30分だけで終ることもある。
また夜、自宅でゆっくりしたい時間に入浴介助に入ることも当然だ。
もちろん、小間切れな就労になるから、びっくりするような?収入になる。
このような条件で若者が生活を維持できるものではない。
しかし、定年退職者ならそれができる。
多くの障がい者支援をしている事業者はそのような人材を求めている。
障がい者の方々を守るのは「地域」の人々である。
すなわち、多くの人々が、障がい者の方々を知るということが必要なのだ。
保護者の方々が安心して地域に任せることができる。
そのような「地域」を団塊人が創ることができたなら、あなたの贖罪の旅は
無事終ることができるだろう。
これは一例である。

「地域」を変えていくこと。すべての人が生き生きと安心して生きていく
ことができることを目指すなら、団塊人にはすることがいくらでもある。
図書館にこもったり、チープなツアーに通うのとは異質な世界を目指してほしい。

しかし、現状のままの「地域」では、団塊人を受け入れられる準備が
できていない。
企業は団塊人の技術の継承という問題に直面しているが、実は定年後の
受け皿としての「地域」もまた、大量に戻ってくる団塊人をどのように
受け入れるか、どのようなに貢献してもらうかが、準備できていない。

もう時間はほとんどないが、団塊人をうまくソフトランディングさせる試みが
今すぐなされなくてはならない。
このままでは団塊人が、地域の家庭の中に埋没してしまうのだ。
千載一遇のチャンスをみすみす見逃すことだけは避けなくてはならない。

そして団塊人は、青春時代に夢見た思いをもう一度、心の奥底から
汲み上げてほしい。
青春とは、若いこころざしを示す言葉なのだから。

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