

今朝の映画館は入場券を購入する長い列が出来ていた。
家族向けの映画が目白押しだった。
私が観ようとする『ハート・ロッカー』がそんなに人気があるとは思えなかった。
案の定、場内に入ると20席程度がうまっているだけだった。
イラク戦争の爆弾処理班を描いた映画を観ようとする人が多くないのもよくわかる。
私だってあまり観たくない。
でも観ておいた方がいいかなと。
もちろん、アカデミー賞受賞作品ということもあります。
では、感想はどうだったか。
スリル満点です。
爆弾がいつどこで爆発するか。誰が襲ってくるかわからない。
この恐怖を共有するわけです。
一言でいえば、戦争アクション映画でしょう。
直接的な社会派映画、反戦映画ではありません。
徹底して米軍の兵士の立場から撮影されます。
爆弾処理班が兵営から外に出れば、そこは戦場です。
街行くイラク人や家の中にいる人々がいつ敵になるか。
判断はできません。
兵士は絶えず、緊張の中にいます。
観客も同様です。
イラク人の中にテロリストが紛れている。
米軍とテロリストとの戦いという構図です。
イラク人との対話はほとんどありません。
米軍兵士一人ひとりの葛藤と恐怖、勇気を描いていきます。
それにしても、爆弾を処理するというのは恐ろしい作業です。
防護服があるのですが、爆弾の破壊力がすごいので効果は限定的です。
冒頭に「戦争は麻薬である」というテロップがでますが、米軍兵士の行動と心の葛藤を言い得て妙です。
主人公が任務を終え故郷に戻ると抜け殻のようになってしまいます。
その落差もよくわかります。
しかし、戦争を一方の側から描くという手法は、もう無理ではないか。
ハリウッドでしか通用しない映画ではないか。
これが私の感想です。