新潮文庫 438円
私は よしもとばなな の読者ではない。
しかし、新聞に載った書評が気になって、ブログに書いたことがある。
『彼女について』
しかし、肝心の『彼女について』はいまだ読んでいない。
わたしは、気になっても手を出さないことがままある。
(本に限ったことではないでしょうが)
それでも時間がたっても忘れられないなら、やがて読むことになるだろうかと。
近くの書店の新潮文庫の棚をみていたら、この『みずうみ』があった。
手ごろな分量であることは、値段でわかりますね。
そして、TUGUMI以来の読者となった。
そして、ゆっくりと読みすすんだ。
文章は、夢の中から始まる。
主人公の女性は、死んだママを夢の中で語る。
「中島くんがはじめて家に泊まった日、死んだママの夢を見た」
懐かしく悲しいのは、あのママに会えないこと。
主人公は、裕福なカップルの私生児として生を受ける普通の女性です。
しかし、主人公が付き合い始めた中島くんは、「大変な人生だった」らしい。
中島くんは不思議な透明感を持っている青年だ。
主人公と中島くんはゆっくりと恋仲になっていくのだけれど、
やがて、中島君の「大変な人生」が明らかになっていく。
彼は、幼年時代にカルト集団に誘拐されていた。
そして10歳でその集団から脱出した。
もちろん、洗脳されていた。
かすかに残した抵抗力が中島くん自らの脱出を可能にした。
中島くんは、誘拐されていた間、文字通り死に物狂いで探し続けていた母の元に帰り、
壊されてしまったこころを再生しようとする。
とても、そのようなことが可能とは思えないのだが。
壊れたこころを、少しずつ繕いながら、世の中の片隅で年を重ね生きてきた
中島くんとコミュニケートできる人間は限られる。
主人公はそのような女性だった。
著者は、カルト集団の中で育てられた少年少女のその後について興味を持ち、
小説のいう荒唐無稽なジャンルの中なら、なにか書けるのではないかと思ったのだろう。
(三浦雅士さんは、人生こそ荒唐無稽と書いているくらいだから、小説が荒唐無稽といってもな
んら差支えがないと思う)
その場合はやはり純愛小説となるしかないのだろう。
寄り添うということのひとつのかたちが、この小説の中に描かれていることは確かだ。
私は よしもとばなな の読者ではない。
しかし、新聞に載った書評が気になって、ブログに書いたことがある。
『彼女について』
しかし、肝心の『彼女について』はいまだ読んでいない。
わたしは、気になっても手を出さないことがままある。
(本に限ったことではないでしょうが)
それでも時間がたっても忘れられないなら、やがて読むことになるだろうかと。
近くの書店の新潮文庫の棚をみていたら、この『みずうみ』があった。
手ごろな分量であることは、値段でわかりますね。
そして、TUGUMI以来の読者となった。
そして、ゆっくりと読みすすんだ。
文章は、夢の中から始まる。
主人公の女性は、死んだママを夢の中で語る。
「中島くんがはじめて家に泊まった日、死んだママの夢を見た」
懐かしく悲しいのは、あのママに会えないこと。
主人公は、裕福なカップルの私生児として生を受ける普通の女性です。
しかし、主人公が付き合い始めた中島くんは、「大変な人生だった」らしい。
中島くんは不思議な透明感を持っている青年だ。
主人公と中島くんはゆっくりと恋仲になっていくのだけれど、
やがて、中島君の「大変な人生」が明らかになっていく。
彼は、幼年時代にカルト集団に誘拐されていた。
そして10歳でその集団から脱出した。
もちろん、洗脳されていた。
かすかに残した抵抗力が中島くん自らの脱出を可能にした。
中島くんは、誘拐されていた間、文字通り死に物狂いで探し続けていた母の元に帰り、
壊されてしまったこころを再生しようとする。
とても、そのようなことが可能とは思えないのだが。
壊れたこころを、少しずつ繕いながら、世の中の片隅で年を重ね生きてきた
中島くんとコミュニケートできる人間は限られる。
主人公はそのような女性だった。
著者は、カルト集団の中で育てられた少年少女のその後について興味を持ち、
小説のいう荒唐無稽なジャンルの中なら、なにか書けるのではないかと思ったのだろう。
(三浦雅士さんは、人生こそ荒唐無稽と書いているくらいだから、小説が荒唐無稽といってもな
んら差支えがないと思う)
その場合はやはり純愛小説となるしかないのだろう。
寄り添うということのひとつのかたちが、この小説の中に描かれていることは確かだ。