nuovo見学の第三報です。
被災地で一番困ることはなんといってもトイレの問題です。
しばしば上水道も下水道も使えなくなるので、水はないし汚物を流すこともできなくなります。
そんなときにこそ、水も下水も使わないバイオトイレの出番です。
ここnuovoには、長野県のメーカーが開発したバイオトイレが常設されていて、使用体験のできる製品見本になっています。
コンピューターとモーターを動かすのに少しだけ電気が必要ですが、水は必要としません。
使用したらボタンを押すとモーターが回転して汚物をウッドチップに混ぜ込みます。
トイレットペーパーの利用もOKで、それだけであとはウッドチップ内の微生物によって分解が進みます。
匂いを嗅いでも全く臭くはありません。
ただあまり大量に利用されるとチップ内の分解能力を超えてしまうので、そこはコンピューターが判断して、それ以上の利用を制限することになります。
水を使わずに清潔な利用ができるというのは優れものですね。
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こちらのメーカーのバイオトイレは、山小屋に付属するトイレとして納入実績が多く、登山者への環境配慮と登山者へのサービスになっているといいます。
ところがいざ現物を見ようと思うと、登山をしなくてはならないという不便さがあったといい、ここ防災パークに置くことで視察の際に使用体験もできて、引き合いが多くなったといいます。
能登の被災地にはここのバイオトイレをトラックに載せて現地に運び利用してもらったそうですよ。
そしてこのウッドチップは、約1年間は交換の必要がなく、交換したものは畑の肥料として混ぜ込めばよい土壌改良材になるといいます。
トイレの裏には実際にこれを使った畑も整備されていて、作った作物を食べるイベントもあるそうです。
被災するかもしれないということ自分事として考える良いきっかけになるとよいですね。