朝から快晴で、梅雨が終わったよう。昨日「梅雨明けは遅れそう」と書いたばかりなのに…。
今夜は人づてに、ビジョンづくりでは有名なA先生のお話を聞く機会を持ちました。
話のスタートは東京の防災に対する脆弱性を問題にするところから始まり、「ドイツにあるミュンヘン再保険会社が世界中の都市の災害リスクを指標化したところ、東京は最悪で、東京の災害の再保険は受けないという結論を出したのを多くの方は知らないのです。これはつまり、災害が来ることが分かっていながら何もしていないということに他なりません。世界は東京の防災対策の現状をそう見ているということです」www.fdma.go.jp/html/new/pdf/1512_tiiki_2.pdf
というショッキングな導入。
A先生の主張は、それゆえに環状七号線沿いを防災道路軸として位置づけ、その沿道は区画整理や再開発の手法を用い、高度利用を図ることで地権者の権利を損なわずに整備ができるだろう、というものです。
環状七号線の外側にはいわゆる密集地帯が存在していて、その低層な利用も東京の効率性を下げていると同時に地震時の火災と延焼地帯としての危険性も併せ持っているのです。
そういう地域構造を根底から改善できないまま次の災害を迎えるようなことがあれば、「日本人は近代科学というものを理解できない国民である」と笑いものになるだろう、ということです。
必ず災害が来る、と言われていながらそれに対する備えが遅々として進まないことをどう言い訳できるというのでしょうか、というのがA先生の主張。
昨日も書いたように、「自ら変えることのできない日本人」というのは評論家の言葉としては面白いかも知れませんが、行政の一端にいる者としては忸怩たる思いです。
もちろん現実はそう簡単ではないのですが、こうした高いレベルからのビジョンを持つと言うことが大事だと言うことです。
※ ※ ※ ※
先生のもう一つのお話は、経済最先端の国の都市作りの現実です。
ドバイ、上海、香港、ラスベガス…など、世界中のマネーが集まって次々に投資が行われて都市がすさまじい勢いで成長をしている実例を次々に紹介していただきました。
ドバイでは、投資の利率が年間で140%(!)で、100億円と投資すれば8ヶ月で元が取れて、あとは利息がどんどん入って来るという金融環境にあるのだそうです。
ある意味ではバブルっぽいところもあるのですが、そこに共通して見いだされるのは、「もはや都市作りは瞬間芸になっている」というのが世界の常識なのだとか。
「ここに構想住宅街を作る」というビジョンを打ち立てたら2、3年でそれをやりとげて、そこに世界中の投資家のマネーを集める。そのスピード感がすさまじい。
空港を一つ作るのに20年かけたり、道路一本通すのに10年もかけたりはしないのです。
写真は中国で都市作りを説明するスライドです。1994年にはこうだったものが2000年にはこうなったということがはっきりと見て取れます。

土地の高度利用で人口を集積させれば交通機関も黒字になり、商店がはやるのも当たり前。日本のコンパクトシティの方向性もこうしたところにヒントがありそうです。
地上すれすれの現場を眺めるのも大切ですが、たまにはものすごく高い視点からのあるべきビジョンを想像するのも大切です。
この両方のバランスが大事。日本の地方都市も特区を使ったコンパクトシティ化など、やれることはたくさんありそうなのですがね。
高いビジョンを持ちましょう。
今夜は人づてに、ビジョンづくりでは有名なA先生のお話を聞く機会を持ちました。
話のスタートは東京の防災に対する脆弱性を問題にするところから始まり、「ドイツにあるミュンヘン再保険会社が世界中の都市の災害リスクを指標化したところ、東京は最悪で、東京の災害の再保険は受けないという結論を出したのを多くの方は知らないのです。これはつまり、災害が来ることが分かっていながら何もしていないということに他なりません。世界は東京の防災対策の現状をそう見ているということです」www.fdma.go.jp/html/new/pdf/1512_tiiki_2.pdf
というショッキングな導入。
A先生の主張は、それゆえに環状七号線沿いを防災道路軸として位置づけ、その沿道は区画整理や再開発の手法を用い、高度利用を図ることで地権者の権利を損なわずに整備ができるだろう、というものです。
環状七号線の外側にはいわゆる密集地帯が存在していて、その低層な利用も東京の効率性を下げていると同時に地震時の火災と延焼地帯としての危険性も併せ持っているのです。
そういう地域構造を根底から改善できないまま次の災害を迎えるようなことがあれば、「日本人は近代科学というものを理解できない国民である」と笑いものになるだろう、ということです。
必ず災害が来る、と言われていながらそれに対する備えが遅々として進まないことをどう言い訳できるというのでしょうか、というのがA先生の主張。
昨日も書いたように、「自ら変えることのできない日本人」というのは評論家の言葉としては面白いかも知れませんが、行政の一端にいる者としては忸怩たる思いです。
もちろん現実はそう簡単ではないのですが、こうした高いレベルからのビジョンを持つと言うことが大事だと言うことです。
※ ※ ※ ※
先生のもう一つのお話は、経済最先端の国の都市作りの現実です。
ドバイ、上海、香港、ラスベガス…など、世界中のマネーが集まって次々に投資が行われて都市がすさまじい勢いで成長をしている実例を次々に紹介していただきました。
ドバイでは、投資の利率が年間で140%(!)で、100億円と投資すれば8ヶ月で元が取れて、あとは利息がどんどん入って来るという金融環境にあるのだそうです。
ある意味ではバブルっぽいところもあるのですが、そこに共通して見いだされるのは、「もはや都市作りは瞬間芸になっている」というのが世界の常識なのだとか。
「ここに構想住宅街を作る」というビジョンを打ち立てたら2、3年でそれをやりとげて、そこに世界中の投資家のマネーを集める。そのスピード感がすさまじい。
空港を一つ作るのに20年かけたり、道路一本通すのに10年もかけたりはしないのです。
写真は中国で都市作りを説明するスライドです。1994年にはこうだったものが2000年にはこうなったということがはっきりと見て取れます。

土地の高度利用で人口を集積させれば交通機関も黒字になり、商店がはやるのも当たり前。日本のコンパクトシティの方向性もこうしたところにヒントがありそうです。
地上すれすれの現場を眺めるのも大切ですが、たまにはものすごく高い視点からのあるべきビジョンを想像するのも大切です。
この両方のバランスが大事。日本の地方都市も特区を使ったコンパクトシティ化など、やれることはたくさんありそうなのですがね。
高いビジョンを持ちましょう。
