北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

統計の見方

2007-09-10 23:02:08 | Weblog
 今週は全般的に天気が悪そうです。気温が下がってきたので過ごしやすくなりました。

 
 内閣府が9月8日に、「国民生活に関する世論調査」を発表しました。多くのマスコミはこのなかから、国民の不安感をとりあげて話題にしていました。

 たとえば中日新聞では『内閣府が8日付で発表した「国民生活に関する世論調査」で、「日常生活で悩みや不安」を感じている人が69・5%に上り、昨年10-11月実施の前回調査を1・9ポイント上回って過去最高を更新した』と書きました。

 またasahi.comでは『日常生活で悩みや不安を感じていると答えた人が69.5%と過去最高だったことが、内閣府が8日付で発表した「国民生活に関する世論調査」でわかった。去年より生活が「向上している」と感じる人が1.4ポイント減り、「低下している」と感じる人が2.4ポイント増えた。内閣府は「高齢化や年金問題から、将来への不安が増えたのではないか」と分析している』としています。

 随分恐ろしそうな調査結果に思えたのですが、最近のネット社会の良いところがすぐに原典にあたれるということです。そこで内閣府のホームページから調査結果を見てみることにしました。

 結果はこちら →http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-life/index.html

 数字だけを見ると、回答者のなかに「悩みや不安を感じていると答えた人が過去最高」という点がやけに強調されています。しかし原典を見てみると、それ以外の設問もいろいろと用意されています。その中には世の中に不安ばかりを感じているわけでもないような側面もあるようです。

 たとえば、「収入と自由時間についての考え方という項目では、こんな風に書かれています。

 『収入と自由時間の関係について,自由時間をもっと増やしたいと思うか,収入をもっと増やしたいと思うか聞いたところ,「自由時間をもっと増やしたい」と答えた者の割合が37.7%,「収入をもっと増やしたい」と答えた者の割合が44.7%となっている。なお,「どちらともいえない」と答えた者の割合が15.2%となっている。
 前回の調査結果と比較してみると,「収入をもっと増やしたい」(48.0%→44.7%)と答えた者の割合が低下し,「どちらともいえない」(11.7%→15.2%)と答えた者の割合が上昇している』

 上記の不安の率が最高、というタイトルから比べるとなんだかそれほどガツガツしているわけでもなく、のんきな様子もうかがえます。誤差の範囲と言うこともあるのでしょうか。

    ※    ※    ※    ※

 結局のところ、統計というものはそこからなにを読み取るか、ということに考え方のバイアスがかかるといろいろな側面が見えてくるということがありそうです。

 不安が増したという事実はあるのでしょうけれど、単純にマスコミの報道を鵜呑みにするのではなく、原典に当たってみて、そこからなにを感じるか、という練習をすることが一人一人に必要な気がします。

 さて、なにが読み取れますか…

コメント
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