北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

日英博覧会~欧米遊覧記

2009-07-21 23:06:06 | Weblog
 昨日書き漏らしたことを何点か。

 ロンドンで日英博覧会が行われ、その後日本庭園が残ったのはハマースミス公園というところで、今でもロンドン市内にあるみたいです。ロンドンに近い方は行ってみてはいかがでしょうか。

 
 場所はこちら。

 

 さて、ひょんなことで勉強をすることになった日英博覧会ですが、Wikipediaを見ていると、当時の様子を記した本がネット上で読めることが分かりました。明治43年に大阪朝日新聞から発行された「欧米遊覧記」がそれ。

 著者は長谷川如是閑という方ですが、この本のページが電子データとして取り出すことができます。国立国会図書館まで行って調べなくても、こういう形で本が国民の財産として簡単に見られると言うことは素晴らしいですね。

 日英博覧会の日本庭園部分を漢字を現代のものにして、現代訳してみました。

 
---------- 【以下拙訳】 ----------
 
 

 日本庭園は一つは「平和の園(ガーデン・オブ・ピース)」と称し、一つは「浮島の園(ガーデン・オブ・フローテングアイルズ)」と称し、前者は前通信にも報道したが、後者は漸く数日前に出来したのである。大きい池を造って中央の島は高さ二十尺ほどの山になっていて、四方から眺められるようにして島の頂上に朱塗の楼門を作って、一方に小滝を落とし、他方は山径を伝って池の上の釣殿に通ずる。山腹には四阿があって、植え込みの間に小径を作ってある。

 元より日本の名園を見た目には甚だ浅薄なものだが、いわゆるランドスケープガーデンには全く知識のない英国人を感心させるには十分であると見えて、山の上も四阿も釣殿も始終満員の盛況、横浜の茶業組合では池畔に日本風の喫茶店を出しているが、その混雑は一通りでなかった。
(『欧米遊覧記』大阪・朝日新聞、明43.10 「日英博覧会」長谷川如是閑)
 
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40005730&VOL_NUM=00000&KOMA=327&ITYPE=0

---------- 【拙訳ここまで】 ----------

 日本のものや文化は随分面白かったのでしょうね。

 最近の博覧会は、市民の側も博覧会慣れしてしまって小馬鹿にされているようです。ガツンと本物が圧倒するような現物を見ることの楽しみはどこへいったのやら。
コメント
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