北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

心地よい「よりどころ」はありますか

2021-09-03 22:15:26 | Weblog

 

 9月1日に日本都市計画学会北海道支部で、今年度第一回目の都市・地域セミナーが開催されました。

 コロナ禍もあってオンラインセミナーで開催され、私は自宅から参加しましたが、遠くからでも参加できるのはやはり便利だと感じます。

 今回のテーマは「よりどころ」「拠り所」です。

 セミナーは冒頭に、今年から支部長に就任した北大の高野先生から、「人口減少時代になり、これまでよりいっそう、住民が交流する場所が重要になってくる。そこで交流の拠点として『よりどころ』をキーワードにして、うまくやれている事例などの話題提供をしていただき、その後意見交換をしたい」と挨拶をいただきました。

 今日のセミナーでは「よりどころ」に関して、3人の発表者から話題提供。

 初めは北大で建築がご専門の小篠(おざさ)先生から、ご自身携わってきた東川町における「地域コミュニティ拠点形成のための連鎖・創造的今日教施設再編モデルの試み」が紹介されました。

 東川町には都市計画はないものの、町独自の計画をしっかり持って戦略的なまちづくり・施設づくりが行えている印象です。

 その代表が市街地中心部近くの小学校の改築や複合交流施設「せんとぴゅあ」など。

 長い期間にわたるコンセプトの連続性は首長さんのリーダーシップもあるでしょうし、外からの継続的なアドバイスなども有効に感じました。


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 また2番目の寒地土木研究所の松田さんからは「道の駅は地域のよりどころになれるか」というテーマのお話。

 道の駅は、それぞれ設置する自治体の事情が千差万別で、施設の性格にも幅広いバリエーションがあります。

 そんななか、民間と連携したり、公園と併設したり、防災機能を充実させたりして利用を高めている施設も多い。

 また「道の駅」はブランドとして強力な潜在力があるが、駐車場やフルシーズン24時間トイレなど設置しなくてはならないという縛りも厳しく、それらに至らない水準での同様な施設が今後あっても良いのではないか、という意見を興味深く感じました。

 
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 3番目は支部長である北大の高野先生の、「であえーる岩見沢の利用特性と効果」という話題提供。

 もともとあった大型商業施設が撤退したビルの再利用の取り組みの現状です。

 商業施設を1~2回に残し、それ以外には子供の遊び場や学習コーナー、スポーツ施設、塾などとして利用されています。

 頻繁な利用者の声としては、「この施設がなければ出かけてこない」とか「家に戻っている」というもので、この施設があればこそ出かけてくるよりどころとしての機能をしっかり果たしているよう。

 いかに床を事業者で埋めるか、ということは重要ですが、それよりも「いかに場所を作るか」という視点で計画をしたことが功を奏しているという評価です。

 
 最近は、自宅と勤め先・学校に続く第三の心地よい居場所として「サードプレイス」という場の必要性が提唱されています。

 自宅でもなく、行かねばならぬ職場でもなく、自分の意志で行きたくなる場所の存在やそこでの時間の過ごし方は、コミュニティの形成の拠点にもなり自分自身の幸せな時間に直結するのではないか、という提唱です。

 自分自身に時間を過ごしたくなるサードプレイスはありますか?それはどこですか?

 人生を豊かにする場所はどこでしょう?

 

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