NHK第一ラジオで毎朝放送されている「マイBIZ」。今日のお話は元千代田区立麹町中学校校長工藤勇一さんによる「学習で大切なメタ認知能力」についてでした。
前回はメタ認知能力が何かを話されましたが、今回はどうやればメタ認知能力を身に付けられるかがテーマです。
メタ認知能力はなぜ大切か。
工藤さんは、「メタ認知能力とは、自分自身の思考や行動をもう一人の自分が上から俯瞰してみるというイメージ。自分がどんな精神状況であるとか、どんな行動をとっているかなどを客観的に見る能力のことだ」と言います。
そして「前回は三日坊主を例に出しました。脳的に言うと、三日坊主になるのは脳の仕業で脳に原因がある。
新しいことをするためには脳に新しい回路を作らなくてはなりません。その回路が始めはないので、できるようにするためには三日坊主を克服する回路を作らなければならない。
そのためには習慣にするしかないのだが、習慣にならないから三日坊主になるというジレンマがある。
ではどうすればよいか、ここで登場するのがメタ認知能力です。
繰り返すことができない自分を上から見下ろして、なぜ三日坊主を繰り返すのか、なぜ忘れちゃうのか、忘れてしまうというのならどうしたら思い出せるのか。
自分自身の行動を「自分はダメな奴だ」と精神的に攻めるのではなく、冷静に分析することができる。それに必要なことがメタ認知能力です。
それはある意味"ルーティーンをつくる"ということでもある。
大リーグで大活躍をしている大谷選手は、「ドラフト1位で8球団から指名される」という大きな目標を立てて、そのための中目標を8個セットして、さらにそれを実現するための取り組みを書くという、有名な目標達成シート(通称:マンダラチャート)を作成しました。
彼はそれを書いただけではなく、「どうせ忘れてしまうだろうから忘れないためには」として、そのチャートを壁に貼って何度も見ては実行をすることを繰り返しました。
その習慣が身についたことで、今の彼を支える実践の力に繋がったのだろう。
改めてメタ認知能力を身に着けるために大事なポイントはなにか?
これまでの日本の教育は、一言で言うと精神主義的なものが多かった。「根性」「忍耐」「努力」「反省せよ」「頑張れ」などなど。
しかし子供たちはうまくいかないことがあると、「自分は頑張れなかったからだ」と自己否定してしまう。
自己否定は自分の心理的安全性を下げてパフォーマンスを下げ劣等感で一杯になるという負のスパイラルに陥ってしまう。
そのためには精神主義を止めてゆくことが大事。そしてそのために必要なことがこのメタ認知能力だ。
自分のネガティブな部分は脳の仕業であって、そしてどんな仕掛けをすれば自分の習慣を変えられるかを考えること。
すぐには変えられなくても、週単位、月単位でたんたんと続けられるようにしてあげる。
大人は子供を否定しないように言葉を選び、「失敗しても大丈夫だよ」などという声掛けとともに手助けをしてあげるべき。
そうして自分自身を自分でほめることができるようになった子供はもう一人で歩いて行くことができるでしょう。
メタ認知能力で、自分の習慣を良い方向に替えましょう。
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とざっとまあ、こんな感じのお話でしたが、これってまさに昨日私が書いた「忘れ物をしないためにロッカーの前でジャンプする」ということを評価してくれるようなお話ではありませんか。
(どうせ忘れてしまうのなら、それでも忘れ物に気がつくような印象的な行動を習慣化させればよい)というのが私の気づきですが、今回のメタ認知能力とはまさにそのことを指摘してくれています。
ちょっと心強く思いながら、自分の物忘れやその対策に地道に取り組んでいこうと思えました。
ありがとう、メタ認知!