北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「始める」は易けれど「止める」は難し

2021-11-05 23:01:18 | Weblog

 

 かつて私が国営滝野すずらん丘陵公園の所長をしたいたときに、開園中の時間帯に園内に熊がいるのが見つかりました。

 滝野公園ではその後、結構な頻度で熊が出没してその度に臨時閉園の憂き目を見るのですが、私の時はその第一号となる最初の熊事件。

 「熊が出た」という知らせを受けた時点では園内に利用者がいたので、園内放送をしたうえで急きょ時閉園とした…までは良かったのですが、お客さんがいなくなったところで「さて、今後はどうするべきか」にはたと悩みました。

 大きな方針は二つ考えられました。一つは、『熊がまだいるかどうかの確認』と、二つ目は『今後熊が出たときに対処できる対策を取る』ということの二つです。

 熊の専門家を招いてハンターさんとともに巡回をしたところ、「ここはそれほど餌になる樹木が多いわけでもなく住み着く環境ではないし、熊の目撃情報を総括すると、親離れしたての冒険をするオス熊と考えられるので、園内にいる可能性は低いですね」という判断でした。

 ところが「では熊は絶対に園内にいないし戻らないのか」となるとそれを証明することが難しいことに気がつきました。

 つまり「どういう条件が満たされたなら安全と判断して開園できるのか」という基準がなかったし、当時は境界柵もなく基準を作っても完璧な安全を満たすのは難しい状況でした。

 結果的には園内の巡視を繰り返し、熊の足跡が園外に向かっていたことなどから「ほぼ園内にはいない」と結論付けて一週間後に再開園を果たしました。

 事程左様に、新しいことを実行するのは割と簡単ですが、それを止めるということは条件やタイミングなどがあってなかなか難しいという事です。

 うちの会社でも朝出勤者に対してコロナ罹患チェックとして体温を測っているのですが、担当者に「これっていつまで続けるのかねえ」と訊くと「本社からはその辺の指示がないんです」とのこと。

 ただ社員の飲食については、これまでは「4人以下にせよ」だった指示が、「参加者が二回ワクチンを受けている場合は人数制限はしない」と条件が緩和されました。

 コロナの新規感染者が激減しているなか、様々な経済的制限も解除されつつあるなか、コロナ対策はいつ止められるのでしょう。


      ◆


 ちなみに某官庁では、やはりコロナ蔓延防止の観点から多くの職員さんがローテーションで在宅勤務となっていましたがこれも未だに解除されていません。

 オフィスを訪問しても「今日は在宅のため出勤しておりません」すごすごと帰ることも多く非効率を感じます。

 一説には岸田政権誕生前の全大臣の指示なので、大臣が変わってからまだ相談に行けていないのではないか、と噂されていますが真実はわかりません。

 そろそろ年末が近づいて、様々な職場では忘年会はどうするのでしょうか。

 衆議院選挙では大物が落選する一方、長老議員が「まだやるの?」とも言われています。

 「止める」って実は難しいんですね。

コメント
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