水曜日から今日の金曜日まで道内出張。
水曜日は旭川から帯広へ、木曜日は帯広から釧路へ、そして金曜日は釧路市内を巡って帰ってきました。
年度の替わり目という事で、この3月で退職をする友人・知人に会ったり、4月からの新しい年度に向けての情報交換などをしてきました。
釧路でマスコミ系の友人に「釧路の名前が登場するような観光イベントはありますか?」と聞いてみたところ即座に「ありますよ」と答えてくれました。
「まずは9月に釧路とはちょっと違いますが、厚岸町で全国豊かな海づくり大会が開催されます。天皇皇后両陛下に行幸啓をいただく事業なので、大きな話題になりますよ。
次がアドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)です。これも9月に北海道で開催されてメインは札幌ですが、釧路はそれらを支える重要なエリアなのでこれにも期待を寄せています」
なるほど、アドベンチャーツーリズムは昨年開催だったのがコロナで今年に延期になったということもあって、コロナが収まった今いよいよ観光の起爆剤として期待したいところです。
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「まだありますか?」 すると友人は「面白いのがありますよ。それは『北前船寄港地フォーラム』です」
「北前船って、江戸時代から明治にかけて日本海を貿易して渡った船による物流ネットワークだと理解していますが、釧路に関係あるのですか?」
「小松さん、何言ってるの、北前船で何を運んでいたと思いますか?北海道と言えば昆布でしょう。その主産地の一つがここ釧路ですよ」
「あ、なるほど。米の取れない蝦夷地が産物として売ったのがいわゆる『俵もの』というナマコとかアワビなどに加えて昆布でしたね」
「そうなんです。今年の北前船寄港地フォーラムは沖縄で開催されたんですが、沖縄には北海道の昆布が運ばれて、今では琉球料理を支える重要な食材ですよね。で、これを来年北海道で開催しようという事で、釧路市の蝦名市長やお隣釧路町の小松町長なんかが沖縄にまで行っていましたよ」
調べてみると北前船寄港地フォーラムは、2007年から始まったフォーラムで、かつて北前船で栄えた自治体や企業などが賛同して開催され、今年2月の沖縄の開催はもう32回目になるのだそう。
「これを来年の6月に釧路市をメイン会場に開催する運びになっています。実は沖縄そのものには北前船は行っていないのですが、北前船で運ばれた昆布が下関~薩摩~琉球、そして中国へと渡っていた歴史があるんです。そういうご縁で今回は沖縄での開催の運びとなりました」
「へえ」
「沖縄では市場で普通に『森の昆布』という名前で昆布が売られているんですが、この"森"というのは実は釧路町の"昆布森"のことなんです。だし昆布ではなくて食用の長昆布で、この名産地が釧路町昆布森なんですよ」
「そういうことなんですか」
「釧路町の小松町長は、10mくらいある本物の長昆布をそのまま持参して、テープカットを昆布で行う昆布カットを演出して大うけでしたよ(笑)」
地場の産品がどこでどのように重用されて文化を形成しているかなんて案外気づかないものですね。
昆布~北前船を縁とする地域や企業の連携って面白そうですね。
来年6月に釧路で開催予定の北前船寄港地フォーラム、注目です。