毎週土曜日の介護初任者研修も全15回のうち6回目となりました。
今日の授業は、「コミュニケーションの技法と認知症について」で、午前中にコミュニケーションについての授業で午後が認知症についての基礎知識を学ぶ時間。
コミュニケーションには①言語的コミュニケーション、②非言語的コミュニケーションそして③準言語コミュニケーションの三つがあるといいます。
①の言語的コミュニケーションとは、会話、文字などの通信手段で手話や展示もこれに入ります。
日常生活で最も使われて、視覚、聴覚、触覚を駆使して行われます。
②の非言語的コミュニケーションとは、態度や表情、身振り、手振りなど言語を発しなくても好悪の感情的なものが伝わります。
怖いのは意図していないのに隠している内面が思わず出てしまうことがあることで、習慣化されていたりすると隠しようがなかったりすることです。
③の準言語的コミュニケーションとは、発する声の高さや強さ、抑揚や長短、スピードなどの言葉にまつわるニュアンスのこと。
優しい言葉をかけても、声が怖かったり威圧的だったりすると言っている内容が伝わらないどころか全く逆に受け止められることもあります。
こうした一つ一つのちょっとしたことに注意をしたコミュニケーションが求められるのですね。
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午後は認知症についての基礎知識のお勉強。
認知症はかつては「痴呆症」と呼ばれていましたが、認知症に対する認識が深まるにつれて、ただ脳の機能が衰えて「知恵が足りない(痴)」のと「ボーっとしている(呆)」ということではないとわかり、2005年から「認知症」という名前が使われるようになりました。
認知症にはアルツハイマー型、レビー小体型認知症、脳血管性認知症などの原因疾患がありますが、これらによってほぼ必ず発生する症状を中核症状といいます。
それらは、記憶障害、時間や空間がわからなくなる見当識障害、モノや道具の使い方が分からなくなる失認・失行、計算力低下、判断力低下、実行機能低下などです。
それに対して、これらによって派生して引き起こされる行動・心理症状があり、それを周辺症状と呼ぶこともあります。
心理症状には、不安感、強迫症状、抑うつ状態、幻覚、妄想などがあります。
また行動症状には徘徊、帰宅行動、攻撃的言動、ケアへの抵抗、昼夜逆転、失禁などがありますが、これらは必ず起こるというものではないのだそう。
中核症状は仕方がなくても、その段階でストレスを与えずに適切な介護が行われれば、認知症の進行を遅らせたり、周辺症状を軽減することは可能だと考えられるようになりました。
徘徊やその他の周辺症状には、その方が生きてきた歴史や記憶が深くかかわっていて、必ず理由があります。
それらを理解して受容して、適切に関わってゆくことで認知症の方が落ち着いて安寧な暮らしができるようにすることが強く求められます。
授業の家のワークで、「もしも自分が認知症になったら」という仮定で、「どう思うか」「何をしてほしいか」などについて考える時間がありました。
そこで自分がしてほしいこと、それが与えるべき介護だという事。
介護には、機能を喪失してゆく自分への想像力が求められます。