今日から二泊三日で留萌~宗谷方面での挨拶回り。
全道を相手に挨拶廻りやら情報収集をするにしても、それぞれの地域を巡ることができるのはせいぜい年に2~3回程度です。
宗谷方面も昨年6月以来来られていなくて久しぶりの訪問です。
留萌地域から挨拶回りを始めて、日本海側に沿ってオロロンラインを北上、地域ごとにいる灯台のような情報源を訪ねて回ります。
ゆく先々で「地域の人口減少をどのように考えて対策は何かありますか」と訊ねます。
多くのところでは「あと5年は大丈夫だと思いますが、10年となるとわかりません」という答えが返ってきました。
ある地域では、「たとえば除雪を担ってくれる操縦のオペレーターさんの確保は大丈夫ですか?」と訊ねると、「とりあえずこの地域は大丈夫だと思います」という答え。
「その根拠は?」
「この地域では米がとれるのとアスパラガスなどの農産物が旺盛で、そういう農家さんたちが冬は仕事がないので除雪をしてもいいよ、と言ってくれています」
「アスパラガスなど、施設園芸作物なら年中農作業に携わって冬も忙しくなるのではないですか?」
「いいえ、日本海沿いのこの地域では風が強すぎるのでビニールハウスが成立しなくて年間を通じた農業が難しいのです。アスパラガスも露地栽培でやっています。そういう農業とは夏冬の労働時間の移動が可能であり続けられると思います」
農家が冬に除雪に参加してくれるという、夏冬の労働の移動は考えられることですが、一方で農家が専業化してくると年中農業に携わって、冬も農業で忙しいということになりがちです。
地域の地理的特性によって労働力の移動が見込まれるかどうかが、地域の維持を担う働き手として期待できるかどうかの地域特性に繋がります。
人口減少と一口で言いますが、その地域のミクロの産業特性や経済事情をしっかりと学ばないと、農村は大丈夫とか都会は危ない、など一方的な思い込みは危険だとわかります。
地域ごとの特性に入り込まなくては、地域の悩みも解決策も見つけ出すことは難しいでしょう。
思い込みを排除して、素直な気持ちで地域の事情に目を向けたいものです。
夜は稚内の居酒屋で一杯、刺身が旨いなあ。