介護スクール、10/15回目。
今回のテーマは「食事に関連した心体のしくみと自立支援」です。
食事は、体に必要な栄養素を取り入れるだけでなく、それ自体が楽しみであり、コミュニケーションの場であり、食事で生活のリズムが作られるのだと学びます。
普段何気なく食べている食事ですが、空腹を満たすだけでなく、日々の楽しみがそこにあることを改めて感じます。
それも、人から食べさせられるのではなく、自分の手で口から摂取できることがどれほど無上の喜びであることか。
食べるものを自分で選べるという事も、それができなくなったことを思えばとても豊かな暮らしであることが分かります。
改めて当たり前の日常のありがたみが分かりました。
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「高齢になると水分の補給も大切」ということを学びました。
歳を取ると感覚が鈍くなるので、のどが渇いているとか脱水症状になっていることの自覚がうすれがちになります。
一日に必要な水分は標準成人で2,000~2,500mlとのことで、これだけをガブガブ水を飲んで取り入れることは現実的ではありません。
そもそも食事から得られる水分で約1,000mlは取れるという事なので残りの1,000~1,500mlをどうやってとるか.
高齢になって危険なのは誤嚥です。
喉の機能として食べ物を飲み込んで食道に導くためには気管の方に入らないように蓋をするようになっているのですが、加齢とともにその反応が鈍くなると蓋をする前に水分が喉に落ちてきて気管に入ってしまうことがあり、それが誤嚥です。
それを防ぐためにはお茶やジュースなどのさらさらした飲み物にとろみをつけることが有効です。
また水分をゼリーを食べることで補うのも有効です。
今日はゼリーを食べたりとろみのついたお茶を飲んだりして、どんな感覚かを味わいます。
次いで、ベッドに寝ている人と右半身まひの方を想定した食事介助の演習を行いました。
実際の現場では、お年寄りがご飯を食べなくなったりすることがあり、それは単に食欲不振と言うだけでなく、解除する人の手袋の匂いがきつかったり、介助者のエプロンの柔軟剤の匂いが強かったり、そんなちょっとしたことで食べられなくなることがあるそう。
さらには、「お茶碗にまだ残っているご飯が、お茶碗の白に紛れて見えなくなって食べないということもあったりします」という先生の体験談も教えられました。
ごくごく当たり前にモノが食べられるというのは健常であることの証です。
それを改めてありがたく思い、自分がまだ食べられることの幸運を噛みしめたいものです。
味気ない食事をするようにはなるまいぞ、なるまいぞ。