女満別・網走方面出張の二日目です。夕べは女満別町のホテルSに宿泊。美肌の湯というのは弱アルカリ性で肌を溶かすのか、温泉につかっているとお肌がつるつるになります。
観光はその土地に宿泊しないとお金が落ちませんので、夕べは女満別に宿泊という訳です。こんな素晴らしい温泉があったとは。またいつか訪れたいものです。
【女満別空港の外国客対策】
観光の仕事をしていて最近よく聞かれるのが、外国人観光客に対する国内空港の「CIQの問題」です。
CIQとは、Customs,Immigration,Quarantineの頭文字で、それぞれ税関、出入国管理、検疫の略語です。これらは海でも空港でも同じですが開港の基本要件とされているもので、日本の主要な港ではほとんどがCIQ体制が整備されています。
「主要な港では」と注釈をつけたのは、ローカルの空港などで外国との定期航路のないような小さなところでは仕事量がないために職員が常駐していないことが多いからです。
空港の場合は定期的な航路がない場合でもチャーター便として外国の飛行機が空港に降り立つ事はあるわけで、そう言う場合はCIQのために周辺の港から関係職員が駆けつけてきて入国の事務を行うという事になっているのです。
少し前に社会的に話題になったのは、日本では地方空港のCIQ体制が弱いために外国客が不満に感じているとか、だから外国客の日本訪問が少ないのだ、といった風聞でした。
ビジット・ジャパン・キャンペーンとして海外からの旅行者をもっと増やそうとしている小泉政権としては、CIQの不備と言われると政治的な課題になってしまいます。国家公務員縮減の流れの中でCIQ担当職員を増やすのか、それとも特区法で地方自治体に業務を任せるのか、など議論が交わされたのです。
結果的には現有職員が何とかカバーする中で職員の増加は押さえつつ外国観光客対応をしているのが現状です。
かねてよりそんなお話だけは聞いていたのですが、私も実際に空港の業務としてどのようなことになっているのかを実地に見たわけでもありません。また最近女満別空港が増築をしたという噂も聞いたところです。
せっかく近くまで来たという事で、あらかじめ女満別空港事務所にお願いをしてお話を聞かせてもらうと共に現地を見せていただく事にして、女満別空港をお訪ねしました。
女満別空港では事務所のNさんという方が対応をしてくださいました。
「女満別空港は空港の種別で言うと3種空港という事になっていて、道が設置して道が管理するという空港です。ですから着陸料などは道の収入になって、それで空港を管理しているというわけです」
「すると空港ビルはどういう経営になっているのですか?」
「これは不動産賃貸業です。各空港会社さんや飲食店、お土産屋さん、レンタカー会社などがテナントとして入ってそこで賃料を払うというわけです」
「空港利用者数が増えると収入も増えるのですか?」
「(笑)今はそういう仕組みにはなっていません。一定の額を払っていただければあとは儲けていただいて良いのですよ」
「今回この空港ビルが増築をしたと伺いました」
「はい、これまではボーディングブリッジが2橋と荷物の出てくるバッゲージクレームも一台しかなくて、到着する飛行機の間隔が近いときなどはお客様を待たせる事になっていました。また国内線だけでもそんな状況でしたし、これに国際チャーター便が入ってくるような事になると、内外のお客様が混じらないようにしながら入国審査や関税などの準備をするのが大変だったのです。そこでやむを得ずボーディングブリッジ1橋とCIQ対策にもなる待合室を増設したというわけです」
「今までのビルの増設でCIQ対応をしているのですね?」
「はい、地方空港でも国際定期航路のあるようなところでは国際線の出入国専用のビルを建てたりするところもありましたが、定期航路の利用が伸びず航路が廃止になってしまったようなところでは国際専用ターミナルは無用の長物となってしまっています。ここではまだそこまでの施設は必要がないと考えています」
「昨年の海外からのチャーター便の状況はいかがですか」
「そうですね、大体女満別です降り立って飛び立つのを1便とすると年間10~20便くらいなもので、昨年は全て台湾からの飛行機でした。幸い今年は6月くらいまでに昨年と同じだけの便が予定されていますので昨年を超えるのは間違いありません」
「チャーター便というと、お客さんを降ろしたら今度は載せて帰らないと効率が悪いですよね。ここから台湾まで乗るような地元のお客さんはいるのでしょうか」
「地元のお客さんと言うよりは、旭川や新千歳など他の空港に降り立って数日間の道内観光をしたうえでここから飛行機に乗るというような組み合わせで動かれているお客様が多いですね」
「なるほど、そうやってぐるぐる回しているんですね。最近ではCIQ体制は問題ないのでしょうか」
「今は職員が足りないなどと言うことはまずありません。うちでは関税(C)は網走から、出入国審査(I)は網走から、検疫(Q)は紋別港から駆けつけて来るという体制になっていますが今は大丈夫ですね」
実はCIQの問題も、職員の不足というよりはお客さんをしっかりと分けられなかったり、待合い空間を充分に取れないなどといった施設の問題に原因がある事も多いようです。
女満別空港では今回の増築に伴って古い内装も新しくしたようで、新品の空港のような印象でした。最近の話題では、4月から函館~女満別間をHACが撤退して変わりにエアトランセが就航するのだとか。頑張って欲しいものです。
またこの4月からは空港駐車場が有料化されるとも伺いました。道管理が撤退して民間運営になるとの事ですから仕方のないところでしょうか。はじめの2時間までは無料のようですから出迎えの待ち時間くらいは大丈夫でしょう。
空港をこうしてちゃんと案内してもらったのは初めてでしたから随分勉強になりましたよ。
観光はその土地に宿泊しないとお金が落ちませんので、夕べは女満別に宿泊という訳です。こんな素晴らしい温泉があったとは。またいつか訪れたいものです。
【女満別空港の外国客対策】
観光の仕事をしていて最近よく聞かれるのが、外国人観光客に対する国内空港の「CIQの問題」です。
CIQとは、Customs,Immigration,Quarantineの頭文字で、それぞれ税関、出入国管理、検疫の略語です。これらは海でも空港でも同じですが開港の基本要件とされているもので、日本の主要な港ではほとんどがCIQ体制が整備されています。
「主要な港では」と注釈をつけたのは、ローカルの空港などで外国との定期航路のないような小さなところでは仕事量がないために職員が常駐していないことが多いからです。
空港の場合は定期的な航路がない場合でもチャーター便として外国の飛行機が空港に降り立つ事はあるわけで、そう言う場合はCIQのために周辺の港から関係職員が駆けつけてきて入国の事務を行うという事になっているのです。
少し前に社会的に話題になったのは、日本では地方空港のCIQ体制が弱いために外国客が不満に感じているとか、だから外国客の日本訪問が少ないのだ、といった風聞でした。
ビジット・ジャパン・キャンペーンとして海外からの旅行者をもっと増やそうとしている小泉政権としては、CIQの不備と言われると政治的な課題になってしまいます。国家公務員縮減の流れの中でCIQ担当職員を増やすのか、それとも特区法で地方自治体に業務を任せるのか、など議論が交わされたのです。
結果的には現有職員が何とかカバーする中で職員の増加は押さえつつ外国観光客対応をしているのが現状です。
かねてよりそんなお話だけは聞いていたのですが、私も実際に空港の業務としてどのようなことになっているのかを実地に見たわけでもありません。また最近女満別空港が増築をしたという噂も聞いたところです。
せっかく近くまで来たという事で、あらかじめ女満別空港事務所にお願いをしてお話を聞かせてもらうと共に現地を見せていただく事にして、女満別空港をお訪ねしました。
女満別空港では事務所のNさんという方が対応をしてくださいました。
「女満別空港は空港の種別で言うと3種空港という事になっていて、道が設置して道が管理するという空港です。ですから着陸料などは道の収入になって、それで空港を管理しているというわけです」
「すると空港ビルはどういう経営になっているのですか?」
「これは不動産賃貸業です。各空港会社さんや飲食店、お土産屋さん、レンタカー会社などがテナントとして入ってそこで賃料を払うというわけです」
「空港利用者数が増えると収入も増えるのですか?」
「(笑)今はそういう仕組みにはなっていません。一定の額を払っていただければあとは儲けていただいて良いのですよ」
「今回この空港ビルが増築をしたと伺いました」
「はい、これまではボーディングブリッジが2橋と荷物の出てくるバッゲージクレームも一台しかなくて、到着する飛行機の間隔が近いときなどはお客様を待たせる事になっていました。また国内線だけでもそんな状況でしたし、これに国際チャーター便が入ってくるような事になると、内外のお客様が混じらないようにしながら入国審査や関税などの準備をするのが大変だったのです。そこでやむを得ずボーディングブリッジ1橋とCIQ対策にもなる待合室を増設したというわけです」
「今までのビルの増設でCIQ対応をしているのですね?」
「はい、地方空港でも国際定期航路のあるようなところでは国際線の出入国専用のビルを建てたりするところもありましたが、定期航路の利用が伸びず航路が廃止になってしまったようなところでは国際専用ターミナルは無用の長物となってしまっています。ここではまだそこまでの施設は必要がないと考えています」
「昨年の海外からのチャーター便の状況はいかがですか」
「そうですね、大体女満別です降り立って飛び立つのを1便とすると年間10~20便くらいなもので、昨年は全て台湾からの飛行機でした。幸い今年は6月くらいまでに昨年と同じだけの便が予定されていますので昨年を超えるのは間違いありません」
「チャーター便というと、お客さんを降ろしたら今度は載せて帰らないと効率が悪いですよね。ここから台湾まで乗るような地元のお客さんはいるのでしょうか」
「地元のお客さんと言うよりは、旭川や新千歳など他の空港に降り立って数日間の道内観光をしたうえでここから飛行機に乗るというような組み合わせで動かれているお客様が多いですね」
「なるほど、そうやってぐるぐる回しているんですね。最近ではCIQ体制は問題ないのでしょうか」
「今は職員が足りないなどと言うことはまずありません。うちでは関税(C)は網走から、出入国審査(I)は網走から、検疫(Q)は紋別港から駆けつけて来るという体制になっていますが今は大丈夫ですね」
実はCIQの問題も、職員の不足というよりはお客さんをしっかりと分けられなかったり、待合い空間を充分に取れないなどといった施設の問題に原因がある事も多いようです。
女満別空港では今回の増築に伴って古い内装も新しくしたようで、新品の空港のような印象でした。最近の話題では、4月から函館~女満別間をHACが撤退して変わりにエアトランセが就航するのだとか。頑張って欲しいものです。
またこの4月からは空港駐車場が有料化されるとも伺いました。道管理が撤退して民間運営になるとの事ですから仕方のないところでしょうか。はじめの2時間までは無料のようですから出迎えの待ち時間くらいは大丈夫でしょう。
空港をこうしてちゃんと案内してもらったのは初めてでしたから随分勉強になりましたよ。
駐車場も車両の不法投棄など、無料の弊害が出ているので、やむを得ないかなと思います。
はやく空港とレンタカーの連絡が良くなると良いのですが。