雪の中を北海道大学工学部で開催された日本都市計画学会北海道支部研究発表会に参加してきました。
北大13条の銀杏並木に雪が乗っているさまは実に美しく、学問の拠点である大学には樹木が実に似合います。
支部研究発表会での論文発表は今年は6本とちょっと少なくて残念でしたが、それぞれに街づくりに対して様々な角度から切り込んだ調査研究成果が聞けました。
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私が興味を持った発表は、札幌市立大学4年生の塩原ななさんの「清田区の街区公園における雪置き場としての現状と課題~札幌市「公園の雪置き場としての利用制度」に着目して」という研究でした。
冬に大雪の降る札幌市では郊外戸建て住宅の多くが敷地内だけではなく、公園や空き地などの敷地外への排雪に依存していることが明らかになっていてい、地域内での雪処理の推進が課題とされています。
一方札幌市では2005年から、遊具の保護などを条件に、町内会単位での公園を地域の雪置き場として利用する制度を開始しています。
今回の塩原さんの研究では、清田区の住宅街区を事例にしてアンケートなどを取ることで、郊外住宅地での地域内雪処理の実態を把握しようと試みられました。
札幌市の清田区は、他の区に比べて住民が公園を雪置き場として利用する協定を利用している割合が最も高いのだそうで、まずはそこから調査を始めたとのこと。
調査では三か所の、様々な特徴を持った街区公園を抽出して、そこを雪置き場として利用している人の声、利用していない人の声を聞いています。
民間の除排雪業者を利用しているかどうかとか、融雪層などがあるかどうかで公園に雪を捨てるかどうかの行動パターンに変化があるかどうかをちょうさしたりもしています。
札幌の住宅地で、雪をどのように処理しているかは結構大きなテーマなはずですが、これまで案外そうした研究の事例は少ないようです。
面白いところに目をつけてくれました。
この発表は支部長奨励賞を授与しました。
未来に役立つ調査研究の種がまた一つ見つかりました。
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