福島出張の二日目です。
今日は
■福島県内の道路整備と維持管理
■猪苗代湖の観光 の2本です。
【福島県内の道路整備と維持管理】
福島県での二日目です。下郷町の茅葺き民宿に別れを告げて、我々は現地視察へと向かいます。
最初は甲子道路(かしどうろ)の見学。ここは昨日も触れたが、本来は県が整備すべき一般国道298号線を国である東北地整が権限代行で整備をする区間である。
もう過去に百年間以上も地元から整備の要望が出されていたものがやっと繋がるというのだからねばり強い。現在はトンネル延長4,395mの75%ほどまで工程が進んでいる。
最先端部まで連れて行ってもらって、トンネルの外壁をアンカーボルトで安定させるNATM工法を目の当たりにする。遠くから見るとロボットが一台黙々と地元の夢を載せて作業をしているように見える。最先端はいつも孤独なものだ。
こういう現場を孤独なままにしてはいけないと思うのだが、ここの現場の立派なところはこの現場の情報を非常に熱心に発進している事だ。試しに検索で「甲子道路」と打ち込んで検索結果を見てみるがよい。
現場見学への丁寧な対応と言い、情報発信の熱心さといい、地域の理解を得ながら進めようとする工事への対応は私自身同業者ながら本当に素晴らしいものがある。少なからずショックを受けたのは私だけではあるまい。我々もがんばらなくては。
* * * *
続いては、猪苗代湖の北を走る国道49号線のロードヒーティングの現場。
ここが面白いのは、ロードヒーティングの熱源に湖水の温度を利用しているというところである。
猪苗代湖は真冬でも凍らない湖でなので、水を湖水から引き込んでヒートポンプで圧縮膨張をさせるとそこから一定の熱を取り出せるのだ。ちょっと説明が難しいのだけれど、温度差があれば、そこから熱は取り出せるのだ。すごいよね。
「それって設備費用も高そうですけど、電気などに比べて安いのですか?」とごく当たり前の質問をしてみる。
「計算上は18年で元が取れるということになっていますし、設備は20年は持ちますから元は取れる計算です」
「外にも自然エネルギーで道路管理をしている現場はあるのですか?」
「東北地方整備局ではいろいろな試みをさせてもらえていて、風力発電でロードヒーティングをしているところもありますし、地中熱を使っているところもありますよ」
「一番効率がよいのは何ですか?」
「やはり垂直方向の地中熱みたいですね。ヒートポンプなんかもいらず、設備も単純ですし熱量も豊富なところではこれが一番良いです」
道路も整備が進むに連れて維持管理の費用も増大して行くのは当然だ。北海道でも、ロードヒーティングまでは作っていながら維持管理の費用が捻出できずにヒーティングをしていない箇所も結構あるのだ。
環境面でも社会費用の面から見ても、これまでのように油をどんどん燃やして我々の生活水準を維持できる社会ではなくなりつつある。だから少しでも効率の良いエネルギーを求めて、その利用を現実的なものにする努力を続けていかなければいけないのだ。
※ ※ ※ ※
折しも、道路を整備するために車の燃料にかけられている税金による道路特定財源を、何にでも使える一般財源化する話が政府レベルで進められていて、小泉総理の指導力の下で路線が敷かれつつある。
現状の姿が変わる先には、新しい道路の整備や管理水準がどうなるのか不安や心配もある。しかし、時代の変化を恐れるのではなく、何が次の世代にとって良いことなのかを真剣に考えたいものだ。
世の中の動きに興味深く関わること無しに、決まった結論にケチをつけるというのは一番情けない生き方だと思うのだ。
もちろん、その前提に情報公開があることは言うまでもない。開かれた情報を元に、関心を持つ人が増える社会こそ健全な社会なのだ、と思うよ
。
【猪苗代湖の観光】
道路の現場を見せてもらった後は、猪苗代湖近くで昼食。
もう15年も前のことだが、水戸に住んでいた時にこのあたりのオートキャンプ場へ来たことがあった。
そのときは野口英世記念館とおみやげ屋さんがあったような気がしたのだが、今日改めて訪ねてみると磐梯山と猪苗代湖にはさまれた国道沿いにはガラス館やら物産館やらが建ち並んでいて、随分様変わりしたものだ。
湖畔近くの蕎麦屋さんへ連れて行ってもらって昼食を食べることにした。地元の公社が経営する「いわはし館」で食べたお蕎麦は、テーマが地元の結婚式である「祝言」である。
「五段の蕎麦」を注文したが、これは祝言の際のお品書きに出てくる呼び名なのだそうだ。
注文すると五段重ねの木皿が出てきて、それに五種類の薬味が添えられている。これに蕎麦つゆをかけて冷たい蕎麦をつけてすするという趣向である。
五段の薬味は、①ネギの七味和え、②ゴマとクルミ、③シイタケと柚、④ひき割り納豆、⑤大根おろしと鷹の爪の五種類である。一度に五種類の味わいが広がって大満足。そうか、こういう出し方もあったのだなあ、とまた一つ蕎麦の世界が広がった。
地元の風習、文化になぞらえた出し方も個性豊かで良いな。「いわはし館」の「いわはし」とは、磐梯山が天高くそびえ立つ岩(磐)のはしご(梯)にたとえられ「いわはし山」と呼ばれていた由来をいただいたものだそうだ。
旅の醍醐味はその土地に立つことで初めて分かる味わいだ。これこそおもてなしの心に違いない。
今日は
■福島県内の道路整備と維持管理
■猪苗代湖の観光 の2本です。
【福島県内の道路整備と維持管理】
福島県での二日目です。下郷町の茅葺き民宿に別れを告げて、我々は現地視察へと向かいます。
最初は甲子道路(かしどうろ)の見学。ここは昨日も触れたが、本来は県が整備すべき一般国道298号線を国である東北地整が権限代行で整備をする区間である。
もう過去に百年間以上も地元から整備の要望が出されていたものがやっと繋がるというのだからねばり強い。現在はトンネル延長4,395mの75%ほどまで工程が進んでいる。
最先端部まで連れて行ってもらって、トンネルの外壁をアンカーボルトで安定させるNATM工法を目の当たりにする。遠くから見るとロボットが一台黙々と地元の夢を載せて作業をしているように見える。最先端はいつも孤独なものだ。
こういう現場を孤独なままにしてはいけないと思うのだが、ここの現場の立派なところはこの現場の情報を非常に熱心に発進している事だ。試しに検索で「甲子道路」と打ち込んで検索結果を見てみるがよい。
現場見学への丁寧な対応と言い、情報発信の熱心さといい、地域の理解を得ながら進めようとする工事への対応は私自身同業者ながら本当に素晴らしいものがある。少なからずショックを受けたのは私だけではあるまい。我々もがんばらなくては。
* * * *
続いては、猪苗代湖の北を走る国道49号線のロードヒーティングの現場。
ここが面白いのは、ロードヒーティングの熱源に湖水の温度を利用しているというところである。
猪苗代湖は真冬でも凍らない湖でなので、水を湖水から引き込んでヒートポンプで圧縮膨張をさせるとそこから一定の熱を取り出せるのだ。ちょっと説明が難しいのだけれど、温度差があれば、そこから熱は取り出せるのだ。すごいよね。
「それって設備費用も高そうですけど、電気などに比べて安いのですか?」とごく当たり前の質問をしてみる。
「計算上は18年で元が取れるということになっていますし、設備は20年は持ちますから元は取れる計算です」
「外にも自然エネルギーで道路管理をしている現場はあるのですか?」
「東北地方整備局ではいろいろな試みをさせてもらえていて、風力発電でロードヒーティングをしているところもありますし、地中熱を使っているところもありますよ」
「一番効率がよいのは何ですか?」
「やはり垂直方向の地中熱みたいですね。ヒートポンプなんかもいらず、設備も単純ですし熱量も豊富なところではこれが一番良いです」
道路も整備が進むに連れて維持管理の費用も増大して行くのは当然だ。北海道でも、ロードヒーティングまでは作っていながら維持管理の費用が捻出できずにヒーティングをしていない箇所も結構あるのだ。
環境面でも社会費用の面から見ても、これまでのように油をどんどん燃やして我々の生活水準を維持できる社会ではなくなりつつある。だから少しでも効率の良いエネルギーを求めて、その利用を現実的なものにする努力を続けていかなければいけないのだ。
※ ※ ※ ※
折しも、道路を整備するために車の燃料にかけられている税金による道路特定財源を、何にでも使える一般財源化する話が政府レベルで進められていて、小泉総理の指導力の下で路線が敷かれつつある。
現状の姿が変わる先には、新しい道路の整備や管理水準がどうなるのか不安や心配もある。しかし、時代の変化を恐れるのではなく、何が次の世代にとって良いことなのかを真剣に考えたいものだ。
世の中の動きに興味深く関わること無しに、決まった結論にケチをつけるというのは一番情けない生き方だと思うのだ。
もちろん、その前提に情報公開があることは言うまでもない。開かれた情報を元に、関心を持つ人が増える社会こそ健全な社会なのだ、と思うよ
。
【猪苗代湖の観光】
道路の現場を見せてもらった後は、猪苗代湖近くで昼食。
もう15年も前のことだが、水戸に住んでいた時にこのあたりのオートキャンプ場へ来たことがあった。
そのときは野口英世記念館とおみやげ屋さんがあったような気がしたのだが、今日改めて訪ねてみると磐梯山と猪苗代湖にはさまれた国道沿いにはガラス館やら物産館やらが建ち並んでいて、随分様変わりしたものだ。
湖畔近くの蕎麦屋さんへ連れて行ってもらって昼食を食べることにした。地元の公社が経営する「いわはし館」で食べたお蕎麦は、テーマが地元の結婚式である「祝言」である。
「五段の蕎麦」を注文したが、これは祝言の際のお品書きに出てくる呼び名なのだそうだ。
注文すると五段重ねの木皿が出てきて、それに五種類の薬味が添えられている。これに蕎麦つゆをかけて冷たい蕎麦をつけてすするという趣向である。
五段の薬味は、①ネギの七味和え、②ゴマとクルミ、③シイタケと柚、④ひき割り納豆、⑤大根おろしと鷹の爪の五種類である。一度に五種類の味わいが広がって大満足。そうか、こういう出し方もあったのだなあ、とまた一つ蕎麦の世界が広がった。
地元の風習、文化になぞらえた出し方も個性豊かで良いな。「いわはし館」の「いわはし」とは、磐梯山が天高くそびえ立つ岩(磐)のはしご(梯)にたとえられ「いわはし山」と呼ばれていた由来をいただいたものだそうだ。
旅の醍醐味はその土地に立つことで初めて分かる味わいだ。これこそおもてなしの心に違いない。
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