後輩の一人が突然会社を訪ねてきて「転職しましたのでご挨拶に着ました」という。
「へえ、いつ?」「6月から今の会社にいます」
聞けば、本州の会社の札幌にある支店に勤め始めたとのことですが、それなりに業績のある会社のようで、それはそれで良かった。
仕事は道内の古巣へ挨拶回りをするほか営業などもするとのことで、自動車を運転するなら安全第一でね、と余計な忠告めいた事が口から出ていました。
一方で、「挨拶に来てくれるなら事前にいるかどうかくらい連絡をくれればよかったのに」というと、「まあおられなければ名刺を置いて行くだけでも良いかな、と思いました」と言うので、それだけはちょっと引っかかりました。
「いや、これからいろいろなところへ挨拶に行くのが仕事の一つになるのだったら、アポを取る癖をつけた方が良いよ」
「そういえば、いくつかの官庁では『アポを取ってから来てください』と言われました」
「そう言われたら事前のアポを取ることにして、そう言われなければアポなしで訪問するのかい?それはちょっといただけないな」
「やっぱりそうですか」
「そうだよ、いい大人になったからには人に会うことの意味をもっと考えて、あっている時間を大切に思った方が良い。全道を回るとのことだけど、たとえば今回釧路を訪ねて会えなかったら、『じゃあまた来週来ます』ということにもならないでしょ? それだったら事前に確認の電話をして、午前午後や一日ずらすことで会えるのだったら、僕ならそういう風に行程を組みなおすよ」
「ははあ、なるほど」
「自分以外の人に会うという事は、そこから自分の知らない情報や知恵を得る絶好のチャンスです。だから『会えなければ名刺を置いてくれば…』などというのは、自分が成長する機会をみすみす逃して、しかも営業活動をしたつもりになっているだけさ。人生の残り時間をもっと惜しむ方がいいよ」
最後はなんだか妙に強い口調になってしまった自分がいました。
たとえ何度も会ったことのある人を訪ねるのでも、自分の変化や相手の変化を語り合えば、常に新鮮な対話ができるはずです。
そして互いの印象を新たにして、会う前よりも会った自分は何かが変化している。
人に会うのが仕事だ、と言うのはそういう意味なのだと私は思います。
人に会うときはできるだけ約束をとりつけましょう。
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