北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

まずはやれることをやろう ~ 今日の床屋談義

2018-09-20 23:55:55 | Weblog

 

 いつもいく床屋さんでの床屋談義。今日の話題は先日の地震についてでした。

「地震で停電になったらお店は開けなかったでしょう?」
「はい、でもこの辺りは地震になったその日の午後には電気が復旧したんですよ」

「へえ、早かったね。僕の所は丸一日停電が続いたからなあ」
「なので、水も出ましたし、地震の翌日からは普通に営業できたんです。そうしたらまだ世間は停電が続いているところが多くて、報道でスマホの電池切れに困った人たちが区役所に殺到して充電していて、しかも何時間も待たされている、というじゃありませんか」

「そうだったみたいだね」
「そんな風で周りも慌ただしくて、『今日はもうお客さんも床屋どころじゃなくて来ないだろうな』と思って、店は開けたもののせめて電池の充電サービスくらいしようと、店の表に『スマホの充電無料でできます』と書いた紙を貼りました。そうしたら以外に、女性のお客様が殺到したんです」

「女性のお客さん?へー」
「皆さん、第一声は充電が目当てだったんですが、お風呂に入れなかったので特にロングヘアのお客様が洗髪と充電をしていかれたんですが、とても感謝されました」

「それは素晴らしいね。それっていつもの常連のお客さんが多かったの?女性って美容院は行くけどなかなか床屋さんって来ないでしょ?」
「そういう女性のお客様は30人くらい来られましたけど、ほとんどが新規のお客様でした。なかにはその女性の旦那さんという方がちょっと後に来られて、『妻から聞きました。お世話になりました』といって新規のお客様になっていただいた、ということもありました。
 だから、お客様を諦めていた日に、普段のお客様に加えて充電と洗髪の予期せぬお客様が大挙したので、結構大変でした。まあ一番大変だったのは、普段はないロングヘアをひたすらシャンプーしていた洗髪担当のA君でしたけどね(笑)」

 緊急の際に、自分の職分を超えて、「できることをやろう」という姿勢でいられるのは立派です。

 僕の通っているこの床屋さんは普段から会話をしていても、どこか清々しさが漂ってくるので、髪を切る以上に心も洗われるのですが、今日も良い話を聞かせてもらいました。

 どんな仕事に就いていても、最後はこういう人間力が人を惹きつけるように思います。

 今日も張り切っていきましょう。

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誕生日には献血を

2018-09-19 22:30:02 | Weblog

 

 今日は私の60歳、つまり還暦を迎える誕生日です。

 朝から、フェイスブックなどで大勢の友人、知人からお祝いのメッセージをいただきありがとうございました。

 できるだけ返信をしていますが、失礼があったらお許しください。


 さて、誕生日の記念に献血をしようと献血カードを取り出してみたところ、なんと昨年の誕生日に献血をして以来、この一年行っていないということが分かりました。

 昨年の誕生日に献血に行ったことも覚えていなくて、自分でも驚きました。

 大通りのビルの11階にある献血ルームへ連絡すると、「朝11時半からでもできますよ」とのことで、時間に合わせて現地を訪れました。

 普段は人が大勢いる印象だったのですが、今日の献血ルームは閑散とした雰囲気です。

 担当のスタッフの女性に、「今日は随分空いてますね」と言うと、「昨日は地下街を通る人に声をかけるスタッフが頑張ってくれて、80人くらいきたんですけどね。やっぱりオータムフェストが始まって、人通りが多いと、協力してくださる方も増えるんですよ」とのこと。

 地下街を歩くことも多いけれど、飲み屋街のキャッチみたいに声を張り上げて勧誘しているスタッフを見て、(どれくらい効果があるんだろう)と思っていましたが、まことに失礼しました。


    ◆


 今日も成分献血で、1時間ほどで血漿と血小板をそれぞれ200mlほど採取できました。

 停電の時は、この施設も全く機能せず、停電はその日の夕方に復旧したそうですが、スタッフもなかなか集まらないなど、大変な思いをしたそうです。

 二十四軒にある赤十字献血センターだけは自家発電もあって献血を受け入れられたそうですが、他の施設は全くダメ。

 血液不足はなんとか対処したとのことですが、電気がないとあらゆる面で日常が破壊されることを改めて知りました。

 今日で献血は111回目。さて人生で何回まで献血回数を伸ばせられるでしょうか。

 年に一度の誕生日だけでは、ちょっと寂しいかな。

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発言力のある人こそ、ちゃんと現場を見るべきだ、と思う

2018-09-18 23:44:54 | Weblog

 

 今日は仕事の関係で、自民党道連主催で開催された「北海道胆振東部地震災害対策本部」会議に出席してきました。

 災害対策は基本的に地方自治体の事務です。

 会議ではまず、全道の被害状況を北海道庁が、続いて大きな住宅被害が発災した札幌市、次に多くのインフラ管理を抱える北海道開発局から、地震による被害状況と復旧状況が報告されました。

 道庁による全道の被害状況は、9月16日現在で公共土木施設、苫小牧港、JR、水道施設など多岐にわたっています。

 特に副次的な災害として大停電が続いたことで、産業への被害が大きくなりました。 

 一番大きな被害は観光面で、観光施設の建物や設備が損傷したほか、全道の宿泊施設で約94万人のキャンセルが発生し、観光消費影響額として約292億円を見積もっています。

 次は林業被害で、林地の大規模崩壊により約225億円の被害を見込んでいるほか林道被害も48憶円になりそうです。

 水産業や商工業では、水産物の冷凍品の溶解や生鮮食品等の原材料の廃棄などがありました。

 その一方で、発災直後に発生した道路の通行止めや交通機関の運休、停電、断水などはおおむね解消しています。ネガティブな風評被害は早期に解消したいところでしょう。

    ◆

 ところが意外なところでの被害があったのが札幌市で、全道の建物全壊が139件のうち厚真町が44件なのに対して札幌市ではそれを上回る49件が発生。

 一部損壊に至っては、全道で1,773件のうち札幌市が1,470件を占めています。札幌市の住宅造成地の地盤損傷被害は実に広範で甚大です。

 
 被害の説明の後には、道商連、観光振興機構、JAそれぞれの代表から各種の要望が出され、政治的に解決を図ってほしい項目が説明されました。

 たとえば停電による酪農への被害として、搾乳ができなかったことで乳房炎になる牛が多くなっています。それを治療するためには薬剤を投与しなくてはなりませんが、その費用がかかるうえに体内に薬剤が留まっているうちはその乳は売り物になりません。こうした被害が全道でまん延しているのです。

 また、災害復旧には補助や交付金を出すために、復旧を一定の期限内に終えなくてはなりませんが、今回のような林業被害ではその期限内に終わるとは到底思われず、何らかの救済策が求められます。

 こうした現場の声を多く聞き取って、政治・行政として対処する必要があるのです。


 政治家の皆さんも、精力的に被災現場を訪れて、被災された人たちの要望を聞き取って、それを官僚に対して伝えるという仕事をこなしています。

 こうした自然災害が起こった後に、政治家や高級官僚が被災現場を訪ねて被災民にお見舞いを述べたり、要望を直接聞き取ったりするシーンはときどきテレビやマスコミにも報道されることがあります。

 なかにはこうした活動に対して「売名行為だ」とか「忙しいときに周りが気を遣わなくてはならず迷惑だ」といった批判的な意見を聞くことがありますが、私は「やはりそうした発言力と影響力のある人たちには積極的に現場を見てほしい」と思います。

 後々、新しい救済制度(法律など)を作ったり、災害復旧予算を確保したりするときには、やはり実際に見てきた人の発言こそが重いのです。

 多くの災害査定をする人たちは、直接現場を見ていない中で事務や作業をするわけですが、そんななかで実際にその悲惨な現状を見て、自分の中にある種の現場感覚を備えている人がする「私は現場を見ているんだ!被災民の声を聞いているんだ!」という発言は大きな影響力を発揮するに違いありません。

 政治家は給料も高い人たちですが、だからこそ国民として良い意味で、しっかりと利用してより良い未来へとつなげてほしいものです。

 
 今日はある官庁がある復旧のための作業について、政治家から、「先週『やります』と言っていたのにまだやっていないのか!それは怠慢だよ!」と強い調子でたしなめられていました。

 決してさぼっているわけではないでしょうが、まだ素早い対処が求められるステージですからね。

 ネガティブ情報ばかりで、経済が縮んでしまっても困りますが、一方でまだ被災から立ち直っていない人たちも多く、これからも道民が協力して助け合うことが必要です。

 頑張れる人こそ、その道で大いに頑張りましょう。

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もはや伝説のジンギスカン鍋『蒼き狼』

2018-09-17 21:26:47 | Weblog

 

 孫たちと一緒に地元札幌での墓参りや、知床旅行のお土産を両親と義父母に届けるなど、いろいろな用事をこなした一日。

 夕方になって、「外でジンギスカンでもやるか」ということになり、庭のウッドデッキにテーブルとキャンプ用の椅子を出し、熱源も「炭じゃなくてもカセットコンロでいいよな」という簡単ジンギスカン。

 もやしを買いそびれてしまったけれど、まあこういうのもお気楽でいいよね。


 …で、妻とジンギスカンを取り巻く思い出を話しているうちに、妻が「子供のころに、真ん中に穴が開いていて焼く面が平らなジンギスカン鍋があったのよ」と言い出しました。

「おう、なんとなく覚えてるわ」 私も昔どこかで見たことがある気がしました。

「あれは、焼く面が平らで焼きやすくて、周囲の溝も深かったので、野菜を煮るのにも重宝したのよね。うちの家では、昔からそれでジンギスカンをしていたので、後の時代になって、今風の溝がついていて兜のようなジンギスカン鍋が出回っているのを見て、逆に(これがジンギスカン鍋なの?)と驚いた記憶があるのよ」

「ふーん、今ならネットで買えるのかな」

 と、いくらくらいで売っているものかとスマホで調べてみましたが、全くヒットしません。

「えー、もう売っていないのかな…」とあきらめかけたころに妻が、「あった!『煙突 ジンギスカン鍋』で検索したら出てきた」とついにその鍋を見つけました。

 出てきた映像は確かに思い出の中の煙突付きジンギスカン鍋。

 それは旭川で大正年間に創業した鋳物メーカーの臼井鋳鉄工業の製品で「蒼き狼」という名前のついたジンギスカン鍋でした。

 この鍋は、昭和30年代から旭川を中心に、6000個以上も売れた伝説的なジンギスカン鍋だったのだそう。

 しかし臼井鋳鉄工業が販売不振で2016年1月に自己破産してしまったこと。

 そしてそれを受け継ぐ形でウスイクリエイト合同会社が立ち上がって、一度『蒼き狼』を再生産したものの、すでに売り切れた状態であること、などを知りました。

 

 

 しかもこの『蒼き狼』は、鋳物製品だとしても、普通のジンギスカン鍋なら2千円くらいで買えるところを、約8千円という値付けはかなりの自信作。

「これがいいんだ、これじゃなきゃいや」というお客さんが買い求め、しかも再塗装(リストア)サービスもウスイクリエイトが引き継いで再開したようです。

 溝がたくさんある普通のジンギスカン鍋は、使った後の手入れが面倒くさいという思いがありましたが、これならば手入れが楽かもしれません。

 ジンギスカン鍋は昔から今のスタイルだと思い込んでいた思い込みを捨てて、北海道遺産でもある北海道のジンギスカン文化を鍋から再考したいところです。

    ◆

 ちなみに、『蒼き狼』というのは、モンゴル人の祖とされる伝説上の獣で、転じてチンギス・ハンのこと。

 元朝秘史の「上天より命ありて生まれたる蒼き狼(ボルテ・チノ)ありき」という下りに由来するそうで、チンギス・ハーンを扱う小説などにはしばしば登場する言い方なんだそうです。

 まさか妻の「昔、穴の開いたジンギスカン鍋があったよね」の一言から、チンギス・ハーンにまでつながるとは思いませんでした。

 伝説の英雄譚から、今や伝説の鍋になってしまった『蒼き狼』。たかがジンギスカンの鍋にこういう名前を付けた人もセンスがあったんですねえ。

 今日も勉強になりました。

 今度はいつ売り出すんだろうなあ。

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北海道の秋の行楽に支障はありません

2018-09-16 23:34:16 | Weblog

 

 昨夜は北見市内のホテルに泊まりました。

 そして今日は、お彼岸が近いこともあって、朝から北見の霊園にある先祖のお墓にお参りをしてきました。

 お墓の場所を思い出すのに少し時間がかかりましたが、なんとか見つかってよかったです。

 
 その後は、まだ行ったこのなかったチミケップ湖へドライブに。

 周辺の道路は土砂崩れのために未だに通行止めのところが多く、困ったものです。

 チミケップ湖って、小さな湖というイメージがあったのですが、案外大きくて驚きました。

 湖畔のキャンプ場は湖でのレジャーが楽しめそうですが、料金はタダとのことで、これは一度泊まってみたいものです。

     ◆

 その後は峠を越えて陸別方面へ向い、このあたりの大河川である利別川の支流で、フライフィッシングをしてきました。

 ここも小河川ながら倒木の被害が大きくて、いったいこの後どうなることやらと途方にくれてしまいます。

 それでもちょっとした流れでフライを流してみると、もうそろそろ秋が近づいて体が黒くなりかけていますが、小ぶりながら元気のよいニジマスが食いついてくれて、しばしの間遊んでもらいました。

 今回の旅行での走行距離は、三日間で1,020km。

 どこも頑張って節電はしていますが、日常生活に支障はありません。

 観光客のキャンセルによる被害が290億円などと報じられていますが、ネガティブな情報をいたずらに強調しても良いことはありません。

 我々は変わらない日常を伝えるのみです。

 さあ、秋の行楽を楽しみましょう。

 

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羅臼沖でのホエールウォッチング ~ クジラに会えました

2018-09-15 23:48:13 | Weblog

 

 今日の羅臼は朝から快晴。

 風も波もほとんどなくて、絶好のホエールウォッチング日和です。

 船は羅臼の漁港から9時出港の予定ですが、「早く集合して、早く出港したいみたいです。クジラがいるようなので」とお宿からアドバイスをもらって、8時半前に港に到着しました。

 乗船メンバーが全員そろって、9時少し前に出港。まずは沖へ出て、そこから左へ進路を取り、船は知床半島の先端方面へと向かいます。

 船を走らせて15分くらいでまず見えたのが、イシイルカの群れ。10頭ほどのイルカがジャンプと潜水を繰り返し、我々を迎えてくれました。

 
 クジラを見るということは、まずは目視で彼らが浮き上がってくるところを見つけるのがまず一歩です。

 船には船長とベテランの船頭さん、それに若い男の子が一緒に乗ってくれて、まずは船の高いところから周囲を見渡して、クジラの浮き上がる姿をみつけます。

 しかしイルカの後はなかなかクジラが姿を見せてくれませんでした。

 今日はクジラ観光船が我々も含めて4隻が洋上にいて、それぞれが無線で、どこで見えたというような情報を交換しています。

 船のエンジンを止めて静かになると、水中にソナーを投入してマッコウクジラの声が聞こえないかを調べます。

「マッコウクジラの声って指向性が強くて、どこから聞こえたかでどこにいるかがわかるんです」

 しかしこの日は、昨日クジラが見えたポイントでも姿を見せてくれず、じりじりした時間が過ぎていきます。

 船は、かなり知床半島の先の方まで進んだのですが、そこではクジラが見られずに、港へ戻りながらさらにクジラの姿を探します。

「いました!群れでいます」 ようやくツチクジラの群れが遠くに姿を見せました。

「ドローンを出します」若い男の子が、船首の方へ移動して、白いドローンを飛ばしました。

 このドローンにはカメラがついていて、上空から水中浅くいるクジラの姿をとらえてくれます。

「あのドローンの下にクジラがいます」

 クジラが水中にもぐると、船上の我々からは一瞬姿が見えなくなるのですが、ドローンで追尾しているので、その場所を確実にとらえることができます。

「あ、浮き上がりますよ!」目利きが見ると、クジラの次の動きも手に取るようにわかります。

 クジラが頭を持ち上げて、そこから潮を噴き上げるのが見えて、船の上の観客は大歓声です。

 実はこのドローンを操縦していた若い子は、長崎大学の学生さんで、クジラの生態を研究しているのだそう。

 (船の上からドローンでクジラを追いかけてくれるなんて、最近のホエールウォッチングも進んだものだなあ)と思っていたら、このドローンは実はサービスでもなんでもなく、彼の調査に船が協力していただけのこと。

 しかしクジラを探すのには格好の技術でした。


    ◆


 船のスタッフの皆さんは、今日の客になんとかしてマッコウクジラを見せたいようで、他の観光船があきらめて帰港しても、なお粘ってくれました。

 すると「いた!12時の方向」と叫ぶ声。

 ようやくマッコウクジラらしき姿が見えました。

 すかさずドローンを飛ばして、上空から追尾をしながら、船もゆっくりとクジラに近づきます。

 100メートルくらいにまで近づくことができ、大きな背中が上下して潮を吹く姿も見え対応渾身の動画をどうぞ。

【マッコウクジラの姿が見えた】
 https://youtu.be/fqW-d6VrTr4
 

 普通は、頭を持ち上げて息をためると深く潜水する合図で、写真でよく見るような尾びれだけが持ち上がっている姿になるのだそう。

 今日はどうしたことか、尾びれを上げないまま潜っていきましたが、その姿も動画で捉えられました。

 初めてのクジラウォッチでしたが、なんとかクジラの姿を見られて大満足です。

 今を楽しまないと人生は思うよりも短いと思います。

 北海道観光をキャンセルするなんてもったいない!本当にそう思います。

 まだ間に合います。北海道へどうぞお越しください。

 

 

 

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そうだ、知床にクジラを見に行こう

2018-09-14 21:58:57 | Weblog

先月、そば研究会の30周年記念行事を行った際に、羅臼在住の古い知人に久しぶりに会いました。

 知人と言っても、もうだいぶお年を召した地域の顔役といった風の方ですが、久しぶりに会えてうれしかったです。

 その会話の中で、「羅臼にも遊びにおいでよ」と言われたときに、「羅臼って何がありましたっけ」と訊くと、「最近はクジラも見られるよ」と言われ、急遽、羅臼へのホエールウォッチングを思い立ちました。

 9月の連休に行ってみようと思ったものの、さすがに人気があるようで、日曜日の船はどこも予約で一杯です。

 仕方なく、今日休みをもらって羅臼へやってきて、明日の土曜日の船でホエールウォッチングに向かう予約をしたのですが、そこへ先週の地震です。

 一瞬、キャンセルをしようかとも思いましたが、北海道全体への観光客のキャンセルが相次いでいる中、道民まで旅行をキャンセルしては地域経済は成り立ちません。

 思い切って予定通り、旅行を刊行することにしました。

    ◆

 札幌~旭川~遠軽~網走~斜里・ウトロ経由で知床峠を超えて羅臼までなんとかたどり着きましたが、一日の走行距離は430㎞。

 さすがに広い北海道を横断するのは遠かったです。

 知床方面への旅行は約10年ぶりのことで、途中に立ち寄ったかつての観光地も随分と様変わりをしていました。

 シーニックバイウェイが立ち上がったころ訪れたことがある、斜里町の「天に続く道」という一本道は、一番長めの良いところに駐車場が整備され、立派な観光立ち寄りポイントとして人気が出ていました。

 

 はるばるやってきた今日の羅臼の宿には、クジラのモニュメントが飾られていて期待も高まります。

 明日の天気は良さそうで船は何とか出そうですが、さてお目当てのクジラを見ることはできるでしょうか。

 

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執着がなければ、どんな不便でもあまり困らない

2018-09-13 22:45:02 | Weblog

 地震による道内大停電で、困ったことの一番はスマホや携帯などの情報機器の充電問題ではなかったでしょうか。

 先日、東京からのお客さんを急遽三人我が家にお泊めした時も、一番喜ばれたのはモバイルバッテリーの提供でした。

 現代人は情報がなくて、他者との繋がりが確認できないと異常に不安になる癖がついてしまっているようです。

 それに比べると、お年寄りの方がそうした情報にも繋がりにもなんらの執着がありません。

 義理の両親は、停電した際にとりあえずガラケーで妻や義兄などと連絡を取りましたが、そのうちに電池が切れて通信ができなくなりました。

「あれ?義父さんは車があるから車から充電できたんじゃないの?」
「それが電動シャッターで入れなかったんだよ」

「家の中に車庫に通じる裏口があるじゃない」
「そこには息子(義兄)のタイヤとか荷物が置かれて通れなくなっているんよ。まあやることないから寝ていたけどね」

 荷物をどかしてまで充電するほどでもない、というのが年寄りの持つ携帯です。


    ◆


 一方、私の両親は、やはり停電時に私や弟のところに無事確認の電話をよこしましたが、その後は特に連絡もやり取りもしませんでした。

 さすがに二日後に、よく親のところへマージャンをしに行く弟に「義父さん母さんの所へ行っているかい?」と聞いたところ、「停電の初日に、会社へ行けないし息子も学校が臨時休校で手を余していたから、様子を見がてらマージャンでもしようと、電話をしたよ」との返事。

「おう、どうしてた?」
「それが、『マージャンをしに行くよ』と言ったら、『あれー、だめだよ、今日は木曜日だからもう老人会のマージャンの真っ最中だから、今日は来てもダメだよ』と言われたよ(笑)」

 その後で見舞いに行っても、両親は「どうせすることはないし、暗くなれば寝るだけだしね」とあっけらかんとした風でした。

 情報は古めかしい愛用の電池ラジオで聞けたし、それ以上のネット情報が必要なわけでもない。

 食べ物も、冷蔵庫にある分と多少ストックしてある分で、年寄り二人なら十分。

 執着がない、というのは素晴らしいなあ。

 少し見習って、余計な過去の財産を整理したほうが良さそうです。

 これも停電になってみて気がついた、小さな出来事でした。

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「お握り50個、持っていきなさい」

2018-09-12 23:44:39 | Weblog

 

 この度の地震災害を受けて、わが舗装関係の建設会社にどのような要請があり、どんな対応をしたかを緊急に調べてみました。

 まだ全員からの回答が出そろっていませんが、被災地周辺の会社には様々な要請が国、道、市町村と各機関から出されているようです。

 まともなところでは、道路の倒木の除去や土砂の撤去、地震で発生した橋と陸の接合部での段差の解消などが、道路に関連したお仕事。

 それ以外にも、停電での援助要請など、必ずしも建設の力だけではなく、とにかく地域に根を張っている地域企業ゆえに「助けてほしい」とすがってくる姿が見て取れます。

 中には、緊急の道路補修工事の要請を受けて、とにかく行かなくてはならないのに、現地で食べるものもないのが分かっている、ということで、会社の社長の奥様とそのお母さまが炊き出しをしてお握り50個を作って復旧に赴く社員たちに持たせた、というような涙ぐましいエピソードも耳にしました。

 そこに存在し続けているからこそ、いざというときに頼りになる存在でいられる。

 しかもただうすぼんやりといるだけではなく、機械を所有し、それを動かせる人がいて、どのような作業をするかを計画する者がいて、各種の材料を円滑に調達して、施設の管理者の意向を踏まえて全体を統括して指図できる能力が必要ということ。

 それらを養えるのも、地域に工事や仕事があるからであって、地域に仕事がなくなることの怖さを、こういうときに思い知ることになるのです。

 被災した箇所が、『いつの間にか自然に治る』ということはありません。

 そこには必ず、名もなき人たちが懸命に働いているということを想像して欲しい。

 日常の当たり前が、どれくらい多くの人たちの働きに支えられているかを感謝したほうが良い。

 そういうことを知らないでいることを平気に思わないほうが良いと思います。

 どうか喉元を過ぎて、熱さを忘れることのありませんように。

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もう一歩の節電を ~ これが当たり前になれば

2018-09-11 22:32:30 | Weblog

 

 昨日の節電率が15%ほどで、目標の20%に遠く及ばないと知って、我々のオフィスでは昨日にいや増して節電を進めました。

 さすがに全ての照明を切るわけにはいきませんが、LED化されている灯具はそのままに、蛍光灯として残っている灯具は蛍光灯を一時的に抜いてしまいました。

 私の執務室は、灯具をすべて消して、手元を照らすスタンドライトだけにしてしまいました。

 同じオフィスの一角では天井照明を消しても、スタンドライトすら使わずにいて、まるで洞窟の中のよう。

 とりあえずそこまで、ほぼやれることをやりつくして、道内の節電率の推移を見守りました。

 すると今日の北海道の節電率は、午前中に25%程度まで進み、さすがに道民も底力を発揮したか、とうれしくなりました。

 ところが、最も電力を使う15時時点での節電率はなんと19.9%に低下してしまったのだそう。

 目標の20%にたった0.1%届かないとは残念極りありません。

 苫東厚真火力発電所は、修復に思いのほか日数を要しそうだ、ということもわかりました。

 この程度の照明の暗さが当たり前になって、発電所が復旧したころには電気を使わない社会でもやれるくらいの、生活の見直しができると良いのですが。

 明日も頑張りましょう。


    ◆


 そろそろ世間も落ち着きを取り戻し、わがオフィスへ色々な方が様子を見に来てくれました。

 そんななか話題になったのは、先週の発災直後に、東京からきて帰れなくなった3人のお客さんを我が家に泊めたという話。

 ある方は、「よく泊める気になったね。また良く奥さんが受け入れたな、と思いますよ」と笑います。

「そうですか?ほかに手立てが思いつきませんでした。そちらでは奥さんは受け入れませんか?」
「あ!絶対無理(笑)。家に連れていったら、僕と一緒に鍵を掛けられちゃうよ(笑)」

 私の妻も、おそらく結婚したての頃だったら、こういう珍客を家に泊めるなんて及びもつかなかったでしょうが、いろいろな友達と付き合いの幅と深さが広がってきた中で、許容範囲が広がってきたように思います。

 要は大変なことでも、経験が積み重なった結果できるようになるということではないでしょうか。 

 今回のような被災経験も、次に生かせる良い経験に変えていきたいですね。

 被災地の皆様には、重ねてお見舞い申し上げます。

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