尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

草加松原散歩

2017年03月05日 21時23分14秒 | 東京関東散歩
 獨協大学の講演会に行く前に、草加松原を散歩した。家から近いので一度は行きたいと思っていたけど、実は初めてである。そもそも僕の若いころは、あまり知られていなかった。すぐそばを自動車がひんぱんに通っているのに驚いた。一時は松も50本程度に減ってしまったが、その後「松並木を守る会」が作られ保護活動が行われ、今は520本ほどに回復してきたという。

 2014年3月に、「おくのほそ道の風景地」として、国の名勝に指定された。指定が複数の県にまたがる特別な名勝で、他に那須の殺生石や遊行柳、平泉の高館、象潟や親しらずなど25か所が指定されている。芭蕉を知らない人はいない。「おくのほそ道」出立地の千住は、今では当時の面影を残す景勝は残されていない。だから「草加松原」はとても貴重だ。駅からも案外近く、これほど立派なものが東京のすぐ隣に残されていたのか。多くの人にぜひ一度訪れて欲しいところ。
   
 まず松並木が一番続いているあたりの写真を。ここへ行くには、東武線の草加駅から10分程度、松原団地駅(4月から獨協大学前駅)から5分程度。芭蕉像などがある札場河岸(ふだばかし)公園から矢立橋百代橋にかけて歩くのがいいかなと思う。草加(そうか)市は、東京都足立区の北にあり、関東では「草加せんべい」で有名なところ。町を歩いていると、せんべい屋がいっぱい並んでいる。それは後回しにして、東口から歩き出す。歴史民俗資料館(旧草加小西校舎)や東福寺などを経て、旧日光街道を歩いていくと河合曽良の像がある。その前の「おせん公園」には「草加せんべい発祥の地」の碑。
   (曽良像、せんべい碑、その説明版)
 その前の大きな道を渡ると綾瀬川沿いの札場河岸公園。まず、望楼松尾芭蕉像がある。
 
 そこからすぐに「矢立橋」で、そのあとで川に沿った松並木を見ながら歩く。草加は日光街道で千住に次ぐ二番目の宿場町。だから確かに芭蕉は通ったはずだけど、この風景は「おくのほそ道」にはない。千住を立って、何とか草加宿にたどり着いたのだった。「もし生(いき)て帰らばと、定(さだめ)なき頼(たの)みの末(すえ)をかけ、その日ようよう早加(そうか)といふ宿(しゅく)にたどり着(つ)きにけり。」歩いていると、名勝指定の碑が出てくる。芭蕉の旅路の地図もある。
   
 やがて百代(ひゃくたい)橋になるが、ここで時間の関係で駅の方に向かい、その先は講演会終了後にまた戻って続けた。その先に芭蕉の碑がある。また水原秋櫻子の碑も。この辺は周囲が大マンションになっていて、もう並木も終わりが近い。
   (左が芭蕉碑、右が秋櫻子碑)
 先まで行きついて、戻ることにする。案外短いんだけど、ランニングしている人がとても多かった。周辺には伝統産業文化館とか、古い建物などがあるようだったが、時間の関係で寄ることができなかった。帰りに旧日光街道沿いにある明治34年創業という「草加せんべい志免屋」本店で少し買い物をして帰った。海苔のせんべいがうまい。お茶を出してくれたのが渇を癒せてうれしかった。
コメント
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