星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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雪見猫は英国にいるかしら・・?

2002-02-13 | 文学にまつわるあれこれ(漱石と猫の篭)
 3日ほど所用で故郷へ行っていましたが、2日目、夜明けにたっぷりと雪が降りました。たっぷりと言っても元々雪は少ない土地なので十数センチの積雪でしたが・・。昼には晴れて空は真っ青、雪上をわたる風はかきーんと凍っていました。

 翌朝、母が「猫は炬燵で丸くなっているものなのにねえ、あの猫は雪の中でもちゃんと来てはあそこに座ってるよ」と窓を眺めています。日当たりの良い東の塀の上が定位置で、いつもその猫はそこから広がる荒野(平たく言えば空地)と、その先の森(神社の)を眺めつつ、哲学しているらしいのです。

 漱石が英国へ留学した百年前、ロンドンに雪が降ったとき、知り合いの英国人に「雪見をしましょう」と持ちかけたところ「雪を見て何をするんだ?」と全く理解されず「彼らは風雅に欠ける!」と腹を立てたとか(笑)。確かに「雪見」というのは、障子が上下に動かせて庭を眺められるようになっている日本風建築とか、露天風呂でお盆を浮かべて雪見酒だとか、日本文化があってこそ楽しめるものかもしれないですね。

でも雪景色のロンドンの公園を散歩するなんて、それはそれは素敵なことのように思えますが。。。