星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

生きることは愛することと… (ちょっと追記)

2024-05-29 | LIVEにまつわるあれこれ
CDを聴いています。 THE YELLOW MONKEY の5年ぶりの10TH ALBUM『Sparkle X』

ひと月前の4月27日は東京ドームで彼らのライブ「SUPER BIG EGG 2024 "SHINE ON"」を見ていました。 それからのこの1カ月、何をしていたんだろうというくらい時間が矢のように過ぎて、 ライブの事もまだ何も書けず…

今日も何も書けずに夕食の支度する時間になりそうなので、、 少しだけ関係のないことを・・・

このブログの一番最初のほうにジョー山中さんのライブに行った事が書いてあります。 いま見たら、 23年前の4月27日でした。 その年の1月、 イエローモンキーは東京ドーム公演のあといつまで続くかわからない休止状態に入って、、 私は ぽっかりと心に穴が開いた状態から這い上がろうとしていた頃だったんだと思います。

今朝、、 モンキーの『Sparkle X』2周目あたりを聴いていた時、 ふとジョーさんの「ララバイ・オブ・ユー」が聴きたくなって、 動画で探して聴きました。
、、モンキーの映画『パンドラ PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE』が公開されたのはたしか2013年でしたね。 その映画に行った猿友が、 映画のなかでジョーさんのその曲が流れたとメールをくれて、 私にもぜひパンドラを見て欲しい、と言ってくれた。 だけど、2013年、そのときの私はパンドラを見る気持ちにはなれなかった。

今朝『Sparkle X』を聴いていたディスクを止めて、 ジョーさんの「ララバイ・オブ・ユー」を聴いて、、 でも昔のレコード録音のものを聴いたから これじゃなくてもっと後のライヴのを聴きたいと思って、 2004年の映像を見ました。 その動画のライブは私は見てないけど、 2008年のFTB復活まで何度かジョーさんのライブでこの曲は聴いていたから。。 ジョーさんの生の歌声はいまでもはっきりと思い出せる。

今なら、、 『パンドラ』のなかで「ララバイ~」が流れた意味もわかるし、、 なぜ自分が 『Sparkle X』を聴きながら、ジョーさんの「ララバイ・オブ・ユー」を聴きたくなったのか、その理由も自分でわかる。。 今朝見た2004年のジョーさんはいまの吉井さんとほぼ同じ年、58歳くらいだと思う。。

 ***

勝手な人間なので勝手なことを書いてしまいますが、、 モンキーの東京ドーム公演 SUPER BIG EGG 2024 "SHINE ON"が決まった時、 (なんてことをさせるの…)と怒りすら感じてました。吉井さんの喉の手術や治療のあと、 その最初がドームでいきなり20曲も歌わせるなんて… って。。 そのころのこと、、 それ以前のことも、、 ここに書き表せない位、ものすごく心配していたから・・・

けれども、、 吉井さんが帰ってくるのは、 やっぱりメンバーの所なのが一番だし、、 だけどそれがゆえに絶対LOVINは無茶をするに決まっているし、、

だからもう… (このコロナ禍の数年を境にして) 自分はこのままイエローモンキーを忘れたままにしてしまおうか、、 自分の身体にしてももうロックコンサートに行けるような体でもないし、、 と、 迷いに迷って、悩みに悩んで、、ぎりぎりまで何も決められずに… 、、でも 結局BIG EGGに行けました。 
バルコニー席があったから、というのと 付き添いの保護者が行ってくれたから。
それに、 もし自分がお別れを言うなら、、 帰って来たLOVINをこの目で見てからでしょ… そう思ったから。。


、、こんな風に  いろんな想いが交錯して

きょうも書く時間がなくなって・・・

 ***

『Sparkle X』、 音の情報量が凄すぎて、 3度聴いてもまだ耳が奪われて 肝心の歌詞のほうになかなか頭がまわりません…

、、聴きながら 25回くらい噴き出して、 15回くらい泣きました。。

三国さんのアルバム…?(笑) ってくらい 三国さんでしか成り立たない曲も。。 エマさんのギターの音色の変幻にも・・・ (THIN LIZZY? サンタナ? ロビロバ?… とか)

探索はまだまだつづきます。。 



23年前のあの日とおなじ言葉を・・・


すばらしいLIVE(生きるってことだよね!)をありがとう。



すばらしいアルバムをありがとう。



おかえり LOVIN





 ** ちょっと追記 5/30 **

・・・ おかえり、 と書いておきながら LOVINの歌声の感想をなんにも書いてなかったことに気づきました。

THE SILENT VISION TOUR から約2年、 歌うことのできない治療の日々を乗り越えられて、、 レコーディングの期間を考えたら よくこれだけの時間でここまでのアルバムを創り上げたなという驚きが一番の気持ち・・・ 

最初に出された「ホテルニュートリノ」を配信で聴いた時には正直、 胸がいたくなりましたが、、 

アルバムで聴くと その直後の4曲目とか LOVINらしい甘い艶のある声が出ていて安心する、、 (「SHINE ON」が出た時に安堵はしていたけれど…)
MVが公開されたばかりの「罠」がもっとも最近の歌声なのかな、、 すごくクリアな力強い声で

アレックス・ターナーみたいな、喉元を鳴らすようにして歌う10曲目 エマさんの曲、 この歌い方もすごく好きです、、 とても前向きな気持になれる… (あ…昨日書いた部分もふくめて、 アーティストの名前を挙げた所は全部良い意味で使ってるんです、 悪い意味じゃぜんぜんなくて…)

エマさんで思い出しました・・・
東京ドームで、 LOVINの声がちょっときびしくなったとき、、 (それまでもずっとエマさんはロビンの様子を見守りながら弾いていたんだけど、 ロビンの声がつらそうだった時、 エマさんは定位置で物凄く厳しい表情してギターをかかげて懸命に弾いてた。 あんな表情を見たのは(スクリーン越しだけど) 1・8のドームの時以来だった。。 今回のドームでも 花道でファンに向けて弾いてくれる時はずっと優しい笑顔だったけどね…

なんだかわけもなくあの時、 このメンバーがいるから大丈夫… ドーム来た甲斐があった… って独り勝手に思っていました。

、、 今回のアルバム、、 なんだかとてもラテン(とか南国)の匂いを感じるのは、 困難な時こそ強い光を、 優しさよりも灼熱の生命力を、、 そんな気持ちからなのかな…  それができてしまう猿兄さんたちはエライ。。

音の情報量が凄い、、ときのう書きましたけど、 その濃密(かつ緻密)なプレイでロビンの歌声を取り巻いて支え上げているような、、 個々というより かたまりの生命力にあふれたアルバムだと思う、、


長いツアーも発表されて、、 きっとまた進化していくのでしょうね…



(ホテルニュートリノから罠へビジュアルが急加速で変わるのもなんか光速の旅してるみたいで… らしい笑)

50年前の煌めき…☆

2024-05-27 | MUSICにまつわるあれこれ
週のはじまりは いつも朝5時くらいから動き出しているので、 家事を一段落してほっと珈琲ブレイクをしていた午前9時ごろ、、

たまたま映像をみていたら アメリカの音楽番組 The Midnight Special のチャンネルにハマってしまって いっぱい見続けてしまいました・・・

今から50年前(!) 私が洋楽を聴き始めたのもその頃。。 小学生… 年に3回も入院してほとんど学校へ行ってなくて、 それでラジオばかり聴いていた頃。。 もともとお歌が大好きで、 百恵ちゃんでもかぐや姫でもなんでも聴いていましたけど、 洋楽にのめり込み始めたのが73年頃からかな。。 (モンキーズショーは記憶にないころに観てましたが)

だから The Midnight Special の youtubeに 73~74年の映像がいっぱい載っているのを知って、 動いているの初めて見た~ というのもあって 愉しい楽しい♪ なかでも嬉しかったのは・・・

Take Your Pleasure Where You Can Find It - Paul Butterfield Better Days | The Midnight Special
 1974年。 ポール・バターフィールドさんはザ・バンドのラスト・ワルツで知った方ですが(だから後追いですが) キーボード弾いているところ初めて見ました。 ブルースハープばかりかと思ってた。 なんてかっこいいR&B。 命をたいせつにしていたらずっと素晴らしいブルースマンでいらしたでしょうに…

Watcher of The Skies - Genesis | The Midnight Special
 わーわーわー、、感動。。 私にとってジェネシスは断じてピーター・ガブリエル期までです。 こんなような黒揚羽みたいなお姿、、 むか~しちっちゃな写真で見たような気もするけど。 素敵! 素敵だわ。 アートだわ。。 いつでもつまらなそうに弾くハケットさんもね(よね?)… 74年

Do It Again - Steely Dan | The Midnight Special
 1973年。 スティーリー・ダンは最初からスティーリー・ダンの音になっているのが凄い。。 エイジャ(彩)もガウチョもさんざん聴いたし、 ナイトフライ以降のフェイゲンさんも好きですけど、 髪ふわふわのフェイゲンさんの動画はじめて見ました。。

Here In Heaven - Sparks | The Midnight Special
 50年前でこのサウンド! スパークスさんは今でも50年前でも変わらず通用する音楽をおつくりになってるのが国宝級。 お兄さま78歳ですって、、 ご兄弟いつまでもお元気で…

Jumpin' Jack Flash - Johnny Winter | The Midnight Special
 唯一無二の白いブルースマン。 ばりばりのファイヤーバードの音色が一番似合うのも貴方です。 この音がサムピックの指弾きで出ているのも驚き。。 そしてキラキラの腕輪! 欠かせません。

You Were My Friend - Chi Coltrane | The Midnight Special
 73年。 シャイ・コルトレーンさん。 お名前も姿もぜんぜんおぼえていないんですけど、 この歌に聞き覚えがあって。。 シングルになったそうなのでどこかで聴いたのでしょう。 歌っている表情も素敵。 良い歌♪

Hymn for the Dudes - Mott the Hoople | The Midnight Special
 73年。 イアン・ハンターさんは当時なんとなく私にはルー・リードさんと似たものを感じてました、詩人ロッカーな感じで(73年ごろのルーも金髪になったりラメラメのタンクトップ着たりしてましたよね…) このバンドの見た目スウィートなのとハンターさんの歌声のギャップ。。 でもキーボード(三国義貴さんみたい…)といいピアノといいとってもツボです。 ハンターさんの新作も
トニー・シャナハンやフィル・コリンやトム・ピーターソンとかも参加しているらしいからまた聴かなくちゃ。

 ***

ハンターさんで思い出した事・・・

しばらく前に読んだミステリー小説に ジギースターダストツアー中のデヴィッド・ボウイさんが出てきました。 ボウイの歌やボウイの名が出てくる小説はいままでもけっこうありましたけど、 ボウイ実物が物語のなかに出てくるのは初めてだったかも。。



『血塗られた一月』アラン・パークス著 ハヤカワミステリ文庫 2023年

物語の舞台は1973年1月のスコットランド、グラスゴー。 1月のスコットランドが寒くて暗いのはもちろんだけれど、 50年前のグラスゴーはまだまだ貧しい地域やダークサイドの界隈という暗い側面もあって、 著者自身がグラスゴー生まれなのでそういう街の雰囲気がリアルに描かれてます。
このシリーズは、 73年の1月、 次作が『闇夜に惑う二月』と、、 ひと月ずつ5月まで(だったかな?)書かれていくようで、 当時の時代背景のなかに音楽がたくさん登場します。 ・・・で、 デヴィッド・ボウイがジギースターダストツアーでグラスゴー公演をしたのが1月5日らしくて(物語では都合上数日変えてある)、 主人公の刑事マッコイがその楽屋を訪れる場面が出てきます。 ちょうど映画のなかでボウイがメイクをしている楽屋で アンジーがうろちょろしているあの場面のような、、。 ボウイさんは直接物語には関係しないんですけどね… 当時のショービジネスの裏側っぽい話も、、


閑話休題。

73年のグラスゴーは暗かったかもしれませんが、、 50年前のTVのなかのスター達はこんなにきらきら輝いていて、 こんなに音楽も多彩で かっこよくて、、

小学生のお嬢ちゃんも病気なんか忘れて夢中になっていったのが頷けます。 50年後のお婆ちゃんも夢中で見てしまいました。。




今週も 素敵な一週間にしましょうね…



お元気で

星たちがささえてくれる… きっと

2024-05-21 | …まつわる日もいろいろ
 北のオーロラは美しい夢のように、かすかに光っている。風はやんだ。空はめまいを誘うように高く澄みわたり、激しい寒さが戻っている。 …(略)… 不安定で災いに満ちた危うい道を歩んでいるのは承知のうえた。わたしに決められることはなにもない。空は頭上でぽっかりと開いた深い淵のようだ。わたしがその淵に墜ちるのを止められるのは、乱雑にちりばめられた星たちだけだった。


ゆうべ読み終えた本のなかからの引用。 なんて美しい描写。 そして力強い言葉。
とりわけ、 (不安定で~危うい道を)からの部分に自分の想いを重ねあわせました。 、、(災いに満ちた)というほどの重い実感は、いまの自分には無いけれども、、 

天空が墜ちてくるよう… というのではなく、 自分が空に墜ちていく… 受け止めてくれるのは散りばめられた星たち。。 その逆転のイメージが新鮮で 力強い。

これから先のこと、、 運命的な、 というより 宿命がさし示す道のゆくへは…  (わたしに決められることはなにもない) 


でも、 美しいオーロラの待つ空が さきに見えているなら、、 きっとそこを目指す よね。


そしてもし、 足元を踏みはずして天に墜ちたら、、


星たちにこの身を預けよう…


 ***

この引用の本のことは また書ける時間ができたら書きたいとおもいます。 素敵な物語でした。 先日の太陽フレアがもたらしてくれた世界各地のオーロラの写真、、 綺麗でしたね。 宇宙とわたしたちはこんなふうに繋がっているのに 都市に暮らしているとつい地上の物事ばかりに気を取られて、 宇宙を実感できなくなってしまうのが残念。。 そんな時に上記の記述に出会って、 とても嬉しかったのです。


またしばらく読書の日々を過ごします。 アメリア・イヤーハートの手記も読まないと。。



良い日々をお過ごしください…

ベートーベンも笑ってる…?

2024-05-16 | MUSICにまつわるあれこれ
愉しい音楽の日々を過ごして、 心にはいっぱいエネルギーをもらった気がしていますが、
どうやら身体は疲労を溜め込んでいたようで、、 毎日 日替わりでどこかが痛いです。。 

太陽フレアの電磁波のせいだったかもしれませんが… 笑  読書もしづらかったのでゆっくり音楽を聴こうと、、 まだ観ていないコンサート映像を探していたら

ベートーヴェンの第九初演から この5月で200年なんですね。 それを記念して、 ライプツィヒ、 パリ、 ミラノ、 ウィーンの4都市で 各1楽章ずつを別々の指揮者さんが演奏してつないでいく、という映像が ARTE CONCERT に載っていて、 これは面白いわ!と 昨日から見ていました。
 https://www.arte.tv/en/videos/119591-001-A/beethoven-symphony-no-9/

第一楽章がアンドリス・ネルソンス、 第二楽章クラウス・マケラ、 第三楽章リッカルド・シャイー、 第四楽章ペトル・ポペルカ (各敬称略)、、 これ、どういう風に演奏しているのかしら… それぞれ速さも違うでしょうから一斉に始めてもズレていってしまうでしょ…? などと心配していたら、、 間に司会者さんのコメントが入るのね、あら、詰まらない…笑 間髪入れずに次の指揮者さんに移ったら 印象の違いがわかって面白いでしょうに。。

でも それぞれの個性があまりにも歴然としてて とっても面白かったです。
悠然と構えたネルソンスの直後に マケラのこの第二楽章を聴くと、 なんか笑いしか出てこない…(ごめんなさい…) 

第二楽章だけでお腹いっぱいになった後、 シャイーの静謐ともいえるような第三楽章で、、 じつに丁寧な指揮ぶりが音にもあらわれていて、、 このまま第四楽章に行って欲しいわぁ… という想いをのこして次のポペルカへ、、

元気いっぱいの躍動するポペルカ、、 これはこれで素晴らしい… と言うか
ウィーン交響楽団の弦の響きが特別すぎる… フルートの音色も… なんだろう、、 録音の差とかもあるのかもしれないけど、、 そして Ode to Joy… うっわぁ~ぁぁぁ。。。
。。 やっぱりウィーンは特別なのかも…。。 合唱隊の人数も多いですけど いろんな年代 いろんな人種のかたの歌声が調和して とっても深いです… 涙出そう…

そしてつい 5カ月半前のことを思い出して、、 やっぱり胸がズキンとしてしまう。。 大自然の為すことは神の御業… どこにもかなしみのやり場は無いけれども、、 あと半年経って もっと もっと多くの人が よろこびをもってOde to Joyを聴ける世界であって欲しいな…

 ***

このまま第四楽章も… と思ったリッカルド・シャイーさんの全部の演奏、、 探したらあったのでさっき聴きました。 静謐な第三楽章とは変わって、 第四楽章は思いのほか音が明るい、、 やっぱり歓喜の歌、だもの

そして、、 歌唱のかたのお声が、、 明るい!! イタリアだぁ。。 お名前で調べるとイタリアのかたじゃないのに、 めちゃイタリア歌劇ぽい。 不思議! シャイーさんがイタリアのかただから?? あれれ? テノールさん、 ベンヤミン・ブルンスさんではありませんか! 先日の東響さんの大地の歌の! 5月7日に歓喜の歌をミラノで歌われて、 その四日後にミューザで歌われたの⁈ 、、この明るい歌声はたしかにブルンスさんです…

 ***

ウイーンの壮麗な大合唱と、 ミラノ歌劇場の合唱と、、 お国柄の鮮明な歌声のちがいがとっても不思議と言うか興味深くて、、 なんだかいいなぁ、、って。 歓喜の歌は こうしてそれぞれの国らしい歌い方でいいんじゃないかな、、と。 発音とか別に正確じゃなくたって、、 

なんだか日本的な ものすごく「和」を感じるような Ode to Joy 聴いてみたくなってしまいました。。 例えば 西洋音楽を学んだ人じゃなくて、 能の謡のかたがたとか 狂言のかたとか、、 野村萬斎さんなどすごく良いお声だから歌えないかしら… なんか ちゃんとベートーヴェンの楽譜の音でありながら 絶対的に日本の「和」の音になっている歓喜の歌、って一度きいてみたい。。 


などと あれこれ見たりしているうちに 午後の時間はあっという間に過ぎて、、


大好きなドゥダメルの「火の鳥」の映像は、 昨日からのながら見だけでちゃんと観れずに持ち越し。。 2020年のザルツブルク音楽祭、って ドゥダメルが日本に来られなかった東京五輪の年だったのね、、 最後にコンマスと肘タッチしているのを見て あぁ… そんな年だったんだ。。 もう「肘タッチ」なんて誰も忘れてしまっています、、 コンサートが命がけだった時のこと。。
https://www.arte.tv/en/videos/098810-000-A/gustavo-dudamel-and-evgeny-kissin/


人数制限、 ディスタンス、、  そうだったよね。。



またふたたび 世界中で音楽祭が開催できる環境になって、 ほんとに良かった。



ベートーヴェンさんも きっと喜んでる… 





明日も


音楽を… 


陶酔と 感涙と 感謝…:マーラー「大地の歌」東京交響楽団

2024-05-13 | LIVEにまつわるあれこれ
GWから続いたコンサート週間のラストは 東京交響楽団&ノットさん。 
振り返れば、 東響さんの公演は昨秋の ニキティンさん「英雄の生涯」以来⁈ ノットさんはじつにサマーミューザ以来です。 ニコ響はずっと楽しませていただいていたので そんな空白があった感じはしませんでしたが、 かる~く東響さん渇望が募っていました。

書き忘れていましたけど、 4月のニコ響での サカリ・オラモさん指揮の公演が素晴らしくて、 フィンランドの湿原の鳥の声をテープで流しながら演奏するという「カントゥス・アルクティクス(鳥とオーケストラのための協奏曲)」も、 鳥のさえずりのように声を震わせて歌う「サーリコスキの詩による歌曲集 」も、 初めて聴く曲でしたが歌も演奏もとても楽しめました。 もちろんドヴォルザーク8番も。 、、それで 今年初(!)の東響さんを聴きに行けるのを楽しみにしていました。


川崎定期演奏会 第96回 5月11日(土)

武満徹:鳥は星形の庭に降りる
ベルク:演奏会用アリア「ぶどう酒」
  ソプラノ:髙橋絵理

マーラー:大地の歌
  テノール:ベンヤミン・ブルンス
  メゾソプラノ:ドロティア・ラング

東京交響楽団 指揮:ジョナサン・ノット





結論はタイトルの通りです、、 陶酔し 感涙し 感謝でいっぱいになったコンサートでした。 特に「大地の歌」はもう こんな素晴らしいものを聴かせていただいたという感動に唯々 浸っていました。 歌唱も、 そこに寄り添う繊細きわまりないオケの各パートさんも、 ノットさんの魔法のように翻る指揮も。。

ほんとノット監督の指揮はいつも美しいですが、 このマーラーでの指揮は 指先のすべての指示に意味があって そのすべての指示が(こんな素人の私にも)その意味が伝わって何一つ無駄なくオケさんか応える。 ほんと魔法をつくり出す左手でした。

「大地の歌」は今まで聴いたことが無くて、 しばらく前から3種類くらいの演奏を視聴していたのですが、 (耳が悪いせいか)歌唱を聞くと演奏が頭に入ってこないし、 演奏に集中すると歌唱とどう溶け合っているのかピンと来なくて、 これは困った… と出掛ける寸前まで悩んでいました。 けれどもそんな心配はあっさり消え、、 演奏が始まったら もう驚き、、 (歌と溶け合ってる!!)

中国の漢詩がもとになっている歌詞も事前に読みながら動画を見ていて、 なんだか 大きな樽酒を飲み干してもまだ足りないという感じの迫力のテノールではない方が良いなぁ… 仙境で酌み交わす盃のような趣が感じられたらいいなぁ… と、 1曲目の武満を聴いている時から思っていましたが、 ブルンス さんの澄んだお声で良かった!

一方 ラングさんのメゾソプラノは 憂いも湿度もあるお声で、 第二楽章の憂愁はしっとりと、 牧歌的な第4楽章では瑞々しく、、 ブルンス さんの明るいお声は第三楽章の東洋的な自然が生き生きと見えるようで、、 歌唱とオケの色彩(色彩ってヘンかしら…?)が美しく溶け合うときが何度もあって なんて美しいのだろう…と。。 これまでいくら聴いても分からなかったのに なんでこんなにくっきりと情景がみえるのだろう… と感動しまくりでした。

そして東響さんの各パートさん、、 オーボエさん クラリネットさん そしてフルートさん。 こんなに心の行き渡った精度の高い演奏を あのホールのその瞬間限りの緊張感のなかで奏でられるなんて、 なんてなんて楽団員さんは凄いのかしら…と。 歌唱の方はうしろを振り向くわけにはいかないので正面を見ていらっしゃるけど、 まるで向かい合って眼差しを交わし合っているような、 フルートさんの寄り添いの演奏も見事としか言いようが無く… その瞬間にはノットさんも指揮棒を下ろして演奏をまかせていらっしゃいましたね…

別離を歌う最終楽章のあいだ、、 すばらしい歌とオケの融合を聴きながら、 やっとこの歌の意味が自分なりにみえてくる気がしました。 公演のポスターにある「人生此処にあり。」、、 歌曲のなかで繰り返されるのは 生の苦しみ はかなさ それゆえに酒を呑むということ。 最後まで酒がでてくるので (ずっと呑んでばかりやん…)と思っていたのですけど、、

生の憂愁と 人間のはかなさ、 酒はひとときの夢、 やがて自分はここを去っていくが自然は永遠にあるだろう… そのような歌曲の解釈と、 ノットさんの写ったポスターの「人生此処にあり。」の言葉が じぶんの中でうまく嚙み合っていなかったのですけど、 この日の演奏を聴いていてなんとなくわかったんです。 人生の意義みたいなもの、、 
この歌曲の「酒」を呑むというのは呑むのが重要なのではなくて、 美しいものに「酔う」 という事が真意なのかも…と。 忘却や逃避の「酩酊」でなく、 「陶酔、夢見心地、感動、歓び」  それこそが生きているという恩寵、 人生の意義でしょう…? そしてその歓びの気持ちを誰かに伝えられること、 その気持ちをわかる誰かと共有できること。。

前回のマーラー6番で ノットさんは人生に降り下ろされる悲劇のハンマーを表現されました、、 5回も(!) あのときも書きましたが 確かに人生には予期せぬ悲劇が降りかかります、何度も。 でもそのたびに立ち上がるんです。 そうしてこんなにも美しい音楽を人と人とが融け合って創り出す力が、 ひとにはあるんです。 それこそが「人生此処にあり。」 、、ちがいますか? ノットさん… と、 最終楽章を聴きながらずっとそんなことを考えていました。

泣くと妙な音をたててしまいそうで 必死に泣くのをこらえてましたが、 「泣いてもいいよ」と言われたらどーーっと泣きたい気持ちでした。 ノットさんに、 歌手の方々に、 オケのみなさんに、、 一生懸命手を叩きながら (幸せだなぁ…)と思っていました。 音楽という人を虜にする美しい魔法があるから、 それを禁止する世界もこの世にはあるんだということを 頭のどこかで思いながら、、、

 ***

前半について、 ちゃんと書く能力が無いですが、 ベルクの「ぶどう酒」 複雑きわまりない難しい曲を あんなに情感たっぷりに、 ときに凄みを感じるほど豊かに表現できる髙橋絵理さんに感嘆、でした。

この感動をのこしたまま、 今週末はまたニコ響で東響さん&ノットさんの演奏が観られます。 二週つづきで出掛ける事ができないので諦めた公演が、こちらも見られるのでほんとニコ響中継は嬉しいです。 今度はヴィオラの演奏が楽しみです。


楽曲の詳しい解説の載っている冊子 「Symphony」5月号はこちら
 https://tso.futureartist.net/Symphony2405pdf


4月末からのコンサート週間 体調くずさずにすべて楽しむことが出来ました。 よかった… 


これからの夏に向けても 毎日努力していきます。



美しいものに たくさん出会えるように。




それこそが生きるよろこび…

緑のなかで…  ラ・フォル・ジュルネ

2024-05-07 | LIVEにまつわるあれこれ
GW いかがお過ごしでしたか?

コロナ禍のあと、 ようやく自由に旅行など出来る連休になり、 一斉に出かけなければまるで休日を無駄にしているかのごとく行楽地やイベント会場の混雑ぶりをTVなどで報道していましたね、、 なんだか煽られてるみたいに… 笑

、、わたしはのんびりしていました。 お出かけは5日のラフォルジュルネのみ…




とっても気持ちの好い 暑さよりも清々しい日でした。 ラフォルジュルネの公式youtubeに、 開催3日間の各日のダイジェスト映像が載っていて、 編集もとっても素敵で 大人もちいさな子供さんもすっごく楽しそうに映っています。 見ているだけで幸せになれそうな…
 https://www.youtube.com/@LFJTOKYO/featured

私もほかの予定や体調などがゆるせば もっと長時間、 別の日も行きたかったくらい プログラムを選ぶのに迷いました。 話題のピアニストさんや ラストイヤーの道義さんの公演も、、 とっても行きたかった…

でも迷いに迷って 今年はフランスのピアニスト ジャン=バティスト・ドゥルセさんの公演にしました。 92年生まれ、 即興演奏を得意とするピアニストさん。 今年出演のピアニストさんらの動画をそれぞれ観てみた中で このかたのピアノに最も詩情を感じたので決めたのです。



演奏は上記のプログラムを逆にして グリーグ、 ヤナーチェク、 シベリウスの順で演奏されました。 変化のあるグリーグ、 ドラマチックなヤナーチェク、 詩情のあるシベリウス という印象でした。 ジャン=バティスト・ドゥルセさんの音色は 落ち着きのある情感のなかにも(私が感じたところでは)男性的な凛々しい輪郭があって、 やはりドラマ性というか、 絵画的。

会場のホールGは ガラス棟の4階にあって 普段は会議室のようなつくりのお部屋。 なので残響音がほとんど無い。 ピアノのペダリングによって音の膨らみ、 揺れ、 停止、 そういう変化が手に取るように聞こえる。 グランドピアノの周りに椅子を並べた配置で、 近くは2~3mの距離で音を聴くというのも私には音楽室以来の体験。 とても良い体験ができました。

一度 どの曲だったか、、 エネルギッシュに弾きこなして 和音が伸びていって、、 そのときにまるでエレキギターのフィードバックみたいな音に変わった時があって(私の耳のせい…?) 増幅器など無い筈なのに、、 不思議でした。 ピアノを弾く方ならいろいろ発見があったことでしょう…

ラストのシベリウスは それぞれ樹木のタイトルが付いているように 音楽とともに自然を感じる楽曲で、 この日 国際フォーラムの広場に入っていった時、 新緑が風にそよいで 光を揺らしていた その情景ととても似合っていると思いました。

時間が限られているのでアンコールは無いと思っていたら、 インプロヴィゼーション と呟いて即興曲を弾いてくださいました。 グリーグ~シベリウスの今日の流れを損なわない音楽でした。

ジャン=バティスト・ドゥルセさんはこの日の午後、 小津安二郎の映画を上映しながら、そのイメージを即興演奏する という公演もされて、 当初どちらを観ようか本当に迷ったのですが、 小津映画との即興演奏も良かったようです。

 ***

この日、 ピアニストのお友だちは 小林愛実さん&群響のホールAの公演を観に行っていましたが、 ステージにスクリーンがあって 愛実さんが弾く手元などの映像も映し出されて とても参考になったと喜んでいました。 ホールAは大きな会場ですから このような見せ方もクラシックコンサートでは新しいですね。 

私はジャン=バティスト・ドゥルセさんを観た後、 ホールEのカフェでランチをいただきながら、 ステージでの第九の演奏を聴くという贅沢なお昼休み。 ホールEはひろびろしていて、 赤ちゃん連れのご家族が食事をされたり、 年輩のご夫婦がビールを楽しんでおられたり、、。 地上広場ではキッチンカーの屋台も美味しそうなメニューで賑わっていましたね。

都会のまんなかで楽しむ クラシック音楽のフェス。 しかも連休中に朝から晩まで楽しめる。 ほんと素敵な音楽フェスです。 来年はもっと長時間たのしんでみようかな、、と思いました。





連休最終日の昨日は、 お家でのんびりしながら 4月末からの東京ドームと(この日のことはまたいずれ…)、 ラフォルジュルネの音楽の日々の余韻に浸っていました。

気持ち的に今度はJAZZ というわけで、 ARTE CONCERT の イタリアのジャズフェスの映像からこちらを…
 Enrico Rava & Fred HerschPiacenza Jazz Fest

このトランペットとピアノが お休みの最後の昼下がりにとても心地良くて。。 あぁ~ 楽しいGWだったなぁ… と。。 このピアニストさん、 ブラッド・メルドーさんのお師匠さんなのですって、、 なるほど。 とっても心地良くこころに馴染む音楽でした。


私のGWは あとほんのちょっとだけ続きます。 あとひと公演。



素敵な週になりますよう…