星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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遅ればせ・・・ Splinter / Gary Numan

2015-10-23 | MUSICにまつわるあれこれ


8日から続いている ゲイリー・ニューマンさんネタ。。 2013年作品の「Splinter」届きました。

このアルバムを思い出すきっかけになった A Perfect Circle の Billy Howerdel さんのツイートを読んだ時には、 Gary Numan さんは LAでの3デイズライヴを行なっていたのでしたが、 昨日からは ロンドンに移って、 やはり Replicas からの3アルバム再現ライヴの真っ最中のようです。

加えて一昨日、 Q Awards 2015で Innovation in Sound Award を受賞されたそうなので、 このアルバムは2年前のものなんですけど、 なんだか現在進行形の気持ちで聴く事ができます
Q Awards 2015: Gary Numan & Jean Michel Jarre – Q Innovation in Sound, presented by Sony Xperia

この Qアワードのインタビューや、13日に書いた KCRWでのライヴなどを観ると、 こんな風にチャーミングに笑う素敵な人だったのかと、 35年前を知る人間としては(…ていうか、35年前には動く映像なんてほぼ皆無でしたから) 新鮮な驚きもありますが、、

サウンドは、、 紛れも無く 美しく インダストリアルで メタリックで 且つ 静謐さもある 35年前の斬新なテクノミュージックから さらに幅が拡がった力作です。 今回受賞した サウンドイノベーターとしてのゲイリーさんの役割は、 かつての Tubeway Army から始まる作品の数々に見事に発揮されていたのだと思うけれども、 現在の作品はそういった 当時の最先端の音楽というより、 もっとずっとシンプルだけど 力強くて、 歌の力とメタリックなギターと、 幽玄なシンセが 過不足無く調和してる。。

、、あ、、CDは国内盤を買いました。 ボーナストラック付きで 解説も訳詞もあって 尚且つ 輸入盤よりも価格が安い… なんて有難いアルバム。。 ラストのボーナストラックもダークで美しい曲でした。 

NINの Robin Finck がギターで参加している点も大きいのでしょうけど、 メタリックに反響するギターのせいもあって、 NINぽくもあるし、 Bowie のベルリン三部作の幽玄さもあるし、 ビリーさんが好きなだけあって APCにも通じる。。 ダークで耽美なメロディラインは、 そのままゲイリーさんが メイナードの代わりにヴォーカルをとってAPCの曲を歌っても 全然違和感ないんじゃないかと、、。

現在は LAに拠点を移して住んでいらっしゃるそうですから、 是非とも Gary Numan + ビリーさんの ASHES dIVIDE というコラボレーションもこの先 聴けたら良いのにな、、と そんな期待も。。

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英文の歌詞カードを見ながら(歌詞の言葉はかなりシンプルで、 訳詞を見ているよりもすんなり入ってきます)、、 思ったんですけど、、

ルー・リードさんが亡くなったのが 2年前の10月、、。 ルーが創り出す新しい音楽がもう聴けない喪失感は ずっと心のどこかにあったと思うのだけど、、 さっき この「Splinter」の中の、 とても美しい曲 「Lost」を聴いていて まるでルーの「Perfect Day」みたいに美しい曲だな、、と 思っていたのです。 あぁ、 こういう美しい音楽をまだ創ってくれている人がいる、、 って。。 美しい、 優しい そういう音楽はたくさんあるけれど、 ポップソングでもなく、 フォークや ルーツミュージックでもなくて、 ルーが ノイズやメタルとの融合の中で 美しさを見出したような、 現在の歪んだ都市空間を立脚点としている音楽の中に美しさを探したい、、 そんな想いが このゲイリー・ニューマンのさんの音楽を聴いていて ちょっと叶えられたような そんな気がしたのです。

Gary Numan - Lost (Paradise Rock Club, Boston 3/24/14)

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アルバム、、 ひとつだけ欲を言えば、、 やっぱり ドラムスはプログラミングではなくて ライヴの生音の方がいいな。。

またあの KCRWの1時間15分のライヴ、、 時間のある時に観てみたいな。。

words from '82

2015-10-18 | MUSICにまつわるあれこれ


先日の ゲイリー・ニューマンさんから マイ80年代ブームがまだ続いているんですが、、 さっき たまたま開いたCD棚で ちょいと目についたので 久しぶりに聴いたのがコレ↑

Tom Verlaine のソロ3作目、 「Words From The Front」1982

綺麗なジャケです。 (ただ写しても何なのでクラフトワークさんも一緒に、81年作品) でもCDサイズよりもLPのジャケだともっと青が美しい。。 このジャケ見ると、 これを買いにわざわざ渋谷の輸入レコード店まで遠出したのを 想い出します。 抱きしめるようにして持って帰った(筈です)。。

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当時、 輸入レコードだし、 ライナーに何が書いてあったか記憶もなく、 音しか聴いてなかった気がするけど、、 このCDのリイシュー盤には 英文の解説がついていて、、 それをさっき初めて読みました(←おい・笑

現在のトムの相棒、 Televisionのメンバー Jimmy Rippさん、このアルバムからギターで参加していたのですね。 ジミは当時、 あの Mink Deville (Williy Deville) の友達で、 ミンクデヴィルのドラマーの Tommy Priceとも友達で、 それでトミーがこのトムのソロに参加することになって、 ジミもトムと知り合ういきさつになったと、、(33年目にして知ったよ… 笑)

Mink Deville、80年前後の NYパンクおよび CBGBを語る上で欠かせないバンドでもあります。 大好きでしたよ あの声、、この曲も大好きでした↓(これはライヴだけど、 最初のレコードの声はもっと中性的で艶かしくて) Williyさん、 2009年に亡くなられました、 R.I.P.
Mink DeVille - Spanish Stroll (From "Live at Montreux 1982")

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トムに話をもどして、、

Words From The Front、、 電子音楽全盛の80年代、 ニューウェイヴ、 ニューロマンティクスがラジオでどんどん流れている時代の音としては、 緊張感あり過ぎ、 というか、研ぎ澄まされ過ぎ、、 悪く言えば 全くウケる要素の無い、 地味なアルバムなんだけど、、 

トムのギタープレイを聴くには非常に洗練されている名盤だとあらためて実感。。。 全然ポップではないのだけど、 でも確かに80年代の音、でもある。
そして、 常にギタープレイと あの神経症的な声に注目がいくトムだけれども、 一方で、 トムの本当に繊細な文学性は、 じつは「言葉」の中にあるよね、、

、、と、、 これを聴いていた少女時代よりは 多少 言葉も理解できる大人になったし、、 その後の トム&ジミふたりのライヴで、 「Words From The Front」(戦地前線での兵士の日記、という内容の歌詞) をちゃんと聴くことが出来て、 トムの思いも胸が痛くなるほど感じることが出来たから。。。

このアルバム、 出来れば Vynil(レコード)で聴いてほしいです、、 ←って、 私もレコードプレイヤー今持って無いから聴けないんだけど、 さっきCD聴きながら、 やっぱりプレイヤー欲しくなった。。 トムのアルバムは(Television含め) レコードが良い 絶対に音が。

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そして、 今日の最大の収穫。
このアルバムからの ライヴ映像が見れるなんて!  このトムのヴォーカルも、 ギタープレイも ほんとレジェンダリーだわ、、 これ残して下さった方、 ほんと感謝です。
Tom Verlaine - Days on the Mountain Part 1 (The Old Grey Whistle Test)

原曲は 8分以上もある壮大な曲で、 終盤は 前回のゲイリー・ニューマンさん、というか、 ボウイ&イーノのベルリン三部作の匂いがするような、 幻想的な展開でもある名曲なので、 そちらもお薦めです(mp3じゃなく聴いてね)


人間に そっくり・・・

2015-10-08 | MUSICにまつわるあれこれ
Billy Howerdelさんのツイート(>>)で、 すっかり忘れていた事、 思い出しました。。 Gary Numanさん、、 アルバム出していたのですよね。。

最新アルバムはこちら
Splinter (Songs From A Broken Mind)(amazon.co.jp)

いつだったか、、 ダーニ・ハリスンの thenewno2リミックスによる この新作からの曲を聴いて、、(こちらで聴けます↓) 
https://soundcloud.com/garynumanofficial/
カッコいいなぁ、 相変わらず独特の宇宙人的なお声だなぁ、、と思って、 でもその後 新作アルバムのこと、 すっかり忘れてしまっていました。。。

先日、 LAで、 かつての名盤 Replicas、 Pleasure Principle、 Telekon を3夜連続で再現するライヴが行われていたのですって、、。 凄いな、、

ゲイリー・ニューマンさん、、 Tubeway Armyとしてデビューした時から、 人間離れしていたというか、 宇宙人的でしたよね。。 ロンドンパンクの時代が終わり、明らかに新しい無機質な時代へと変わったことを、 何かしらの喪失感というか(シド・ヴィシャスの死もあり)、、 諦観とともに感じていたのでした(自分も完全に醒めたガキっちょでしたネ)

、、で 現在のその再現ライヴ、、 今のお姿を見てみたくて(新作Splinterのジャケも全然老けてないな、、という印象だったし)、、 動画にも先日のライヴの映像はたくさん載ってました、、

なるほど~~、と発見したのは、 歌う立ち姿、 歌い方、 バンドの雰囲気、、 ビリーさんすごい影響受けてるのがよくわかりました。。 ビリーさんの動く姿を初めて観た時、 (スキンヘッドのせいもあるけど) 地球外生命体みたい、、 同じ地球の人間とは思えない、、 って感じましたけど、、 そして声の出し方も むしろヨーロピアンで アンニュイで かつゴシックで、、 その辺もすごく良く似ていたんだな、、と。

2013年に Splinterを出した時の スタジオライヴがありました
Gary Numan - Full Performance (Live on KEXP)

確かにサウンドはかつてのテクノ時代の雰囲気もあるんですけど、 ヴォーカルはものすごくエネルギッシュだし、 肉体的というか、 動的というか、、 全然かつてのアンドロイドじゃない。。 根源的なものは変わっていないんだけど、 70~80年代のものとは全然違う。 年齢の事とか当時はよく知らなかったけど、 デビューが18歳くらいだったらしいから、 今まだ全然若々しいのも頷けます。 NINらとたいして変わらない、ということね。。。

改めてチューヴウェイアーミーからまた聴き直してみたくなったわ。。。

80年代には、 世の中がバブリーで動的だったがゆえに、反照としてのアンドロイド的な無機質さが意味ある言葉になって機能していたと今では思うけど、 現在のいわゆるEDMなどとはまた違って、 むしろ肉体を感じさせるライヴ、 存在感のある肉声だというのが、 なんだか強さというか、 音楽をやり続けて来たキャリアゆえのものなのかな、、などと 上手く説明できないけど感じるのでした。  

、、ビリーさんは 今度はきっと シルヴィアン&フリップみたいなサウンドになっていくのかな、、って思っていましたけど、 ゲイリー・ニューマンさんも鍵のひとつだったのですね。。 (早くアルバム出してほしいなぁ、、)

地球外生命体のように美しく、 妖しくありながら、 でも 実感できる肉体をもった音楽、、 (あのEric Dravenのような、、ね) 届けて欲しいです。
 
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もひとつ、、 NINつながりで、、(前にツイートの方には書いたかな)

Ilan Rubin(アイラン・ルービン)のプロジェクトNew Regime、 こちらも割りと好きです。 全曲試聴できます↓
http://amass.jp/62997/

(少しビートルズの要素が入ったりする所に可愛さも感じたりして…)

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10月は エリック・ドレイヴンの蘇る月。。。(>>) 愛しい月。。