星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

忘れないことが生きること

2005-12-31 | …まつわる日もいろいろ
戦火の絶えない土地で生れた子供たちのために
行われたチャリティーLIVE
「Hoping for Palestine」

この映像を楽しみにしていたのは、
パレスチナの子供たちの実状が気掛かりだったというより
初めてのLIVE映像とも言えるSpiritualizedが見たかった
に過ぎないけれども、
ふと、、戦渦の下で生まれ、育つ、、そんな子供がどんななのか、思いをめぐらした時、自分の小児病棟時代を思い浮かべれば良いのかもしれない、と感じた。

次から次へと、人が死んでいく。つい先日まで笑い、喋っていた子が、いなくなる。。けれども、誰も死を表立って口にはしない。昨夜、どこかの部屋から誰かが遠い所へ運ばれていったとしても、残った子供たちは、いつものようにご飯を食べ、注射を受け、笑って遊ぶ。その(傍目に見える)無関心ぶりは、冷淡とさえ言える。

死を前にした人間が、だんだん透明な、感情を超越したような美しい存在に見えてくるのだとしたら、、その陰で、すでに命を切り刻まれる痛みを(目に見えないところで)克服してゆくからだ。そうやって、子供たちは感情を見せない〈天使〉に近づいていく。。〈可哀相〉、、、そんな言葉を軽蔑しながら。

、、新年とか、来年のクリスマスとか、次のお誕生日とか、、、自分自身を楽しみにすることをあきらめてしまった子供たち、、。

自分が、こうして成長して、幸せなアニバーサリーを迎えるたびに、あの子たちの事を想い出す。名前も、顔も、ふたりきりで話したことも、慰めようとしてできなかったことも、それでも微笑んでくれたことを、、忘れないから。

 ***

このSpiritualizedの演奏は、渋谷クアトロで見たパフォーマンスを思い出させる、いい演奏だった。サウンドもとても良かった。どんなに音が入り乱れて、クレイジーな盛り上がりになっていっても、7人の楽器それぞれの音がすべて聴き取れるくらい、Mixが素晴らしい。・・・ともかく、ジェイソン・スペースマン、、集中治療室で2回も死にかけた、、というNewsには本当に驚かされたけど、、いずれこんな良い演奏が出来るように、ぜったいに元気を取り戻してね。。オーヴァードーズなんかで死んだら、許さないんだからね。

 ***

・・・お掃除をしては、珈琲を前にひと休み。。台所仕事をしては、映像の前でひと休み。。はかどらないことこの上ない、、(笑)

一年を回顧するのは、、お料理がぜんぶお重に詰まってからにすることにして、、。
あわただしい年の瀬に、感謝。。  あなたもどうぞ、良いお年を。

ピュアな暴走が好きです。

2005-12-28 | 映画にまつわるあれこれ
今年のネタは今年のうちに。。
と、、それにしてもヘンテコな映画たくさん見たなあ。
ふたりで見たもの、独りで見たもの、、もうタイトルも忘れたもの、、
これ以外にも涙した沢山の映画もありましたが、、
変わったところで。。

シックス・ストリング・サムライ
  キング・エルヴィス亡き後の荒廃した世界をロケンロールで救うべく、ヴェガスを目指す子連れギター侍。。遮る者をバッタバッタと斬り倒し、、。マッドマックスとGO! GO! LA混ぜたみたいなノリ? 頭イタクなる位、ヘンテコな映画でした、、好きだけど。 

The Crow 4: Wicked Prayer
  エドワード・ファーロング君が、「ザ・クロウ」の続編に出る、というのは以前に書きました(>>)な、なんと、それを撮る監督が、↑の〈ギター侍〉を撮った人、、、The Crowファンとしてはなんだか心配になってきました。とはいえもう公開も済んで米国ではDVDになっているそう。日本盤DVDがちゃんと出ますように、、。

GO! GO! L.A.
  今更、、ですがカウリスマキ監督は好きです。アキ・カウリスマキ監督のレニングラードカウボーイズ作品も大好きです。ここにも彼ら出てきます。このヴィンセント・ギャロもいい味です(脇役です)。主役の、英国から来たお兄ちゃん(すでに名前失念)、コメディもシリアスも巧くて、ひょろひょろときょろきょろの風貌が素敵! ジョー・ダレッサンドロ、ジュリー・デルピー、アヌーク・エーメ、そして『デッド・マン』のジョニー・デップ、、と見どころいっぱい。

ディフェンダー
  ・・・なんだっけ、これ(既に思い出せない)、、はいはい、ドルフ・ラングレン監督主演作品ですね。大好き、なわけではないけど、しょうもない作品でも結構見てる。これは欧州人としてのドルフが、対イラク戦への米国の対応におそらくNoを娯楽作品の中で言いたかったんだろうな、という、見方によっては大変真面目な映画。イスラム社会版「戦争の犬たち」を意識したのかもしれないけど、あの映画のような解決には至らなかった、、ドルフって頭良すぎる人だから、荒唐無稽に出来なかったんだろうな。

ブラック・スコルピオン
  これもドルフ・ラングレンですね。この作品好きです。でも、この日本盤DVDのジャケ、、これ嘘です。映画の中のドルフは、こんな板前さんみたいな髪型でなく(これってレッド・スコルピオンじゃん)、、ホントはこちら↓

Direct Action
  こちらが実写のジャケ。珍しいドルフのさらさら髪。。強面の刑事さんが、新米のおきゃんな女の子と組まされて、、っていうお約束映画ですが、ドルフが真っ赤なジャンパーをずっと着ていて、妙にシャイで、弱き者にはとっても優しくて、、。

処刑人
  本当に書きたかった作品はコレ! 今年見た中で最高の傑作アクション映画!(作品は新しくはありません)。この処刑人のポスターはよく見たよね。でも殺人もの、、はなんかイヤだったし、、でも、ちゃんと手にとってみて良かった! 確かにふたり(兄弟)は必殺仕事人なんだけど、描き方が現実には有り得ないくらい(コレって大事)、いかしたファンタジーに溢れててスタイリッシュで、動いてる兄弟はもう素晴らしく恰好良くて表情がやんちゃくれで可愛くて、衣装もお洒落で、何もかも最高。お兄ちゃんがマイケル・ビーン顔で、弟がショーン・ビーン顔と言えばどちらがどっちか判るかな? お兄ちゃん=ショーン・パトリック・フラナリーは、そうそう、若き日のインディ・ジョーンズをやってました、あの彼です。そして、弟ノーマン・リーダスは、そうなの、プラダやダーバンのモデルさんでもありました。前にダーバンで貰ったカタログに彼が載ってた! 渋くキメててもっと中年に近く見えて、ショーン・ビーンに似た人だなあ、と思ってたけど、ここで演技してる彼は、可愛い悪ガキ。ふたりとも本当に表情が生きてて、、弟や仲間の危機に、お兄ちゃんが顔まっ赤にして、青筋立てて泣き叫ぶところなど、、すごくピュアで涙しました。
 2人とも敬虔なアイリッシュのクリスチャン。原題は、、「頑丈な聖人」? ん、確かに頑丈なふたり、、兄弟喧嘩しても、痛めつけられても。

スタイリッシュなふたりの更に上を行く、驚異的な演技を見せてくれたのが、、ウィレム・デフォー!! デフォーという俳優さんに出会ったのは、言うまでもなく『プラトーン』でしたが、裸で煙草(麻薬)ふかしながらニヤリと笑う顔に「キース・リチャーズだ!」と思ったのが最初。ここではキースとは違うけど、史上に残る熱演。涙流しながら転げまわって笑わせてもらいました。。最高。



  やっぱり余りのカッコ良さに、続編が決まった?、、とかで、オフィシャルサイトもあるのですが、、なんと、今年の2月にノーマン・リーダスが、R.E.M.のコンサートを見た帰り、事故で大事な顔面を痛めてしまったのだそう。。弟よ、、お顔半分ダメでもいいから、続編に出てくれるのを待ってます。
The Boondock Saints Official Site >>

↑今、、クリスマスバージョンで、、兄の写真に赤いサンタ帽が被せてあったりして、、お茶目なサイトだわ、、ウィレム初め、出演者みんな、めちゃめちゃお茶目で大好き。

パウダー
  その、頼もしいお兄ちゃん、、ショーン・パトリック・フラナリーが高校生役で(!)繊細な表情を見せてくれる映画。パウダーのように真っ白な男の子、、、で、作品としては「シザー・ハンズ」のように異種な者の哀しみと愛、というのを描こうとしたのだろうけど、やや見世物趣味が鼻につく。アルビノの人を特殊に見てるみたいで、映画としてはキライ。
  ただ、ジョニー・デップと同様、、眼の表情でとても複雑で壊れそうな心理状態を演じるのは難しかったろうな、、彼は巧い、です。さらに、、この映画で最も素晴らしい発見が、エイリアンなどに出ていたランス・ヘンリクセン。死に瀕した妻を思う保安官役。SFじゃなく、シリアスなドラマでの名演をもっと見たくなりました。

グラス・ハープ 草の竪琴
  トルーマン・カポーティの映画が公開されると、某姉のブログにもありましたが、こちらはカポーティの自伝的小説が原作。エドワード・ファーロング主演、というのはなるほど適役です。共演者もウォルター・マッソーやジャック・レモンや名優揃い。ショーン・パトリック・フラナリーも、ファーロング君が憧れる野趣溢れる兄貴的存在を好演してます(やっぱりお兄ちゃんだ)。
  カポーティは、、最初に接した状況のせいか、読まず嫌いをしてしまったけど、『遠い声 遠い部屋』には惹きつけられたものがあって、、南部での少年期を描いたこの『草の竪琴』などの作品群、、ぜひ読もうと思ってます。

ハリウッド産業は低迷、だそうだけど、、劇場公開もされなかったような映画でも、、いいものたくさんあるし、、かと言って自分もレンタルに頼ってしまうけど、、でも、いい作品を〈見る〉のは大事だよね。

掌の中の風

2005-12-27 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
EVE、、の日だったかな、、?
たまたまつけたTVでChristmas Treeの歴史、というのをやっていた。

19世紀、英国ヴィクトリア女王と結婚したアルバート公が、ツリーの風習の無かった英国に、ザクセンでの子供時代を思い出して持ち込んだ、とのこと。ドイツでは最初、ツリーにパンや砂糖菓子の飾りをしていたのが、小村の冬場の手工業として木製の玩具や、色付けしたガラス玉が作られるようになり、やや裕福になった市民階級の間に、いっきにツリーの風習が広まったのだそう。
途中ちょっと見ていなかったけど、たぶん米国にはドイツ移民から持ち込まれたのでしょうね。。クリスマスツリーの歴史も、まだ200年足らずのものなのですね。

富裕とは無縁だった我が家だけど、当時としては珍しいほどの飾りを父はしてくれた。庭木(たぶん杉?)を切ったツリーに電飾、天井には金モールとガラス玉、そしてクリスマスソングのレコード。。(その代わり、何か豪華なものを食べたという記憶はまるで無い、、)
アルバート公ではないけど、、ひとつひとつ飾りを下げたり、色紙で鎖を作ったり、、そういう子供時代に楽しかったことって、意味は無くても何故だか気持ちがそれを求めてしまいます。さすがに今は天井から金モールはしませんけど、、。(パパは天井に手が届いたから飾り付けがラクだったのね、、笑)

 ***

なぜだか、、、EVE、、に古本屋にいた私。
先日『ルバイヤート』というCDの事を書きましたが(>>)、その詩集や、岩波文庫何点か、みな百円で購入。(ちなみに店内ではTYMのmy winding roadが爆音でかかっておりました)

    天国にはそんなに美しい天女がいるのか?
    酒の泉や蜜の池があふれてるというのか?
    この世の恋と美酒(うまざけ)を選んだわれらに、
    天国もやっぱりそんなものにすぎないのか?
                        (88)

と、こんな風ににやりとさせられる詩もありました。「宗教的束縛から人間性を解放」すること(解説より)、、そういう詩篇と、POP/ROCK文化の共通性を見たのでしょうね、エレクトラは。

これが好き、です。。

    ないものにも掌の中の風があり、
    あるものには崩壊と不足しかない。
    ないかと思えば、すべてのものがあり、
    あるかと見れば、すべてのものがない。
                    (106)

2001年そして2002年の12月22日

2005-12-23 | 映画にまつわるあれこれ
おとといの晩、ふと思い出した。
4年前の12月23日(だったと思う…)
友人と会って、私はThe Clash の Sandinista! のCD盤(かつてのLPは実家に置いて来た)を買って、スターバックスカフェでお喋りをして、皆で新宿南口に向った。その時、電光板にニュースが流れていて、ジャック・マイヨールの自殺を伝えていた。何故…?と足が止まった。

そのちょうど1年後、、
ジャック・マイヨールと同じ日〈22日)に、ジョー・ストラマーが突然死んだ。やっぱり何故…?と、思うしかなかった。

先日見た映画DVDに、たまたまジャン・マルク・バールが出ていたからかな、、それともノアの方舟を追う〈泳ぐ男〉の物語を読んだせいかな、、それともマイヨールとストラマーの命日を不意に思い出したせいかな、、。マイヨールの自殺について兄のピエールが書いた本、『マイヨール、イルカと海へ還る』を彼の命日に読むことにした。

『グラン・ブルー』(私が見た当時はグレート・ブルーだった)は忘れられない映画だし、ベッソン監督作品や、音楽のエリック・セラが好きな人とその頃、不思議とめぐり会ったりした。まだイルカや鯨の癒しブームみたいなものが始まる前だった。海へ還ろうとする(彼にとっては『還る』としか言いようがないんだと思う)主人公に、ロザンナ・アークウェット扮する女性が「I'm here! I'm real!」と訴える場面はずっと記憶に残っている。あの場面は、この前書いたような男と女の認識の相違を一瞬で見せてくれた場面だった。
・・・だから、というか、、、『ブルー』に嵌った人間としたら誰だってきっと「どうして首つりなんて、、」と思ったのではないだろうか、、。

いつか、この本を読んでみたいと思っていて、ふと思い出したので一日で全部読んだ。・・・自殺の真相、、、は、、イルカ人間ジャック・マイヨールであるがゆえのものでは、、どうも無かった。。別の読み方もあるかもしれないけれど、私には、あくまで鬱病が引き起こした病的な自死でしかないように思えた。だから例えば入院治療をしていればもしや免れたかもしれない死だとも思える。・・・ただ、その鬱症状を引き起こしたのは、水棲できる人間というのをジャックが余りに強く求めた事と、映画がもたらした影響と現実の重さ、、だったのだろう。

あの映画の後、グランブルー症候群みたいな人たちが本当に沢山いた。
そのことを考えれば、ジャックが映画のようにイルカに導かれて海底へ旅立ったのではなく、首をつったという事実に向き合うことは大切かもしれない。読み終えて、とても虚しさは残るには残ったけれど、でもけじめはついた気がした。寝る前にはもちろん「Sandinista!」を聴いた。ジョーの命は少し短すぎたけど、でもジョー・ストラマーは最後まで生き切った。
これですっきりとクリスマスが迎えられる。

invisible...

2005-12-21 | …まつわる日もいろいろ
世界がとても〈ミニクイ〉ので、、、〈うつくしい〉歌を聴いています。

〈天使に出会った〉
、、、と、男の人は歌う。

you are my angel...と歌ったりもする。

たとえ、歌のフレーズだとしても、、言葉の上だけだとしても?(笑)、、そんな言い回しが出来るのはいいな、と思う。
女性が男性を歌うなら何て言う、、? 私の〈王子〉さま? 私のナイト〈騎士〉? 今どき無いよね、、。あなた〈貴方〉は、〈あなた〉でしか無いのが女性なのかな。。現実の、ただひとりの、目の前の〈貴方〉、、、それ以上でも、それ以下でもない。。そうなのかな。

、、一瞬でも、〈天使に出会った〉、、と
思ってしまうのが、男の人の、幸福でもあり、不幸でもある。。
でもそんな、男の人のまちがいに、本当は感謝しないといけないのかもね。

私が、出会ったのは、、、〈誰〉、、?

北風の夜の物語 :シュペルヴィエル「ノアの方舟」

2005-12-17 | 文学にまつわるあれこれ(妖精の島)
寒波に覆われた週末。
北風がほんとうにつめたい。

本当ならこの秋から冬にかけてあった3種類くらいのイベントを
ぜんぶまとめて、ついでにクリスマスまで一緒にしたような
そんなお祝いディナーを。
赤と緑のクロスで飾られたテーブルに
こんな時にしか着れない、柊色のベルベットドレスで。。

 ***

シュペルヴィエルの『海の上の少女』からは、先日も引用をしたばかりだけど、、またしてしまおう。。物語は「ノアの方舟」。こんな話だ。
雨は降り止まず、世界は水に沈み始めた。。ノアはあらかじめ定められた生き物たちを方舟に乗せる。追いすがって舟に乗ろうとする生き物がいる。しかし、その者たちはみな沈んでいった、、、。ひとりの泳ぎ手が最後の生き残りだった。男は舟に乗せて貰おうと懇願するのではなく、水の中で「場所には不足がないことを示した」。舟の動物たちは(ノアも)、「隠れてこっそりと肉の塊を投げてやった」。

 ***

 神に与えられた、生に対するこれほどまでの信頼を目の当たりにしたならば、最も冷酷な神自身でさえたじろいでしまうに違いない。
 明らかに物言わぬ大洪水警察の一員らしい巨大な鮫が泳ぎ手に近づいて来た。そして寝返りを打つと、頭の下についた目で彼を取り調べ始めた。しばらくして何ひとつ咎めることもなく彼から離れると、天使に合図を送った。天使は棒で泳ぎ手の頭を軽く叩いた。すると男は・・・(略)
     (綱島 寿秀 訳)

 ***

なるほど詩人の書く物語だ、、。ノアの方舟をひたすら泳いで追うひとりの男、、これだけでも一冊の物語になりそう。
詩人は、見慣れた世界、、自分なりに理解している世界に、新しい意味を与えてくれる。
・・・いつかクイーンエリザベス号に乗ろう、、と先日たわいも無い事を喋っていた。。いつか、船に乗ったら、この泳ぎ手の男を想い出すかもしれない。
泳げない私は、真っ先に海底に沈んで、、何になるのだろう。。

読みたい備忘録のつづきを、、。

2005-12-08 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
グレン・グールド発言集
 ラジオ脚本なども収録されているのだそう。

明治大正 翻訳ワンダーランド 新潮新書

森田思軒・村井弦斎集 少年小説大系
 明治期の(それも20年代くらいからの)外国作品の翻訳状況が想像以上に幅広かったことに最近驚き、なかでも「翻訳王」と呼ばれた、この森田思軒の仕事ぶりは凄い。。今でもまだ原本が何だったのか、わからないものもたくさんあるみたいで、そのうちちょっと調べてみたいと思っているところ。。
 自然主義と私小説ばかりではない、当時の文芸欲の豊穣さがうかがえるかも。。

シュルツ全小説 平凡社ライブラリー
 この価格で読めるのはうれしいこと。そういえば、今日の朝日夕刊に、シュルツの作品に触発されたという、ダンス・パフォーマンスの舞台の記事が載ってたな。。

画狂人ホルスト・ヤンセン―北斎へのまなざし コロナ・ブックス
 今、八王子夢美術館で、ホルスト・ヤンセン展をやっているらしい。20年前位に回顧展を見た。北斎を師と崇めていたとは知らなかった。
 
 なんか、、、リストが病んでるかしら、、、。 そんなことない。

未来、、をはこぶ。

2005-12-07 | …まつわる日もいろいろ
X'マスに向けて、書こうかな、と
思っていたのだけど、、、きょう書きましょう。

先日ちらっと書いた本、
シュペルヴィエルの短篇集『海の上の少女』から、、(表題作もとても美しい作品でしたけど)
「秣桶の牛と驢馬」という作品のはじまりの一文を。

 ***
 
 ベツレヘムへの道、ヨセフに引かれて驢馬はマリアをのせていた。彼女が内に宿すのは未来だけだったので、重くはなかった。

 ***

 未来を運ぶのは、重くない。。 そう感じていたいし、、、そう信じていたいものね。。

きらきら、、、?

2005-12-04 | …まつわる日もいろいろ
昨夜、
グラスファイバーのツリーを窓辺に飾った。
都心の空に、星は見えなくても
夜空に棲むひとびとが見てくれたらいいな。。

 ***

普段、メイクらしいメイクなどしたことがない私には、とてもとても珍しくデパートのコスメティックコーナーなどへ立ち寄ってみました。(薬局で間に合ってしまうのだもん、、)

たまたまルージュも切れていたし、どうせ買うならちょっとオトクかな、、なんて思って買ってみた。。大好きなグウィネス・パルトロウの大っきな写真がお店のバックのあちこちに並んでいたのにも気を良くして。

ルージュやシャドウの色味が少し落ちついた感じで、とても綺麗。
シルバーのボーチは、旅先でのディナーとかに使えそうだし。

そんな使い途のできる休日が、、はやく来るといいな。
笑ってキミに、、アイニイケタライイナ。。

この冬よみたい。

2005-12-01 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
課題をふたつクリアしたので
つい音楽話に夢中になっていましたが、、
必要に迫られて、ではない本も、ゆっくり読みたい。

いつも、旅行をする時は本を持っていきます。
移動する景色、肌に触れる空気感、、
そして、今、この時代、この日々に対して、自分が感じているもの、、違和感のような、、怖れのような、、。それらと何処か重なる本を。

新聞の新刊案内から気に留めたもの、、備忘録として。

『近代浪漫派文庫』新学社
  一覧リストを見て、、ちょっと〈近代〉なのか、〈浪漫派〉なのか、、首を傾げる作品もややあるような、、、収録作品の選択になにかしら意図も見受けられるような、ないような、、、。だから特に読みたい、ではないのですが、、珍しい作家も多いので。。この出版には直接関係はないけれど、戸川秋骨は読むと大変面白いと最近知りました。英文学者として内外の作品に関してたくさんエッセイも残しているのでそれを読むのも面白いです。

『アラン島』J.M.シング/栩木 伸明訳
  シングは、アイルランドの作家。イェイツから、君はアラン島のことを書くべきだ、とか言われ、あんな荒涼とした厳寒の地に行ったら私は死んでしまいます、、と歎いた、とかそんな話を読んだような、、、。でも、イェイツの勧めのおかげで名作の戯曲『海に騎り行く人々』やこの『アラン島』が生れた、と。戯曲は以前読んですばらしいと思いました。この本、、この冬にぜひよみたい。
  訳者の栩木 伸明先生は、アイルランド現代詩についての本も書かれていて、こちらも新しいこと色々知った本でした。

みずず書房の大人の本棚シリーズについては、前にも書いた気がする、、、ま、いいや。
  シュペルヴィエルの短篇集(>>)もよみたい。ヴァージニア・ウルフのエッセイ(>>)も前に少し読んだままなので、こちらも、、。