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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

秋に遊ぶ・・・②

2002-10-16 | インポート
秋・・・芸術の秋・・・美術館や博物館、展覧会もいいけれど、こんなすばらしい青空の下では、外での芸術鑑賞も楽しいだろうと、出かけたのは「常滑市」の「やきもの散歩道」です。

常滑は古くから焼き物の産地として知られ、「常滑焼」は千年の伝統を持つといわれています。
ちなみに「日本六古窯」は、常滑、瀬戸、越前、信楽、丹波立抗、備前ですが、この中で最大規模といわれるのが常滑焼だそうです。

常滑焼と共に暮らし歩んできた人達が住む丘の一帯を「やきもの散歩道」として売り出してはいます。
が、あくまでも日常の生活が営まれている場所ですから、細い路地や小径にいろいろな陶器類が無造作に置いてあったりします。これらは誰かの持ち物でもあるわけですので、十分注意しながら歩かなければなりません。
ましてや、個人の家をのぞいたり、敷地内に入ったりというようなマナー違反があったはならないのです。
そんなことを注意しながら、案内板に沿ってゆっくりと細い道を歩いていると、平安の時代よりつちかわれてきたという「やきものの心」に触れることが出来るような気がしました。

前回、この「やきもの散歩道」を訪れたのは10年前ですが、今もそのまま・・・静かな丘でした。
石垣の代わりに焼酎瓶が埋め込まれた家、土管で埋め尽くされた小さな坂道、レンガの煙突、大きなかめ・・・楽しい場面にたくさんぶつかりました。

丘のてっぺんには全長22メートルの「登窯」があります。
現在「国指定重要有形民族文化財」になっていますが、この窯は燃料費を安くあげるために、石炭と薪を使う「折衷窯」でした。
昭和48年の大気汚染防止法により使用ができなくなったのだそうです。

いつもは外側から見れるだけなのですが、私が訪ねた日は特別に「窯の内側」に入れてくださいました。
傾斜地の下から順に第1室~第8室まであり、「連房式登窯」で、炎が上に昇り広がる性質をたくみに利用し、熱が効率よく窯の中を回るように燃焼室が連なっています。
窯入れから窯出しまで約40日、この間、最下部の焚き口で石炭を、続いて第2室から松葉、薪をたいたのだそうですが、中へ入れていただき、各室への階段を上がってみましたが、結構高くて急でした。
重い製品や薪を持って上がったり、降りたりとずいぶん重労働だったんだと感じました。

今回、「とこなめ焼き」に関して持っていたイメージが変わりました。
緑や、土色の美しさ、質のしっかりさが「とこなめ焼」の持ち味と思っていましたが、なんといくつかの作品に美しい、繊細な水色を見つけたのです。
ある作者の方とお話することができましたが「水色そのものはあった」そうです。
でもこんな澄んだ水色はめずらしいとか・・

青く高く澄む秋の空と同じ色を持つ作品に出会えたのが嬉しい「やきもの散歩道」でした。
もしかしたら「秋の空」を映し出していたのかもしれません・・・