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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

「番神の梅」~~♪(読書感想文です。)

2019-04-04 | 本と雑誌

久しぶりに春らしい陽気になった今日~♪
ガラス越しのお日様がポカポカだったので、読書三昧~~♪

「番神の梅」 藤原 緋沙子 著
  (時代小説です)



藤原氏の作品は、歴史に裏打ちされている中で、意外性に満ちたストーリーであったり、魅力的な人物が何人も出てきて、読み終わった後に「ほっとする」「爽快感」を感じることが多くて好きです。

この作品もそんな一つ~~♪

『 三重県桑名藩の飛び地である「越後柏崎」に赴任した若い夫婦。
厳しい陣屋の暮らしの中、夫は四角四面の堅い人間で、学者肌・・・、そのために若い妻は清貧の生活を余儀なくされます。
気候も過酷で米や野菜などの栽培も厳しいものがあります。

赴任するときに持って来た「二本の梅の苗木」~~、「なんとかこの地に根付いて欲しい」と植えたのですが、家に植えたのは枯れてしまいました。
海を見下ろす崖の上に立つ「番神堂」・・・そこに植えた1本は、堂を守る老夫婦によってようやく根付いたのですが・・・なかなか花は咲かない。

故郷に残してきた長男の成長を想いながら、赴任先での生活に苦労する妻。
彼女は「この夫の妻でよかった」と、言える日々を送りたいと願いながら「古着の一枚も買えない」生活を懸命に生きます。

しかし、当初はそんな日々の不平不満を夫にグチってもいたのですが、実父の亡くなったという知らせといっしょに届いた遺言・・・「凛と生きよ」という言葉に「はっ」とするのです。

故郷に帰れることを夢みながらも、病に倒れた妻。
彼女が天国へ旅たったとき、番神堂に植えた梅の花が咲いたのです・・・』

気持がいいほどに、貧しくとも凛として生活する夫と妻~~、二人のお互いへの愛の深さ~~、
一気に読んでしまった本です。