以前から気になっていた本、ようやく読みました。(すでに映画にはなっています)
「ファーストラヴ」 島本 理生 著
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「臨床心理士」が主人公の物語なので、発売時より「いつかは読みたい」と思ってはいたのです。
実は・・・もう何十年も前になりますが、某大学で「心理学」を学んだことがあります。「深層心理」です。
教授は「ユング派」・・・、めっちゃくちゃ難しくて・・・単位は落としました(( ;∀;))。
なので「心理学」に抵抗感があり(抹消してしまいたい過去です=笑)、読んでも分からないかも・・・と、敬遠していたのです。
が~、以外にもグングン引かれて一気読みをしてしまいました!
『父親を刺殺した容疑で逮捕された女子大生・聖山環菜の挑発的な台詞(警察に対して「動機はそちらで見つけて下さい」)が、世間をにぎわせていた。
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねていくが・・・。』
苦しみも悲しみも拒絶も、自分の意思も、口にしてはいけないと思っていた環菜は、自傷することでそれらを発散させていたのです。
臨床心理士の由紀によって、環菜の幼い頃の積み重なった体験が今度の事件を引き起こしたことが解明されていきます。
「どんな人間にも意思と権利があって、それは声に出していいものだと、裁判を通じて初めて体験できた」という環菜。
家族という関係の複雑な感情、繋がりの難しさに、驚きますが、結末は、ほっとできました。
今、子どもの虐待事案が増えているそうですが、その内容は様々・・・。
幼少期の児童虐待、性虐待を引きずり成長していくことで、社会のルールから外れたり、自らを傷つけたり・・・と、人格形成に大きな影響が出ている大人が増えることが懸念されます。
事件が起きた時に、そういった深い部分の事柄が関係していることを解明していく臨床心理士って、とても重要な立場なんですね。
昔~~~、もっとしっかり勉強していれば、人権擁護委員としての役割も、もっともっときちんと果たせたかもしれないと猛省!(苦笑)
そうそう、物語に出てくる主人公・由紀のご主人・我聞(がもん)さんと、その弟・迦葉(かしょう)さんの名前は仏教の経典に出てくるらしい・・・。
内容が殺人に関することなので、そのからみ?と、思ってしまった私です(苦笑)。
その我聞さんの優しさ、人柄の良さには感服、こんな人、本当にいるのかなぁ・・・(笑)
本を読み終わって、外の空気を吸うためにお散歩に~~~♪
明るい太陽と暖かい空気に、春を感じました~~~♪
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