prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「天皇の世紀」 (4)(5)(6)

2012年08月23日 | テレビ
(4)禁門の事変1

蛤御門の変を前後編で描く。
長州の孝明天皇を拉致して叡山に移そうという計画で、実際に計画されていた拉致ルートをカメラが辿ってみせる。 長州の被害者意識からムチャなまねをするあたりの行動原理は昭和の日本にも受け継がれているみたいです。

慶喜は日和見と見せて準備を整え、長州に先に手を出させ、いざとなると徹底して相手を叩きのめす。相当なもの。

戦いの場面は背景抜きの抽象的なバックに当時の扮装をした人馬が行進する形で描かれる。

演出 蔵原惟繕

(5)禁門の事変2

原作者が全幅の信頼を置いていた元長州兵士でのち貴族員議員の小倉衛門之助(えもんのすけ、というのだが字はこれでいいのか?)の証言を役者を使った再現でずうっと見せて、実は小倉氏自身が天皇の拉致計画の要員だったと明かすのにびっくり。

演出 蔵原惟繕

(6)攘夷のなかの二人

井上聞多(馨)、伊藤俊輔(博文)の二人に扮する役者に役を説明する形で当時の状況を描く技法がおもしろい。
再現ドラマのNGテイクまでが堂々と取り入られている。

レポーターの伊丹十三が海を見下ろす高い橋のぎりぎり落ちそうなところからレポートする。あんなところ、入っていいのかな。

演出 大熊邦也

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邦画を彩った女優たち「ひとりを生きる 女優 大原麗子」

2012年02月17日 | テレビ
「居酒屋兆治」の役と大原麗子当人のキャラクターの共通性を軸にしているのだけれど、あの役はいささか困った人に思えるし、映画自体それほど評価が高いわけではないので、ちょっと当惑する。

CMでのイメージが一番印象深いかもしれないので、「映画」女優とすると映画自体が地盤沈下しているせいもあって、これといった強力な代表作というのは選ぶのが難しいと思う。「邦画を彩った」というには、いささか遅れてきた印象。
晩年の生活について触れていないの物足りなくはある。

チャンネル :BSプレミアム
放送日 :2011年12月25日(日)
放送時間 :午後0:00~午後1:00(60分)
ジャンル :映画>その他
ドキュメンタリー/教養>カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー>芸能・ワイドショー

番組内容
「すこし愛して なが~く愛して」好感度NO1女優だった大原麗子が亡くなって2年。彼女が最も思い入れた映画「居酒屋兆治」を軸に、大原麗子の魅力と孤独を見つめる。
詳細
「すこし愛して なが~く愛して」。その愛らしさ、はかなさで、好感度ナンバーワン女優と言われた大原麗子。清純な乙女、きっぷのいい芸者、ごく普通の主婦。名監督たちによってさまざまな顔を引き出され、多彩な役柄を演じた。最も思い入れ深かったのが、映画「居酒屋兆治」で演じたヒロイン“さよ”。愛を貫くが故に、破滅し、孤独に死んでいく役柄になぜひかれたのか。女優・大原麗子の魅力と、知られざる心のうちを見つめる。
出演者ほか
【語り】松重豊

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邦画を彩った女優たち「サヨナラ 幸せは私には必要でない 太地喜和子」

2011年12月28日 | テレビ
三國連太郎との恋愛は有名だが、「飢餓海峡」出演時の三國を撮影現場まで追っていって宿屋でただ待ち続け、しかも映画の中の三國の恋愛対象である杉戸八重という架空のキャラクターに嫉妬したというあたりはなんだかすさまじい。
ずっと後になってその八重役を舞台で太地自身が演じるあたりも奇妙な因縁を感じさせるし、わざわざ雑誌の対談で三國と再会するというのも、ドラマよりもドラマチック。

もう芝居と実生活といった区分などなくて、生きていることと演じることが等価になっていたみたい。
遺作になった唐人お吉と同様に、48歳で水死するというのもあまりにもらしすぎて不気味。

三國がおそれを感じた、というのも、男としてそこまで愛されること自体への恐れと、役者として作りこまなくてもそのまま芝居の世界に地続きでいってしまう天性の資質への畏れと、両方だったように思われる。

私的な手紙が早稲田大学の演劇博物館に所蔵されているのに、ちょっとびっくり。

チャンネル :BSプレミアム
放送日 :2011年12月26日(月)
放送時間 :午後0:00~午後1:00(60分)
ジャンル :映画>その他
ドキュメンタリー/教養>カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー>芸能・ワイドショー

番組内容
その妖艶さと独特の影で強い存在感を残した太地喜和子。芝居への入れ込みは激しく、演じる役と実生活が一体となることも。女優の枠を超え、人々を翻弄した彼女の真実に迫る
詳細
「太地(喜和子)さんって、共感できるところがいっぱいあって、すごく業があって、本当に本当に女優さんですね」と、手紙の朗読に取り組んだ松雪泰子は言う。喜和子の存在感は、映画でも舞台でも私生活でも、ずば抜けていた。「情念の女優」と絶賛される一方で「虚言癖の女」とまで、うわさされる。その実像は? 出生の謎、若き日の葛藤、一世一代の恋、命をかけた舞台、突然の死。恩師、先輩、親友が喜和子を語り、問いかける。
出演者ほか
【語り】石澤典夫, 【朗読】松雪泰子

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