ジョン・フォードの騎兵隊もの、というとインディアン討伐=政治的に正しくない、というどうも余計な印象が割り込んできて困るのだが、なまじ各方面に気を使っていない分、割り切って見られる。
細かく見ていくと、騎兵隊の捕虜になっても巧みにわからない方法で外と連絡をとり、三部族連合を組んで、ライフルで武装し、ある部隊は砦に放火しある部隊は囲いを破壊するといった組織だった戦闘を見せる、という調子で、手強い「敵役」として強く精悍に描かれている。
ラスト近くではどうもアルコールでヨレている様子が描かれているようで、教会の外に陣取っているというあたりも、すでに白人の影響は排除できないところまで来ているのを描いているよう。
ジョン・ウェインが矢で射られるシーン、普通だったらすぐ射た「悪い」インディアンがやられるところを見せようだが、見せない。
ラスト、ちらりと騎兵隊の中にインディアンと思しき顔が混ざっている。
メサを背景にして騎兵隊が行進するさまは、一大ページェントという感じでいまさらながら壮観。白黒プリントの状態(デジタル化版)が良いのにも感心。
(☆☆☆★★)