まず実際に尾びれを原因不明の病気で失うが人造ヒレをつけて泳ぎ遂にはジャンプまで成功するイルカのフジをフジ自身がやっていて、これがさすがに他に代えられないリアリティと緊迫感があり、それを下手に崩さないようにがっちり役者入れ込みでドキュメンタリー調に撮っているのが大きな魅力。
役者たちも動物の添え物ではなく、それぞれしどころを押さえている。
その一方で、水族館の館長の親戚の子がフジにシンパシーを寄せているというよくありそうな設定のドラマを同じように淡々と撮っているかのようで実は高度すぎて気がつかないくらいすごいゲーム的技巧をこらしているのに、ちょっとびっくり。フジに母性的なものを見ているというモチーフは外していないから技巧が浮いていない。
もっとも、イルカの形状というのはかなり男性的(?)な印象の方が強い気はするが。
ブリジストンが実名で出てくるのは、企業イメージアップになるのだから不思議はないけれど新鮮。
(☆☆☆★★)