prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブルー・マックス」

2009年06月02日 | 映画

手段を選ばず撃墜数を増やしていた戦闘機乗りが、上層部に英雄として仕立て上げられ利用されたあげく破滅するという戦争スペクタクルとしてはかなりシリアスな内容。
塹壕の中で空を飛ぶ複葉機を見上げるオープニングが、上昇志向を典型的な画にしている。もっとも、それからどうやってのしあがっていったのか、よくわからないまま、ぽんと撃墜数を競う立場になっているのが唐突。

製作総指揮が「トラ!トラ!トラ!」('70)のエルモ・ウィリアムズであるところが目を引く。この映画の複葉戦闘機の空中戦撮影の成果をもとに、真珠湾攻撃のシーンを構想したのだろう。CGでは得られない実写精神の魅力。
ドイツ軍内部に相当な階級差別があるのがありありとわかる。これは最近の「ワルキューレ」でも押さえられていた。
(☆☆☆)