prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スリーデイズ」

2011年10月11日 | 映画
脱獄計画を練るのに経費の計算を重ねる脱獄ものというのも珍しい。
計画の実行にも逃亡先の生活にも先立つものがとうぜん必要で、金をどうやって調達するか、それが間に合うのかという妙なリアリティが監督・脚本のポール・ハギスらしいといえばらしい。オリジナルのフランス映画の方を見ていないのでどこまでアレンジしたのかわからないが。

ラストが妙にすっきりしない。昔の「ゲッタウェイ」で悪人が逃亡に成功してはいけないというモラルから主人公夫婦が殺されるラストというのが公開版とは別にあったらしいが、そこまでいかなくても似た匂いがする。余計なモラルだと思うのだが。

主人公が犯罪には素人なもので、やることがまことに危なっかしくて見ていられない。頭はいいのだけれど、非情になりきれなくて危機を呼んだりかえって相手に人に危害を加えたりする。ラッセル・クロウだと相手を問答無用でぶちのめす役にしても成立したと思うが、ここではおとなしい大学の先生を神妙にやってます。
救出しようとする奥さんにぜんぜん相談しなかったり、冤罪を晴らそうとした気配がなかったりと、どうもやっていることが独りよがりな気がする。
(☆☆☆★)

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