主演のジョニー・デップはトンプソンによほど思い入れがあると見えて、以前やはりトンプソン原作の「ラスベガスをやっつけろ」に主演し、トンプソンのドキュメンタリーのナレーションを担当したりしている。
監督・脚本のブルース・ロビンソンといったら、「キリング・フィールド」の脚本で地位を確立した人だが、あれの原作者=映画化の主人公はトンプソンとはほぼ不倶戴天に近いシド・シャインバーグだったのが皮肉なところ。
俳優出身でイザベル・アジャーニ主演の「アデルの恋の物語」とかコリンヌ・クレリー主演の「ホテル」でヒロインをひきつけてやまない男という設定の割に傍から(つまり観客から)見るとどうってことないギャップが身上(?)みたいな人。転向して成功したけれど、いまひとつ個性に乏しいのは一緒。
トンプソンはゴンゾ(ならず者)ジャーナリズムの代表としてお行儀は悪いが率直で露悪的で不偏不党のウソに唾を吐きかけるような仕事をしていた人らしいけれど、デップのスター・イメージを崩しきれないのか、あまりそういう感じはしない。ホテル備えつきのミニボトルをみんな空けてしまうアル中なのに腹筋割れてちゃ変でしょ。結果、ハードボイルド探偵のバリエーションみたいになっていた。
(☆☆☆)
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主演 ジョニー・デップ | |
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